仙台名物・笹かまぼこはなぜおいしい?「鐘崎 笹かま館」で食べて、知って、体験しよう!
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仙台名物の笹かまぼこをめいっぱい楽しむなら「鐘崎(かねざき) 笹かま館」がオススメ! この場所でしか味わえないメニューや、鐘崎オリジナルのかまぼこ商品が盛りだくさん。笹かまぼこに込められた鐘崎のこだわりや、おいしさの秘密をうかがってきました。
美食の宝庫・仙台で笹かまぼこを知りつくす!
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Picture courtesy of 仙台市観光課
「仙台城」や「秋保(あきう)温泉」といった観光地のほか、夏の仙台七夕まつり(※)などのイベントを目的に、全国から旅行者がやってきます。また、仙台は牛タンやずんだ餅といった名物グルメも数多く、美食の町としても知られています。
※2020年は新型コロナウイルス感染防止のため中止
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Picture courtesy of KANEZAKI Co., Ltd.
なかでも「笹かま」の愛称で親しまれる笹かまぼこは、専門店も多くあり、各家庭でお気に入りのブランドがあるほどなのだとか。その発祥は、今から約150年前にさかのぼります。
当時の仙台港ではヒラメの大漁がつづき、魚が余ってしまうほどだったそう。そこで考え出されたのが、魚肉をすりつぶして焼く笹かまぼこ。魚肉を焼くことで保存性が高まるのはもちろん、香ばしい風味が大変な人気になったそうです。
笹かまぼこの名前の由来には諸説ありますが、笹が入っているわけではなく、笹の葉に形が似ていることから呼ばれるようになったそう。今では贈り物やおみやげの定番として愛されています。
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「鐘崎 笹かま館」館内の様子
今回はそんな笹かまぼこのおいしさの秘密を知るため、「鐘崎 笹かま館」を訪ねました。笹かまぼこの魅力や仙台の文化に親しんでもらうため、笹かまぼこを製造・販売する鐘崎が運営する施設です。
鐘崎の笹かまぼこはなぜおいしい?
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写真左:笹かま館スタッフ 村山さん 写真右:工場長 本城さん
今回、鐘崎の笹かまについて教えてくれた本城慶(ほんじょう けい)さんは、練り製品をつくるプロフェッショナル。鐘崎の生産ラインを束ねる工場長をされています。そんな本城さんに、鐘崎の笹かまぼこのおいしさの秘密を聞いてみました!
安全で、おいしいものを届けたい!
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鐘崎の笹かまぼこの食感は“ぷっくら”と表現されます。食べてみると、ほどよい弾力があり、歯ざわりのよいやわらかな食感が笹かまぼこのおいしさを引き立てているのがわかります。
こうした食感を出すには、材料に卵白やでんぷんを使うのが一般的です。しかし、鐘崎では卵白もでんぷんも不使用。それだけでなく、保存料や化学調味料も使われていないのだといいます。
「卵白を抜くことを決めたのは、10年ほど前にお客さまからいただいたお手紙がきっかけだったんです」と本城さん。
鐘崎の商品が好きだという方の手紙には、“子どもが卵アレルギーでかまぼこが食べられず、残念です”と書かれていたそう。これをきっかけに鐘崎では、卵白とでんぷんを抜き、さらに化学調味料にも頼らない笹かまぼこづくりがはじまりました。
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「たとえば、魚をすりつぶす擂潰(らいかい)という技術を向上させることで、卵白やでんぷんを抜いてもしっかりとした弾力のあるかまぼこをつくることに成功しました。添加物を加えておいしくするのではなく、抜いて素材の味を楽しめるようにするのが鐘崎のものづくりです」
鐘崎の工場では、保存料を入れなくても賞味期限が保てるよう、衛生管理を徹底させているのだといいます。添加物に頼れば簡単にできることを、あえてやらないと決めるのは大変なことに違いありません。
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「技術面でもコスト面でも苦労はあります。けれど、お客様においしいものを提供したい、というのがわたしたちの考えであり使命なんですね」
本城さんの語る安全や安心へのこだわりは、鐘崎の商品へかけるプライドのように感じられました。
鐘崎オススメ商品3選
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「鐘崎 笹かま館」にはギャラリーのように商品が並ぶ素敵なショップがあります。こちらで本城さんからオススメの商品をご紹介していただきました。
「大漁旗」
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「高級魚・キチジを使ってつくられた、鐘崎で一番人気の笹かまぼこが『大漁旗』です。かまぼこのうま味を際立たせるため、大漁旗にはミネラル豊富な海水100パーセントの塩、伊達の旨塩(うまじお)を使っています」
サイズは大判で厚みがあります。本城さんによると、18ミリという絶妙な厚みが、独特の食感を生んでいるのだといいます。
大漁旗(5枚入り):税込1,620円
「かねささ」
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鐘崎の笹かまのなかでもっともスタンダードな商品として紹介されたのが、「かねささ」です。
「素材を選び抜き、余分なものを入れずにつくられている『かねささ』には、鐘崎のすべてがつまっています。また、かねささで使用しているすり身に、相性のよいチーズを練りこんで作られたのが『味ささ』。子どもも大好きな定番のおいしさです」
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仙台セリ
さらに旬の野菜をまぜこんだものもあり、トウモロコシやマイタケ、仙台セリなど季節によって具材が変わります。使用する野菜や調味料は、いずれも放射能検査をクリアしたもののみに限定しているので、安全安心です。
かねささ(8枚入り):税込1,500円
味ささ(8枚入り)チーズ入り笹かまぼこ:税込1,100円
「伊達揚げ」
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「伊達揚げ」は、揚げかまぼこを使った鐘崎のオリジナル商品です。
「こちらは、ごえんそ味噌と呼ばれる仙台の昔ながらの味噌を練りこんでつくっています。味噌を入れるとかまぼこの弾力が損なわれるので、ふつうはあまり混ぜません。しかし、鐘崎では独自の製法で味噌を入れても弾力のある食感になっています」
辛口の赤味噌の風味が加わることで、笹かまぼことはまた違ったおいしさが楽しめますね!
伊達揚げ(6枚入り):税込1,080円
おいしさを食べくらべ!
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実際にオススメの商品を食べくらべてみました。
「大漁旗」は、魚の風味がしっかり味わえる贅沢な笹かまぼこ。絶妙な厚みがおいしさを引き立て、1枚でひとつの料理と呼べる一品です。ちなみに、大漁旗は斜めに包丁を入れて7等分して食べると、より食感のよさを楽しめるそうですよ!
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さっぱりとした魚のうま味を感じる、まさに王道の笹かまぼこ「かねささ」。おやつ、おつまみ、おかずにもなる万能な笹かまです!
「味ささ」は、淡白なかまぼこと濃厚なチーズが相性抜群。さっぱりした白ワインと合わせてもおいしくいただけます。
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魚のおいしさを引き立てる味噌の風味がくせになる、「伊達揚げ」。ビールやハイボールなど炭酸の飲み物とよく合います。
実際に食べてくらべてみると、どの商品も個性的! 小さな笹かまには、鐘崎の方々の工夫とこだわりがつまっているんですね。
「鐘崎 笹かま館」は笹かまぼこのテーマパーク
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コロナ感染予防対策のため、マスクを着用して案内。
「鐘崎 笹かま館」は1989年にオープン。2019年にリニューアルし、さらに楽しく笹かまを体験できる施設になりました。取材時はスタッフの村山奈津弥(むらやま なつみ)さんに、館内を案内していただきました。
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新しく誕生した「杜のこんだてCafé」では、地元の食材や旬の海産物を取り入れたヘルシーなメニューが味わえます。
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Picture courtesy of KANEZAKI Co., Ltd.
かまぼこの材料となる魚のすり身を使ったガレットや、笹かまをソフトクリームにディップして食べるスイーツなど、この場所ならではのメニューが目白押し!
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カフェには、200円で笹かまぼこの手焼き体験ができる「ぷっくら焼きコーナー」も併設。焼きたてのパリッとした皮の食感と、魚の香ばしさがやみつきになるおいしさです。
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また、吹き抜けの館内には創業当時の店舗を再現した「鐘崎屋」があります。こちらは実際に笹かまづくりを行っている製造現場が見られるようになっており、出来たての笹かまと地酒とのマリアージュが愉しめます。
子どもも大人も楽しめる「笹かまづくり体験教室」(予約制)もあり、あっという間に時間がすぎてしまうでしょう。
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ほかにも仙台七夕まつりをテーマにした「七夕ミュージアム」や、鐘崎ゆかりの影絵作家・藤城清治(ふじしろ せいじ)氏の作品展示コーナーもあり、見どころ満載の施設です。
施設は鐘崎の自社工場に併設されており、入場は無料。仙台駅にも鐘崎のショップはありますが、足を伸ばしても行く価値のあるスポットです!
アクセス
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アクセスは、仙台駅から電車とバスを乗り継ぎ約30分の道のり。まず、仙台駅から地下鉄東西線に乗り、荒井駅で下車します。
荒井駅前の市営バスプール乗り場から「【16系統】 若林体育館・東部工場団地経由 鶴巻循環」行き、または「【18系統】 岡田・新浜」行きに乗車。「卸町東五丁目北」停留所で下車すると、「鐘崎 笹かま館」がすぐです。
仙台の味を贈り物にも、自宅にも
さまざまな味が楽しめる仙台名物・笹かまぼこ。
「鐘崎 笹かま館」でできたての笹かまぼこを味わっていただきたいですが、鐘崎のおいしい商品はオンラインでも購入できます。
ちなみに、自宅で笹かまぼこを食べるときは、オーブンやレンジで少し温めてみてください。魚の風味が際立って、さらにおいしく食べられますよ!
Written by ISHIGAKI KUMIKO
In cooperation with KANEZAKI Co., Ltd.
Sponsored by Reconstruction fishery processing industry market recovery promotion center