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宮城エリア別ガイド——仙台、鳴子、石巻などのスポット
東北地方最大級の都市、仙台市を擁する宮城県。松島などの絶景スポットや温泉地、ここでしか味わえない名物グルメなどたくさんの魅力があります。宮城県を5つのエリアに分類し、その特徴や見どころを紹介します。
宮城とは
宮城県は、東北地方の県です。東側は太平洋に面し、西部には蔵王(ざおう)連峰などの山々と自然公園が点在。自然と触れあえるアクティビティも豊富です。夏は新緑あふれる山中でハイキング、冬はスキーやスノーボードが楽しめます。
同県は、2011年3月に起きた東日本大震災で甚大な津波の被害を受けましたが、現在は復興が進み街に活気が戻りつつあります。宮城県の見どころを、仙台、松島・石巻、宮城蔵王、鳴子、秋保温泉・作並温泉の5つのエリア別に紹介します。
仙台エリア
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宮城県の中心的存在であり、交通の要所ともいえるのが仙台市です。日本史に興味のある方は、仙台市にゆかりのある戦国武将の伊達政宗(だてまさむね、1567〜1636)を知っているかもしれません。市内には「瑞鳳殿(ずいほうでん)」といった政宗にまつわる史跡が複数あります。
仙台では、毎年7月に開催される仙台七夕まつりも有名。市内のアーケード街に大小3,000本の短冊が飾り付けられる、夏の仙台の風物詩となっています。
仙台エリアの観光スポットやイベントをチェックしましょう。
仙台豆知識:伊達政宗
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戦国時代から江戸時代初期に活躍した大名。江戸幕府の開祖・徳川家康の天下統一後、仙台藩(藩はこの時代の行政区分)の初代藩主となりました。幼い頃に右目を失明したことから、独眼竜(片目の英雄)という異名で呼ばれています。
戦では負け知らずだったこと、領内の内政に力を注ぎ領民に信頼されていたことから、今日でも根強い人気を誇ります。アニメやゲームのキャラクターとして登場することもしばしばです。
トレードマークは、大きな三日月の飾りがついた兜。「仙台市博物館」で実物を見ることができます。
瑞鳳殿
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瑞鳳殿は、伊達政宗を祀る霊廊(れいびょう)です。毎年10万人以上が訪れる仙台の代表的な観光スポット。派手好きだったという政宗にふさわしい、きらびやかな本殿が目を引きます。参道に咲くアジサイなどの花木も美しく、心を癒やしてくれるでしょう。
境内には、豪華絢爛な副葬品を展示した資料館とミュージアムショップ、二代目藩主・忠宗公の霊廟「感仙殿」、三代目藩主・綱宗公の霊廟「善応殿」などのスポットも。七夕や紅葉の時期にはライトアップが行われます。
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仙台城跡
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仙台城は、伊達政宗が1602年に築いた城。標高202メートルの青葉山に建設されたことから、"青葉城"とも呼ばれます。城自体は焼失し、櫓(やぐら)と石垣のみが残ります。騎乗の政宗の銅像が城のシンボル的な存在ですので、写真撮影を忘れずに。
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仙台七夕まつり
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伊達政宗が活躍した時代から続く祭りで、東北三大祭りのひとつに数えられます。市内のアーケードや商店街に、七つ飾りと呼ばれる短冊・折り鶴・紙衣などが飾られ、人々が家内安全や豊作・豊漁を祈願します。
七夕まつりは日本各地で7月7日に日本各地で催されますが、仙台七夕まつりは毎年8月6日〜8日に行われるので注意しましょう。美しい紙飾りを見ようと、毎年200万人以上の観光客が訪れます。
仙台スタジアム
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「仙台スタジアム」は、サッカー・アメリカンフットボール・ラグビーなどの競技場です。別名「ユアテックスタジアム仙台」と呼ばれます。日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)所属チーム、ベガルタ仙台のホームスタジアムでもあります。
座席配置が工夫されており「どこからでも見やすい」と好評です。気になる試合があれば見に行ってみましょう!
仙台へのアクセス
東京から仙台へは、東北新幹線の利用がオススメ。東北新幹線には、はやぶさ・はやて・やまびこという3つの車両があります。はやてなら1時間40分、はやぶさなら1時間35分で到着します。やまびこの運賃は割安ですが、途中停車が多く2時間〜2時間15分ほどかかります。
運賃は片道10,000〜19,930円程度で、車両と座席のグレードによって変動します。
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松島・石巻エリア
宮城県中部の東側、太平洋沿いには風光明媚な離島や、東日本大震災の被災地である石巻地域があります。離島のなかでもっとも有名なのは松島諸島ですが、猫の島として知られる田代島や、パワースポットとして名高い金華山といった島々も。
石巻市では復興が進み、観光客も増えてきました。宮城県の沿岸の地域の魅力を見てみましょう。
松島
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松島は宮城県中東部の松島湾内にある諸島です。大小260余りの島々と海が織りなす景観は、絵葉書のような美しさ。
広島県の宮島(厳島)、京都府の天橋立とともに日本三景の1つに数えられ、国から特別名勝に指定されています。特別名勝とは名勝のうち価値が特に高いもので、現在36件が登録されています。
JR仙台駅から松島までは、仙岩線を利用して松島海岸駅に向かいましょう。所要時間は約40分、運賃は片道420円です。
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田代島(猫島)
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田代島は宮城県の北東部、牡鹿(おしか)半島に浮かぶ3.14平方キロメートルの島です。島民約80人に対し100匹以上の野良猫が暮らす猫の楽園でもあることから別名、猫島と呼ばれます。
現地へのアクセスはフェリーが基本。石巻港から網地島ラインというフェリーに乗り、約50分で到着。料金は大人片道1,230円です。
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石巻市
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石巻市は、宮城県北東部に位置する都市です。江戸時代には東北地方最大の米の集積港として知られ、現在は漁業が盛んです。
東日本大震災で防潮堤や海沿いの住宅、商店が津波に流されました。街をあげての復興の努力により、被災した商店は「おしかのれん街」や「おがつ店こ屋(たなこや)街」といった仮設の商店街で営業を再開。いまでは観光客を呼び込めるようにもなりました。
サバや牡蠣といったシーフード、魚介の出汁を使った「石巻焼きそば」などの名物グルメを商店街の飲食店で味わうことができます。
JR仙台駅から石巻駅まではJR仙石線1本で行けます。所要時間は約1時間30分、料金は860です。
金華山
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金華山(きんかざん)は、石巻沖に浮かぶ人口5人の孤島。日本で初めて金が産出された場所で、今から1200年以上前に創建された「金華山黄金山神社」は、金の発掘を祝って作られたといわれています。
この神社は、日本トップクラスの金運のパワースポット。「3年連続でお参りすると、一生お金に困らない」といういい伝えがあります。金運をあげたい方はぜひ参拝してみましょう。
毎週日曜日に女川港から金華山行きの船が運行しています。JR石巻駅からのアクセスは、石巻線で女川駅下車。徒歩10分ほどの場所にある女川港から「潮プランニング」の定期船に乗ります。料金は往復1人3,500円、所要時間は35分です。
宮城蔵王エリア
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宮城県と山形県の両県にまたがる蔵王連峰。その宮城側のエリアを、宮城蔵王といいます。宮城蔵王エリアはリゾート地として整備されており、夏はトレッキングやバーベキュー、冬はスキーなどのスノーアクティビティが楽しめます。
麓に広がる蔵王町は、酪農が盛んな地域です。蔵王チーズやソフトクリームなど、良質なミルクを使用した乳製品は絶品です。
スノーアクティビティ
蔵王町内には、極上のパウダースノーが楽しめる「すみかわスノーパーク」、県内最長の滑走距離を誇る「みやぎ蔵王えぼしリゾート」といった2ヶ所のゲレンデがあります。
冬になると全国各地からスキーヤー・スノーボーダーが足を運び、スノーアクティビティを楽しんでいます。また、スノーシューで冬山を歩くスノートレッキングも人気です。
キツネ村
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100匹以上のキツネが放し飼いにされている、全国でも珍しいキツネの動物園です。伸び伸びと暮らすキツネたちの姿を見ると、思わず笑顔になりそうです。
園内ではオリジナルのキツネグッズも販売しています。可愛らしいキツネのキーホルダーやマグカップが人気です。
御釜
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御釜(おかま)は蔵王のシンボルであり、絶景スポットである火口湖です。火山噴火により造られ、湖全体の形状が釜に見えることから御釜と呼ばれています。湖面のエメラルドグリーンが美しく、季節や天候次第で色が変わるため五色沼とも呼ばれます。
あたりは麓の地域に比べて気温が低く、真夏でもかなり涼しく感じられます。防風・防寒対策を行ってから訪れるようにしましょう。
宮城蔵王へのアクセス
観光スポット間の距離が遠い宮城蔵王には、自動車で向かうのがオススメです。たとえば、目的地が御釜付近にある蔵王山頂レストハウスであれば、JR仙台駅から車で約90分です。
麓まで下道を走り、そこから蔵王ハイラインという有料山岳道路で山頂を目指します。通行料は、普通自動車で550円。16:00〜翌8:00までの夜間なら、通行料はかかりません。
※2019年10月下旬から冬季閉鎖日まで、16:00~翌朝8:00の間を閉鎖。2019年11月初旬~2020年4月下旬まで、同時間帯が冬季閉鎖されます。
鳴子エリア
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鳴子は、宮城県・大崎市にある温泉地です。宮城県の伝統工芸品としてこけしが有名ですが、鳴子街にもたくさんのこけし工房があります。湯巡りをしながら、こけしの絵付け体験をしてみるのもオススメですよ。
鳴子温泉
東北を代表する温泉地です。鳴子温泉には370種類以上の源泉があり、国内に存在する11種の泉質の内、9種類がここにあるといわれます。
温泉街では、1,000年の歴史をもつという「滝の湯」や、大学生が源泉を掘り当てた「早稲田桟敷湯」などで日帰り入浴を楽しめるほか、温泉旅館も多数あります。
「岩下こけし資料館 」や「日本こけし館 」、「松田工房 」といったこけし専門店で、絵付け体験ができます。
鳴子峡
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温泉街からタクシーで10分ほどの鳴子峡は、県の名勝に指定されている渓谷です。観光拠点である「鳴子峡レストハウス」付近の見晴らし台から望む景色はまさに絶景。巨大な岩肌とともに、夏は新緑、秋は色彩豊かな紅葉が楽しめます。
仙台から鳴子までのアクセス
鳴子温泉周辺には、電車または高速バスで向かうのがオススメです。
・電車:JR仙台駅(東北新幹線:約15分)→JR古川駅(陸羽東線快速:約40分)→鳴子温泉駅
・バス:JR仙台駅(高速バス:約1時間30分)→鳴子温泉車湯
秋保・作並エリア
宮城県有数の温泉地である、秋保温泉(あきうおんせん)と作並温泉(さくなみおんせん)について紹介します。
秋保温泉
Picture courtesy of 宮城県観光課
秋保温泉(あきうおんせん)は、仙台市・秋保町に位置する温泉地です。奥州三名湯の1つでありながら、愛媛県の道後温泉、兵庫県の有馬温泉を含む日本三名湯にも数えられます。
これまで伝統的な老舗旅館が中心でしたが、最近はお手頃な素泊まりホテルもオープン。周辺に体験施設が多く、大人から子どもまで楽しめる温泉地に変わりました。現地へのアクセスは、高速バスがオススメです。
仙台駅ならJR仙台駅西口・バスプールから宮城交通バス・秋保温泉行きに乗れば、約60分で到着します。
作並温泉
Picture courtesy of 宮城県観光課
“仙台の奥座敷”として知られる作並温泉は、仙台市中西部にある温泉地です。1796年の開湯以来、多くの文化人や著名人が訪れた名湯中の名湯。その柔らかな泉質から“美女づくりの湯”ともいわれ、女性人気の高い温泉地でもあります。
仙台市内からのアクセスに優れ、JR仙台駅発の仙台市営バスで約70分。電車ならJR仙山線でJR作並駅に向かって下車し、各旅館のシャトルバスに乗り換えれば5分程度で到着します。
宮城のグルメ
代表的な宮城グルメとして、すり潰した枝豆を餡に使ったずんだもちが挙げられます。とくに最近は、ずんだもちの餡を原材料にしたずんだシェイクも人気です。
Photo by Pixta
牛肉が好きな方は、仙台の名物・牛タンも必食。独特の食感と濃厚な風味が美味です。
ふわふわの生地でカスタードクリームを包んだ銘菓・萩の月は、おみやげにもオススメですよ。
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まとめ
紹介した観光スポットの多くは、JR仙台駅や仙台空港からアクセスしやすい場所が主です。アクセスもよく、迷わず到着できるでしょう。
はじめて宮城を訪れる方は、仙台を中心に温泉地や離島へ足を伸ばすのがオススメです。自然豊かな宮城の魅力の虜になるかもしれません。
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