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仙台の絶品グルメ!「味の牛たん喜助」で外せない料理4選
宮城県仙台市は、「牛たん定食」が日本で初めて作られた場所。100件近い牛たん定食店がある激戦区でもあります。1975年に開業された老舗店。今日まで愛されてきた理由と、食べるべきオススメ商品を紹介します!
仙台グルメの代表、牛たん
宮城県仙台市は、東北地方を代表する人気の観光都市。特に「牛たん焼き」発祥の地として知られています。
牛たんとは、食用牛の舌部のこと。第二次世界大戦後まで牛たんの料理方法は限られており、大部分が廃棄されていたそう。
しかしある日、仙台に住む和食料理の職人がレストランでたんシチューを食べたところ、そのおいしさに感動。牛たんを使ったオリジナル料理が作れないかと考え、牛たんを焼き、ご飯やスープを添えて「牛たん定食」として提供するようになりました。
それが仙台で大人気になり、今では数多くの牛たん定食屋が日本各地に広がっています。
牛たん定食は、牛たん焼き、麦めし、テールスープ、お新香(※1)の4つからなります。牛の尻尾部分を活用したテールスープ、当時は高価だった白米の代わりに麦めし、また旬の野菜を使うことでコストを抑えたおかずがお新香という、「安くておいしい定食」を追求したものです。
※1:お新香(おしんこ)……野菜を調味料に一定期間漬けたもの。あっさりした味のため、濃厚な味の食べ物やメイン料理のサイドメニューに用いられている。喜助のお新香は各店によって異なる。
味付けは必ず人の手で。おいしさを保つ喜助の秘訣
仙台市内には100件近い牛たん定食店が展開されています。中でも今回は、1975年創業の老舗牛たん店「味の牛たん喜助」(以下、喜助)にお話を聞いてきました。
喜助の特徴は、職人による手仕込みの味付けと、徹底された品質管理。工場では職人が毎日、手作業で味付けをしています。
塩をふる時の手首のスナップ加減や、職人さんの体調によっても味の濃度が異なってくるため、取りまとめる料理長のテイスティングも毎日欠かしません。そこでクリアされた牛たんが、全国にある喜助の各店舗へと届けられます。
店頭でも毎日行う、味の最終チェック
工場や本社でのチェックを終え、店頭に届けられたあとも、店長や副店長が実際に焼いて毎日味を確認しています。納得できない場合は商品を戻すこともあるそう。
あらゆる人の「おいしい」を通って、お客さんへ商品が運ばれていくのです。
実際に店長が焼いているところを見せてもらいました。1枚の肉でも、赤身と脂肪の部分によって焼き方は異なるそう。細かい火加減や肉の返し方を工夫して、一番おいしい状態へもっていきます。
牛たんを裏返すタイミングについて店長へ聞くと、「いい表情になってきたら」と、人と向き合っているような表現をしていたのが印象的でした。牛たん1枚1枚、丁寧に扱っている様子が伺えます。
喜助の牛たんは素材のよさを追求しているため、冷めても硬くなりにくいところも特徴です。また、「満腹になるまで食べてほしい」という想いから、お新香もたくさん盛っているのだそうです。
昔から変わらない製法で作り上げられたこだわりのメニューを、さっそく紹介していきます!
必ず食べたいオススメ商品4選
1.外せない!牛たん炭火焼定食
喜助ビギナーにまず食べてほしい商品は、定番の「牛たん炭火焼(3枚6切)定食」(税込1,674円)。喜助の一番オススメしたい、牛たんそのもののおいしさが出ている商品です。ほどよい歯ごたえと、口の中に広がる旨味が癖になりますよ。
味付けはしお、みそ、たれ味の3種類。注文時に選びます。たれは喜助の特製レシピを使用。しお味が定番ですが、喜助オリジナルの味を楽しみたい方はたれを頼んでみてください。
歯ごたえをもっと感じたい方は、「特切り厚焼(3枚6切)定食」(税込2,484円)がオススメ。一切れの牛たんが一口では食べきれないほどのボリュームで、弾力も抜群。こちらは数量限定、しお味のみです。
牛たんは1枚そのまま食べたら、2枚目はテーブルに用意されている七味唐辛子(※2)をかけてみてください。風味が変わり、違ったおいしさが楽しめます。
また、辛いものが好きな方は青唐辛子のみそ漬け「味噌南蛮(みそなんばん)」を巻いてみてはいかがでしょうか。辛めの南蛮漬けがほどよいアクセントになります。
※2:七味唐辛子......唐辛子や山椒などの薬味や香辛料を配合した、日本のブレンドスパイス。
2.テールスープの味が染み込む「厚切りゆでたん」
特製テールスープでじっくり煮込み、箸で切れるほど柔らかくなった厚切りゆでたんは、さっぱりしていておいしい! 黒コショウとワサビでスパイスの効いた味付けになっています。
冷めてもおいしいので、喜助に来たら必ず頼みたい一品。税込1,188円です。
3.軽く食べたい時は「たんとうふ」
しょうがのしぼり汁、みりん(※3)、しょうゆを使ったタレに赤身部分の牛たん部分をミンチにして混ぜ、トロッとなるまで煮詰めた餡(※4)を、熱々の豆腐(※5)にたっぷりかけています。
牛たんがコリコリしておもしろい食感。ネギの風味ともよく合います。税込270円。
※3:みりん……調味料の一種。焼酎、蒸したもち米、麹と呼ばれる菌を仕込んで作られる。
※4:餡(あん)……食材を煮て出た汁に、片栗粉などを入れてとろみをつけたもの。
※5:豆腐……大豆を加工して作られる食品。
4.コクがあって食べやすい「たっぷり牛たんシチューセット」
麦めしとサラダがついたたっぷり牛たんシチューのセット(税込1,188円)。たっぷり入った牛たんは、シチューソースと同じ量が入っています。ゴロゴロとして存在感があり、歯ごたえもありますがとても柔らかい。
「たっぷり牛たんシチュー」は税込1,080円で単品もあります。日本料理に馴染みのない方でも食べやすいですよ。
メニューには地酒や牛たんにあう日本酒も
旅行に来たら、おいしいお酒も楽しみのひとつ。喜助では牛たんに合う日本酒も提供しています。
「是舌品(これぜっぴん)」(税込1,026円)は牛たんのためだけに作られた日本酒。フルーティでのどごしがよく、さっぱりとした味です。
「喜助」のラベルがついた「黄金澤(こがねざわ)」(税込810円)は宮城県の地酒。一口飲むと濃厚な甘みが口の中に広がりますが、後味はすっきりしています。牛たんと一緒にぜひ試してみてください。
おいしさを持ち帰りたい方には、おみやげも販売
店頭で食べておいしい! と思ったら、おみやげにレトルト商品を買ってみてはいかがでしょうか。「テールスープ」(税込648円)、「たっぷり牛たんシチュー」(税込864円)に加えて、「たっぷり牛たんカレー」(税込864円)も販売しています。また、牛たんが冷凍品になっている「職人仕込牛たん」(税込1,620円/110グラム)もあります。
旅のプランに合わせて選べる店舗
喜助では東京、神奈川、大阪、名古屋でも店舗展開しています。けれど、やはり拠点は仙台市。今回は定禅寺(じょうぜんじ)店で取材を行いました。
定禅寺店はテーブル、カウンター、半個室が用意されています。一人、友達、家族、どんな時でも気軽に入りやすそうです。また、定禅寺店や、ほかの店舗には英語、繁体字、簡体字、韓国語メニューを準備しているので、必要な方はスタッフへ声をかけてみてください。
仙台市内では7店舗を展開しています。なかでも「一番町本店」は、ミシュランガイド宮城2017にも掲載されました。ほか、仙台駅直結の「エスパル店」、エキナカ牛たん通りの「JR仙台駅店」、和食も一緒に味わえる「牛たん割烹㐂助(きすけ)別館」 などがあります。
終わりに
ジューシーな牛たんはそれだけでもおいしいですが、「本当においしいものを届けたい」という職人さんのこだわりや、店長を始めとしたさまざまな方の話を聞くと、おいしさも一層感じられます。
喜助へ食べに行ったら、関わる方々の想いにも馳せて食べてみてください。
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In cooperation with 株式会社喜助
MATCHA編集者兼フリーライター。東京生まれ東京育ち東京在住。これまで渡航した国は30か国以上、住んだ県は4県。日本旅行はもうすぐ全都道府県を制覇!「読んだからこそわかるその土地の魅力」が伝えられることを目指して記事を作っています。森とお寺とラクダが好きです。