魚介類の宝庫・宮城県石巻で、海の幸を食べ尽くす旅!
魚介類の宝庫・宮城県石巻市で、牡蠣・ホヤ・金華サバなどの水産加工食品を手掛ける本田水産。こだわりの素材やおいしさの秘訣、東日本大震災から10年を迎える想いについてお伺いしました。さらに地域の名産品がそろい、新鮮な海鮮グルメを楽しめる「いしのまき元気いちば」もご紹介します。
海と暮らしが密接に結びつく、三陸の港町
宮城県の北東部に位置する石巻市。その東部には太平洋が広がり、江戸時代には水運交通の拠点として発展するなど、古くから海と暮らしが結びついてきた地域です。
「ネコ好きなら行くべき宮城県『田代島』。アクセス、ネコスポット紹介」より
市内には、当地出身の漫画家・石ノ森章太郎の世界観が楽しめる「石ノ森萬画館」や猫好きの聖地「田代島」、創建1250年の歴史ある「金華山黄金山神社」など、魅力的な観光スポットがあふれています。
全国2位の水揚げ量を誇る、宮城の牡蠣
石巻の金華山沖は、世界三大漁場のひとつ。この海域では親潮(寒流)と黒潮(暖流)がぶつかり、海に間近に迫る山林から、栄養を含んだ水がリアス式海岸に流れ込みます。これにより、プランクトンが大量に発生し、豊富な種類の魚介類が集まるのです。
その中でも、石巻を代表する海の幸が、牡蠣。宮城県の牡蠣は全国2位の水揚げ量を誇り、その半数ほどが、この地域で水揚げされたものです。
今回はそのおいしさに迫るため、牡蠣をメインに地元の厳選素材で加工食品を手掛ける本田水産にお伺いしました。
石巻の美味を食卓へ届ける「本田水産」
1947年に牡蠣の仲買・養殖を行う「本田卯三郎(ほんだうさぶろう)商店」として創業した本田水産。牡蠣をはじめ、ホヤ、金華サバなど石巻の海鮮を使用した加工食品を展開しています。
会社や商品についてご案内いただいたのは、顧問の本田太(ほんだ ふとし)さん。海のまちである石巻で地域に根差し、水産業を営むためには「何よりも、生産者との信頼関係が大切」と話します。
「創業者である父の働く姿を見て、地域の生産者と一緒にものを作ることを心掛けてきました」
しかし2011年の東日本大震災では、大きな被害を受けました。牡蠣やホヤの養殖施設はすべて流され、浸水により処理場の設備なども使えず、先行きが見通せない状態に。
それでも本田さんは「立ち止まらずに前を向きたいと思った」と振り返り、震災発生からわずか3カ月後には事業を再開しました。
加工前の金華サバ。金華サバを名乗れる大型のサバは、収穫した総数の数%のみと言われている。
「震災後、地域の早期復興のためにも“石巻のものを、石巻で加工する”という思いをより強めました」と本田さん。
その後もさまざまな困難を乗り越えながら、数多くの人気商品を生み出し、水産庁長官賞を受賞するなど地域内外で評価を高めてきました。
今回はそのバラエティ豊かな商品の中から、「浜市のかき」「味付ほや」「金華さば炙りしめ鯖」をご紹介します。
濃厚なうま味が凝縮。オリジナルブランド「浜市のかき」
浜市(はまいち)とは、奥松島と呼ばれるエリアにある浜市地区のこと。本田さんがここで育てられる牡蠣と出合ったのは1995年のことでした。
「国内外で多くの牡蠣を食べてきましたが、そのおいしさに驚きましたね。私は日本一だと思っています」(本田さん)
自信のオリジナルブランド「浜市のかき」の特徴は、身入りがよく、うま味が凝縮していること。さらにクセが少ないことから、「牡蠣が苦手だったけど、これならおいしく食べられる」という人も多いそう。この味わいを叶えているのが栄養豊かな浜市の海と、工場での迅速かつ丁寧な作業です。
「浜市のかき」が養殖される海には、宮城県の森林でふんだんに蓄えられた栄養が川から流れ込み、牡蠣の餌となるプランクトンが発生。この豊穣の海で育った牡蠣が「浜市のかき」となります。
浜市の海から水揚げされた牡蠣は、そのまま本田水産の工場に持ち込まれ、丁寧に浄化されたあと、ひとつひとつ手作業で殻剥きが行われます。従業員のみなさんが手際よく、次々と身を剥いていく姿は圧巻! この一連の流れを迅速に行うことで、常に鮮度がよい状態を保つことができます。
本田さんオススメの食べ方は「生牡蠣にシンプルに醤油をかけて、あるいはレモンを少し搾って」とのこと。
また「伊達の牡蠣グラタン」は、クリーミーなホワイトソースの中に牡蠣が一粒ゴロッと丸ごと入り、大人はもちろん、子どもたちにも大人気。誕生日のパーティーやクリスマスなどにもオススメです!
まるで獲れたての味わい!「味付ほや」
以前は三陸(※1)周辺を中心に食べられていたホヤですが、近年は全国の居酒屋などでも見かけるようになってきました。
宮城県は全国シェア8割を誇る、一大産地。特に石巻の海は水温や海流などが、ホヤにとって理想的な環境です。味わい、色つきがよく、肉厚に育ちます。
※1:三陸……青森県、岩手県、宮城県エリア
本田水産の「味付ほや」は、水揚げする前に海水でしっかりと浄化し、運搬中や剥き身の際に温度管理を徹底。新鮮な状態のまま、塩とダシのみで味付けします。
一切れ頬張ると、まるで獲れたてのようにプリプリ! クセがなく、さっぱりとした爽やかな風味が口いっぱいに広がります。殻を剥くことなく、そのままお皿に空けるだけで食べられるのも、うれしいポイント。お酒のおつまみにぴったりです。
つい筆者が「お酒が飲みたくなる」とつぶやくと、本田さんは「石巻にはおいしい日本酒もあります。ぜひ、ホヤと一緒に!」と笑いました。
世界三大漁場・金華山沖で獲れる金華サバ
「東北・宮城県の霊島『金華山黄金山神社』へ。神秘的なパワーをもらう1泊2日の旅」より
ノルウェー沖、カナダ・ニューファンドランド島沖と並ぶ、世界三大漁場・金華山沖。この海で旬の時期に水揚げされた大型のサバだけが金華サバを名乗ることができます。
金華サバは大きく肉厚で、脂がたっぷりのっているのが特徴。きれいに三枚に下ろされた切り身を前に、本田さんが「これを見てください。まるでマグロのトロみたいですよね」と話すのも納得です。
同社の人気商品のひとつ「金華さば炙りしめ鯖」では、全体で1%ほどしかいない大型の金華サバを使用。敷き詰めた氷に特注の炭で作られたプレートを置き、その上で金華サバを炙ります。
このプレートで熱の伝導率を高めることにより、身は氷で冷やしたまま、皮を香ばしくジューシーに焼き上げ、新鮮かつ作りたての状態でパッケージングすることができます。金華サバ本来のうま味を感じられる逸品です!
本田水産で海鮮や地域のことを学び、「石巻の魚介を食べたい!」という気持ちは最高潮に。はやる気持ちを抑えて「いしのまき元気いちば」へ向かいました!
地元の魅力が一堂に!「いしのまき元気いちば」
いしのまき元気いちばは、2017年にオープン。1Fには新鮮な魚介類や加工品、旬の野菜、お酒など石巻のグルメが所狭しと並んでいます。本田水産の商品も手に入り、おみやげ選びにも最適。連日、多くの人で賑わっています。
2Fのフードコート「元気食堂」では、地元の素材を使ったメニューが味わえます。旧北上川に面したテラスも併設されており、開放的な雰囲気の中、石巻産牡蠣のカンカン焼き(※2)やバーベキューなどを楽しむことができます。
※2:カンカン焼き……缶の中に牡蠣を詰め込み、そのまま缶を直火で蒸し焼きにする料理。
思わず目移りしてしまうメニューの中から、金華サバ焼き定食をいただきました。その身は、サバとは思えないほど肉厚で脂がたっぷり。現地で味わうと、おいしさもひとしおです!
地域ならではのおいしさを、旅先でも自宅でも。
本田水産のオンラインショップでは、紹介した商品やさまざまな味わいを注文できます。現地に訪れる前に、日本を代表する港町のグルメを味わうのもよいですね!
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Written by KEITA ENDO
In cooperation with 本田水産、いしのまき元気いちば
Sponsored by Reconstruction fishery processing industry market recovery promotion center