子どもも大好き!ユニークな海苔商品が光る福島県相馬のサンエイ海苔
福島県の北東部にある相馬市は、海産物の宝庫。特に松川浦は、青海苔の名産地として知られています。ここで人気の海苔としらすの加工品を製造しているのが、サンエイ海苔。大人のお酒のおつまみにも、子どものおやつにもぴったりな商品を紹介します!
青海苔の名産地・松川浦が7年を経て復活
福島県の北東部にある相馬市の松川浦は、砂州によって海から隔てられた潟湖(せきこ)。波が穏やかな湖内は、青海苔やあおさ(※1)の一大養殖地として知られています。
青海苔やあおさは、味噌汁や天ぷらの具材として使われる緑色の海苔。調理すると引き立つ磯の香りが魅力です。
特に松川浦産は、その香りのよさと品質の高さから、日本全国で高い評価を受けてきました。
※1:青海苔とあおさ……アオサ目アオノリ属が青海苔、アオサ目アオサ属があおさと一般的に呼ばれる。主に、高級なものは味噌汁や天ぷらに使われ、安価なものは、粉末状にしてお好み焼きやたこ焼きのトッピングなどに使われる。
海苔の養殖場
そんな松川浦を襲った2011年3月の東日本大震災。漁港や水産物加工施設などは大打撃を受け、青海苔やあおさを育てていた網も津波で流されてしまいました。
しかし、相馬の生産者たちは、不屈の意志で立ち上がります。ガレキ撤去などを地道に進めたほか、他県から寄贈された青海苔のタネを育て、2018年2月、とうとう再出荷にこぎつけました。
こうした相馬で、海苔を使ったユニークな商品を開発している会社があると聞き、訪ねました。
サラダやチーズと一緒にもおいしい!極上の海苔をつくるサンエイ海苔
JR相馬駅から徒歩15分ほどの場所に本社を構えるサンエイ海苔は、1947年創業の海苔加工会社。食品加工のほか、グループ会社が居酒屋やホテルの経営など幅広い事業を行うなど、地域の発展に貢献してきました。
「浜の駅 松川浦」で販売されているサンエイ海苔のあおさ
松川浦の名産を使った同社のあおさは、日本の中でもトップブランドと評判。味噌汁の具材として人気です。
また、同社の焼きのりも、口どけのよさと磯の香りの上品さは驚くほど。そのまま食べてもおいしいし、サラダにまぶしたり、チーズに挟んだりしても素敵な味わいが楽しめます。
しかし、同社の魅力はそれだけにとどまりません。震災にも負けないチャレンジ精神を生かして、これまでユニークな海苔商品やしらす干し商品を開発してきました。
今回は、相馬から新たな食文化を発信する同社の取組について、社長室長の立谷甲一(たちや こういち)さんにお話をうかがいました。
韓国海苔のパイオニアのこだわり
Pictures courtesy of サンエイ海苔
サンエイ海苔の現在の主力製品のひとつは、「韓国海苔」。
韓国海苔とは、塩とゴマ油で味付けされた海苔。韓国発祥で、現在では日本でも人気ですが、立谷さんによると「日本で初めて、事業として本格的に韓国海苔を製造・販売したのが、サンエイ海苔」とのこと。
始まりは1993年。立谷さんの父である立谷一郎社長が、韓国出張のおみやげに持ち帰った海苔を、まだ小さかった甲一さんが無心に食べる姿を見て、「これは売れる!」と商品化に取り組み始めました。
直売所では、ガラス越しに韓国海苔の製造工程を見学可能。
当時の韓国海苔は、サラダ油をひいたフライパンで海苔を焼き、香り付けに少しゴマ油と塩を加えたもの。これは、油が酸化しやすく日持ちしないのが欠点でした。
そのため、同社ではアルミ素材のパッケージで個包装し、乾燥剤を封入。さらにゴマ油を100%使用したところ、「風味がよくておいしい」と爆発的に売れるようになりました。実際、味がしっかりしているので、お酒のおつまみにすると最適です。
ユニークな新商品で海苔のファンを増やす
海苔は、ミネラルや食物繊維が豊富で低カロリーと、健康によい食材です。さらに、手軽に食べられることから、子どものおやつにもぴったり。実際、立谷さんの2歳になるお子さんも「気がつくとパリパリ食べている」というほど、海苔好きなのだとか。
こうした中、サンエイ海苔では、子どもや大人が気軽に楽しめる海苔商品の開発に力を入れています。
たとえば、「海苔でサンド NORI de SAND」は、お米のパフを海苔でサンドした新感覚スナック。食べやすいサイズとかわいいパッケージで、新たな海苔のファンを増やしています。
また、松川浦産の青海苔を使用した「のり焼酎」は、磯の風味が楽しめるお酒。モンド・セレクション2011で金賞も獲得しています。
サンエイ海苔の主な海苔商品
あおさ:税込540円
焼き海苔 35枚入:税込1,080円
韓国海苔 全形40枚入:税込1,080円
韓国海苔プレミアム 6袋:税込320円
海苔でサンド:税込324円
のり焼酎:税込1,650円
震災後に始めたしらす加工品
海苔と並んでサンエイ海苔で人気の商品が、しらす干しです。
東日本大震災に伴って発生した原子力発電所の事故で、相馬沖では複数種類の魚に出荷制限がかけられてしまいます。
「このままでは相馬の魚文化がなくなってしまう」と危機感を抱いたサンエイ海苔は、2013年、出荷制限の掛けられていないしらすと小女子(こうなご)(※2)加工の新工場を設立しました。
「しらすは水分が多いので痛みやすく、加工は時間との勝負」と語る立谷さん。
素材の劣化を抑えつつ、出来立ての風味を限りなく保つため、同社では箱詰め前にトンネル式の冷凍庫にくぐらせ、マイナス35度まで一気に冷やすシステムを導入。早ければ1時間ほどで加工を終え、出荷できる体制を整えています。
※2:しらすと小女子……しらすは、イワシ類の稚魚の総称。小女子はイカナゴの稚魚。
しらすは温かいごはんにのせて、卵と食べるのが最高! そのほか、海苔で巻いたり、パスタに入れたり、トーストやピザにトッピングしたりするなど、アレンジメニューは無限大です。
あおさとしらすを使ってかき揚げ(※3)にすれば、松川浦ならではのスペシャルな一品になります。
しらす干し 500g:税込2,500円
小女子(ちりめん) 500g:税込3,000円
※3:かき揚げ……エビなどの魚介類や野菜などを取り合わせてまとめて揚げる天ぷら。
相馬ならではの味を、旅先でも自宅でも
サンエイ海苔の本社工場には直売所が併設されています。店内には、膨大な種類の商品が並べられていますが、海苔に通じたスタッフが、オススメの商品やおいしい食べ方を教えてくれるので安心ですよ。
旅に出るのに難しい方向けに、サンエイ海苔は公式HPからでも商品を販売しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
旅先で相馬グルメを楽しむには?オススメは「浜の駅 松川浦」
相馬の海産物の魅力は、海苔やしらすだけではありません。
実は、松川浦漁港で水揚げされた魚介類は、「常磐(じょうばん)もの」と呼ばれる絶品。そのおいしさから、東京近郊では高値で取引されています。
相馬を旅しながら海産物グルメを楽しみたい方には、2020年10月にオープンした「浜の駅 松川浦」にぜひ行ってみてください。
ここには、サンエイ海苔の商品をはもちろんのこと、相馬産の水産物や加工品、地元農産物などがたくさん販売されています。
ここのフードコート「浜の台所 くぁせっと」で食べられる「しらす二色丼」(税込1,000円)は、しらす干しと生しらすがたっぷりのった絶品。また、地場産の魚を堪能できる「地魚丼」(税込900円)は、だし汁をかけて茶漬け風にもできる人気メニューです。
どちらも汁ものにはあおさが入っていて、磯の香りが食欲をそそります。
相馬に来たら観光も!
Photo by Pixta
相馬には、観光でもさまざまな見どころがあります。
たとえば、例年7月末に開催されている「相馬野馬追(そうまのまおい)」。各地域から繰り出した甲冑姿の男たちが馬にまたがり、町中を練り歩いたり、競い合って疾走する様子は、まさに戦国時代さながらです。
また、松川浦の周辺では、松川浦大橋からまっすぐに伸びる「大洲松川ライン」は、太平洋と松川浦を望む絶景ドライブルートとして人気です。
相馬に来たら、サンエイ海苔をはじめとする絶品の水産物を楽しみながら、観光も満喫してくださいね!
In cooperation with サンエイ海苔、浜の駅 松川浦
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