旅の準備はじめよう
福島で絶対行きたいオススメスポット&グルメ完全ガイド
福島は、絶景スポット「只見線」や猪苗代湖、また古きよき日本が味わえる大内宿、会津若松など、何度も行っても楽しい魅力にあふれた場所。絶対にオススメしたい福島のスポット、グルメを大紹介!
何度でも訪れたくなる福島
福島の大内宿
日本の東北地方にある福島県。美しく雄大な自然に、おいしい食べ物。四季折々の魅力にあふれ、何度でも訪れたくなる場所です。
本記事では福島の最新情報を盛り込みながら、福島に行ったらぜひ訪れてほしいスポットやイベント、食べてほしいグルメをご紹介しましょう。
地方では公共交通機関の数が限られていることもあり、レンタカーでの移動もオススメです。
レンタカーが必要な人は、タイムズカーレンタル、たびらいレンタカー、レンタカードットコム などを使えば、手軽に予約できますよ。
福島とは
福島県は日本の東北地方に位置します。面積は広く、日本の都道府県の中では3番目の広さで、大きく3つのエリアに分かれます。
沿岸部の「浜通り」、中央部の「中通り」、そして西部の「会津」です。それぞれ特色や風土、名産なども異なります。
最新の状況は?
読者のみなさんの中には、福島と聞くと、2011年に起きた大地震、原発事故が気になる方もいるかもしれません。
現在の福島の状況はどうなっているのでしょうか? 観光して、大丈夫なのでしょうか。
結論から言えば、事故当時と状況も変化してきており、一部の地域を除いて、観光する分には問題ないと言えるでしょう。最新の福島の状況、放射線量など、詳しい情報を記事の最後にまとめていますので、気になる方はご覧ください。
福島へのアクセス
仙台国際空港
仙台国際空港を使う場合、福島方面へ直行バス(会津バス)が出ておりアクセスしやすいです(予約不要)。所要時間は2〜3時間半、1,600〜3,300円(降車場所による)。停車するのは、福島駅(中通りエリア)、会津若松駅(会津エリア)など。
成田空港から福島へも直行バスが出ており、郡山駅、福島駅などの駅に停車します。所要時間は約5時間、5,100〜5,800円(降車場所による)。
東京からは、東京駅、上野駅から東北新幹線が出ており、郡山駅、福島駅などに停車します。ここはJR EAST PASS(東北エリア)のエリアに含まれます。
絶景3スポット
では、福島に行ったら訪れたいスポットを順番にご紹介! まずは絶景3スポットから。
只見線
第一只見川橋梁 Photo by Eri Miura 「だから、私たちは福島に住む 在住外国人インタビュー」より
JR只見(ただみ)線は、「世界でもっともロマンチックな鉄道」とも評されるローカル線。会津若松から新潟県までを結びます。
中でも、もっとも美しいとされるのが、「第一只見川橋梁」(写真)。会津桧原(あいづひのはら)駅と会津西方(あいづにしかた)駅の間にあり、大自然の中で、只見川と只見線の車両が見られる絶景スポットです。
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
雪景色だけでなく、秋には紅葉、夏には深緑など、季節ごとの景色の変化が楽しめます。
この景色を見たい場合は、「道の駅 尾瀬街道(おぜかいどう)みしま宿」近くにある展望台へ行きましょう。只見線の本数は少ないため、車両が一緒に写る写真を撮りたい方は、必ず時刻表を確認していきましょう。会津宮下駅から「道の駅 尾瀬街道みしま宿」へのバスも出ているため、利用するのもよいでしょう(1日1便、8:00会津宮下駅発)。
猪苗代湖
磐梯山と猪苗代湖 Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
鏡のように輝く水面、その向こうには、磐梯山(ばんだいさん)がそびえます。こちらの湖、猪苗代湖は福島を代表する景観地。
湖では観光遊覧船が運行しており、約35分のコースで湖を回りながら、大自然の気持ちいい風を浴びることができますよ。
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
猪苗代湖は日本で4番目に大きい湖のため、観光で行く際はJR「猪苗代駅」からバスを使い、湖の北側へ行くのがよいでしょう。観光船乗り場や、皇族が使っていた別邸「天鏡閣」などの観光スポットがあります。
五色沼
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
五色沼(ごしきぬま)は、「5つの色」を表す名前通り、多彩な色合いを見せてくれます。
20〜30ある沼を総称して「五色沼」と言い、天候や季節、周囲の自然や、水中に含まれる火山性物質などによって、さまざまに沼の表情は変わります。
代表的な沼を巡るなら、全体で徒歩1時間10分〜1時間30分程度。高低差もあまりないため、気持ちよくハイキングしましょう。もっとも大きな毘沙門沼(びしゃもんぬま)では、貸しボートに乗って湖上散歩をすることもできますよ。
レトロな街並みに出会える4スポット
大内宿
Photo by Eri Miura 「日本の魅力が凝縮!福島でやりたい10のこと」より
昔の日本へタイムスリップしたいなら、大内宿(おおうちじゅく)へ。
ここは会津と日光を結ぶ途中にあり、宿場町(※1)として栄えた場所。江戸時代の日本の街並みがほとんどそのまま残されており、茅葺き屋根の家が数十軒立ち並ぶ光景は、現在では白川郷など一部の地域でしか見られないもの。
建物を活かしたおみやげ屋やそば屋、古民家カフェなどが立ち並び、現在も地元の方が暮らしています。
※1:宿場町(しゅくばまち)……江戸時代、都市と都市を結ぶ間の道にあり、旅人が休息をとった町。
Photo by Eri Miura 「日本の魅力が凝縮!福島でやりたい10のこと」より
大内宿に行ったらぜひ食べてみたいのが、高遠そば、通称・ネギそば。ネギが1本まるごと乗ったそばで、インパクトは抜群!
大内宿のいくつかのレストランで食べられますが、写真の「大内宿 三澤屋(みさわや)」が元祖です。ネギを箸代わりにして、冷たい出汁に、香り高いそばをからめていただきましょう。ネギは新鮮なため、そのまま食べられます。少々辛いですが……。
天気のよい日は店の縁側に座って、温かい日差しのもとで食べれば気分も爽快!
会津若松・鶴ヶ城
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
鶴ヶ城(つるがじょう)は、福島を代表する城。日本で唯一、赤瓦(赤茶色の瓦)をまとっていることに特徴があります。
江戸時代末期の1868年、当時の江戸幕府(※2)を倒そうとする人々と、守ろうとする人々の戦い(戊辰戦争)の舞台となったことで有名です。
※2:江戸幕府……徳川家が治世を行った、江戸時代の政府。初代将軍・徳川家康(とくがわ・いえやす)が開き、15代目将軍・徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ)が明治天皇に政権を還すまで続いた。
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
例年1月中ごろ〜3月にかけて雪が積もるため、日本全国でも珍しい、雪景色の城を見ることができます。
Photo by Eri Miura 「日本の魅力が凝縮!福島でやりたい10のこと」より
鶴ヶ城のある会津若松は、レトロな建物が並ぶ街。「會津壹番館(あいづいちばんかん)」など古民家を改装したカフェや、酒蔵見学ができる「末廣(すえひろ)酒造」など、散策を楽しみましょう。歴史的建築物は、七日町(なのかまち)通りや野口英世(のぐちひでよ)青春通りに集まっています。
鶴ヶ城周辺のおすすめホテル
喜多方
Photo by Eri Miura 「日本の魅力が凝縮!福島でやりたい10のこと」より
福島の北西部にある喜多方(きたかた)の街を歩いていると、頑丈なつくりの古い建物をよく見かけます。これは「蔵」と呼ばれる建物で、火事などから家の貴重品を守るために建てられたもの。
現在も貴重品を入れる場所として蔵を使っているところもあれば、おみやげ店や喫茶店など、一般の人が入れるよう改装された蔵もあります。蔵は喜多方駅周辺の「ふれあい通り」「おたづき蔵通り」などに集まっています。「ふれあい通り」には世にも珍しい、ラーメンを祀る「ラーメン神社」もあるのでお見逃しなく!
福島の温泉地:東山温泉・飯坂温泉
Photo by Eri Miura 「日本の魅力が凝縮!福島でやりたい10のこと」より
福島は、実は温泉地の数が日本5番目。130を超える温泉地が、県内各地に点在しています。オススメの温泉地をご紹介しましょう。
会津若松駅からバスで15分程度とアクセスしやすいのが、東山(ひがしやま)温泉。15軒以上の宿があり、こちらの川にかかる橋と、旅館「向瀧(むかいたき)」が東山温泉の代表的な景観です。
「向瀧」は、登録有形文化財に指定された、歴史を感じさせる建物。随所に大工の工夫が凝らされ、全24部屋ある客室は、すべて異なるテーマでデザインされています。総理大臣や文人など、数々の著名人が宿泊し、現在も映画のロケ地などにも使われています。
東山温泉周辺のおすすめホテル
こちらは、福島駅からも電車で1本、25分程度で行ける飯坂(いいざか)温泉。共同浴場が9カ所あります。
共同浴場ではありませんが、「なかむらや旅館」は日帰り温泉利用もできる宿。国の有形文化財に登録された重厚な建物で、贅沢に貸切風呂に入ることができてオススメ。飯坂温泉にはほかに観光スポットとして、昔の日本の暮らしが感じられる地元の名家の旧宅「旧堀切邸」があります。
家族で行きたいスポット
アクアマリンふくしま
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
大迫力の水槽が見られるのは、「アクアマリンふくしま」。暖流と寒流がぶつかる潮目をイメージした大水槽は、水量約2050トン。館内には約12万点の生き物が集まり、海辺を再現したタッチプールもあってファミリーで楽しめます。
徒歩10分程度の場所には「イオンモールいわき小名浜」が。約130店舗が集まる福島最大級のショッピング施設です。少し離れますが、同じいわきエリアにはドン・キホーテの系列店「MEGAドン・キホーテ ラパークいわき店」もあります。
この季節しか見られない!2イベント
相馬野馬追
Picture courtesy of 相馬野馬追執行委員会
この大迫力の絵面は、相馬野馬追(そうまのまおい)と呼ばれるお祭り。
平安時代の武将・平将門(たいら の まさかど)によって、なんと1,000年以上前に始められたといいます。野原に放たれた馬を捕える軍事訓練の目的と、捕えた馬を神に捧げる祭礼としての意味合いがありました。
街中を練り歩く「お行列」 Picture courtesy of 相馬野馬追執行委員会
相馬野馬追は、毎年7月下旬に、3日間にわたって開かれます。
祭りのハイライトは2日目、甲冑(※3)を身にまとい、先祖伝来の小旗を風になびかせながら、街なかを練り歩く「お行列(ぎょうれつ)」。そして、10頭の馬にまたがった男たちが大地を駆け抜ける「甲冑競馬(かっちゅうけいば)」、空から落ちる旗を奪い合う「神旗争奪戦(しんきそうだつせん)」が行われます。
相馬野馬追は、毎年7月最終土・日・月に開催されます。詳しい日程は公式HPをご覧ください。祭りの2日目には、最寄り駅JR「原ノ町駅」から無料シャトルバスが出ます。
※3:甲冑(かっちゅう)……侍が身につける武具。
相馬野馬追
雲雀ヶ原 祭場地(甲冑競馬が行われる場所):
住所:福島県南相馬市原町区橋本町4-13-27 Google Map
公式HP:http://soma-nomaoi.jp/
三春滝桜
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
「日本三大桜」といわれるのが、福島の三春滝桜(みはるたきざくら)。名前に「滝」という文字が入る通り、まさに滝が流れ落ちるように桜の花がしだれます。
樹齢1000年以上、東西25メートル、南北20メートルに枝が広がるベニシダレザクラは圧巻。
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
桜の時期の夜にはライトアップされ、幻想的な姿に。例年4月中旬頃が見頃です。桜の時期には、JR「三春駅」から三春滝桜まで臨時バスが運行されます。
福島で食べたいグルメ5選
喜多方ラーメン
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
喜多方エリアで食べられる「喜多方ラーメン」は、醤油ベースのあっさりとした味わいが特徴です。喜多方では朝からラーメンを食べる文化があり、7:00ごろから始まるラーメン店も。
喜多方駅から徒歩圏内のラーメン店としては、「食堂なまえ」「坂内(ばんない)食堂」「まこと食堂」などがあります。
日本酒
「史上初の6年連続最多金賞!日本酒大国・福島の“金賞酒蔵”を訪ねてみた」より
福島は、実は日本屈指の日本酒の生産地。2019年には、日本全国を対象とした新酒鑑評会で、7年連続で最多の金賞を受賞しているのです。
エリア、酒蔵によって日本酒の味わいはまったく変わってきます。ぜひ福島県内の居酒屋やおみやげ店などで試してみてください。
あわせて読みたい
桃スイーツ
福島では数々のフルーツが栽培されています。
中でも福島北部は桃の名産地。盆地のため夏は暑く、その暑さが桃の甘みを最大限に引き出します。きれいな水と肥沃な土壌で育てられた桃は抜群の甘さです。
ふくしま餃子
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
円盤状に並べられた餃子「ふくしま餃子」は、福島市エリアの名物。中には白菜などの野菜がたっぷり、皮はしっかりと焼き上げられ、お酒好きの方はビール片手に食べれば止まらなくなりますよ。
ソースカツ丼
Picture courtesy of 福島県観光物産交流協会
カツ丼は、豚カツを卵でとじた丼料理。しかし、ここ福島の会津エリアでは、カツ丼といえば、豚カツをソースにたっぷり絡ませた「ソースカツ丼」のことを指します。ご飯の上にキャベツをしき、その上にソースを絡めたカツを載せるのが一般的。
写真は、会津の柳津(やないづ)という町で食べられるソースカツ丼で、キャベツとソースカツの間に、ふわふわの卵が入っているのが特徴。このようにソースカツ丼だけでも、さまざまなバリエーションがあります。
福島の状況
福島を観光する際に、2011年の原発事故(※4)の影響を考慮される方もいると思います。福島の状況をお伝えします。
※4:原発事故……2011年3月、東北地方の太平洋沖を震源地とする大地震、通称「東日本大震災」が発生。福島の沿岸部にある東京電力福島第一原子力発電所から、放射性物質が放出される事故が起きました。
原発事故の影響は?
福島県の全体図。赤いピンは福島第一原発の位置
事故が起きた福島第一原発は、沿岸部にあります。その周辺で放射線量が高いエリアには、現在も避難指示が出されています。
ただ、冒頭でもお伝えした通り、福島は日本で3番目に面積の広い都道府県。山間部も多く、福島県全体に放射線の影響が出ているわけではありません。避難指示も徐々に解除されており、2019年4月には福島第一原発が立地する自治体としては初めて、大熊町の避難指示が一部解除されました。
現在の避難指示区域は、福島県全体の面積と比べると、2.5%に留まります(※5)。
※5……福島県全体の面積は13,783平方キロメートル、現在の避難指示区域の面積は約340平方キロメートル(2019年5月時点)。
現在の放射線量は?
緑色は避難指示が出ている区域。20キロメートルの円の中心部が福島第一原発。
上の地図中の数字は、2019年5月時点での、福島の主要都市の空間放射線量(※6)。
ほかの都市の空間放射線量と比較すると、東京は0.04、北京は0.07、ミューヨークは0.05、シンガポールは0.10、パリは0.04など(※7)。福島第一原発近くになると場所によっては線量が高くなりますが、世界の各都市と比べても、それほど大きな違いがないことがわかります。
2019年には、MATCHA編集部が福島第一原発構内、その周辺地域を取材しました。詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。
※6:数字の単位はマイクロシーベルト/時(地表面から高さ1メートルの空間線量率平均)。観測地点はそれぞれ、A:会津若松(駅前公園)、B:南会津町役場、C:福島駅(コラッセ広場)、D:郡山駅(西口駅前広場)、E:新白河駅(西口付近)、F:南相馬市役所、G:大熊町役場、H:いわき駅(駅前広場)。数字は「福島県放射能測定マップ」より。2019年5月20日の観測値(Eのみ5月9日観測)。
※7:すべて単位はマイクロシーベルト/時。世界各都市の数字は復興庁HPより。
食の安全は?
地域 | 一般食品における放射性セシウムの基準値 |
EU | 1,250ベクレル/kg |
アメリカ | 1,200ベクレル/kg |
日本 | 100ベクレル/kg |
福島県(魚介類) | 50ベクレル/kg |
福島県(日本酒) | 10ベクレル/kg |
現在、日本が定める一般食品の安全基準値は、放射性セシウムが「1kgあたり100ベクレル以下」というもの。これは、EU(1,250ベクレル/kg)や、アメリカ(1,200ベクレル/kg)と比べても非常に厳しい基準です。
これに加えて福島では、放射線の影響が心配される魚介類で特に厳しい独自基準を設けており、50ベクレル/kgを基準としています(※8)。実際の検査結果では、99パーセント以上の検体で放射性セシウムは不検出となっていますが、万が一この基準を超えた場合には、その魚種の出荷は直ちにストップされます。
また、福島で生産される日本酒は、日本が定める安全基準のさらに10分の1、「1kgあたり10ベクレル以下」という、極めて厳しい基準を各蔵元で設けていますが、事故が起きてから今まで、基準値を超える値が出たことはありません。
※8:福島県漁業協同組合連合会が設ける基準。漁協のHPでは震災後の2012年から現在に至るまで、福島沖で獲れた漁獲物の検査結果が公表されている。
福島へ行こう!
福島を訪れる外国人観光客は増加しており、近年では年間の外国人延べ宿泊客数は10万人を超えています。
ぜひ一度福島を訪れてみて、その魅力を感じてみてください!
オススメのレンタカーサービス:
- タイムズカーレンタル
- たびらいレンタカー
- レンタカードットコム
オススメの予約HP:
- Booking.com
- 楽天トラベル
あわせて読みたい
Main image by Eri Miura
本記事は、2019年5月に公開された記事を2020年12月にリライトしたものです。
MATCHA Editer.