ウニにイクラ!世界三大漁場・三陸沖の大船渡が生んだ絶品「ほまぢ」
世界三大漁場のひとつ、三陸沖にある大船渡港。ここで、ウニやイクラ、サンマの天日干しといった絶品の水産加工品ブランド「ほまぢ」を展開しているのが及川冷蔵です。水産物好きには見逃せない岩手県の人気の品々と、そのおいしい食べ方を紹介します。
世界三大漁場・三陸沖にある大船渡
世界三大漁場のひとつ「北西太平洋漁場」に位置する三陸沖。寒流(親潮)と暖流(黒潮)のぶつかる地点にあることからプランクトンが豊富で、多くの魚が獲れます。
三陸沖の一角にある岩手県の大船渡港は、日本有数のサンマの水揚げ港。サンマのほかにも、一年を通してさまざまな魚介類が水揚げされており、港内の岸壁ではのんびり釣りを楽しむ人の姿も見られます。
そんな大船渡には、おいしい水産加工品をつくっている会社が多くあります。その中でも、イクラやウニ、天日干しなどの加工品で特に人気の会社があると聞き、訪ねてみました。
震災後もおいしい水産加工品を届ける及川冷蔵
及川冷蔵は、1805年に創業した老舗。1957年に株式会社化して以来、魚介類の冷蔵・冷凍品を販売するかたわら、加工品もつくってオンラインで販売していました。
ところが、2011年に発生した東日本大震災で2つの工場が全壊。全社員を解雇せざるを得なくなり、廃業も考えたといいます。
「でも、天井と柱だけの工場に腐敗した原料が大量に残っていて、その廃棄作業を2カ月間ひたすらやっているうちに、『このまま終わりたくない』と思ったんです」。
そう語るのは、及川廣章(おいかわ ひろあき)社長。再建を決意し、車で5分ほどの魚市場からのサンマの仕入れ・出荷を再開。さらに天日干しにして販売を始めました。これが現在の事業につながっています。
及川冷蔵の加工品の特長は、添加物を使わない、自然に近いおいしさ。
その秘訣は、社長やベテラン社員が目利きして仕入れた旬の魚介類を、独自の技術で瞬間冷凍し、旬の味・鮮度を保っていることにあります。加工の際に熟練の技を持つ職人や社員が携わっているのもポイントです。
素材を厳選!オリジナルブランド「ほまぢ」
及川冷蔵では現在、約20種類の水産加工品を、オリジナルブランド「ほまぢ」として販売しています。「ほまぢ」とは大船渡がある気仙地方の方言で、「とっておき」の意味。「特別に取っておいた『ほまぢ』を多くの人に食べてもらいたい」という想いが込められています。
実際、「ほまぢ」では、大船渡湾で獲れたり大船渡港に水揚げされたりした魚介類から、加工に向くもののみをさらに厳選しているのだとか。
塩漬け・醤油漬けのイクラ
「ほまぢ」ブランドの看板商品であるイクラ。
「粒が大きくてやわらかく、旨みのあるイクラの加工品をつくるには、まず鮭選びが重要です」と語る及川社長。三陸沖で獲れる、産卵で川に入る前の脂ののった若鮭を、自ら魚市場で厳選して仕入れているそうです。
その後、鮭から取り出した卵を硬さに応じて選別。もっとも品質がよいものを塩漬けや醤油漬けにし、「ほまぢ」として提供しています。
塩漬けは、職人が塩水でさっとかき混ぜ、塩を浸透させてつくります。その浸透の見極めは、手にぶつかるイクラの弾力で判断するそう。「まさに熟練の技です」と及川社長は話します。
一方の醤油漬けは、創業約200年の老舗「八木澤商店」の醤油をベースにした甘口のたれに漬け込んだもの。
「ご飯にたっぷりのせて『いくら丼』で食べるのがオススメですよ」。アドバイスにしたがって食べると、塩気が控えめで、イクラそのものの旨みがストレートに感じられる贅沢な味わい。食べ飽きることなく、ご飯もどんどん進みます。
ほんの軽く噛んだだけで、口の中で旨みが弾けるやわらかさにも、感激しました。
いくら甘塩漬け(200g):(税込)2,916円
いくら極薄醤油漬け(200g):(税込)2,916円
生うに・焼きうに
大船渡港のある三陸海岸は、独特の入り組んだ地形から、ワカメや昆布が豊富。それらの海藻をたっぷり食べて育った三陸産ムラサキウニは、上品で濃厚な旨みがあります。
漁場に近い及川冷蔵では、ウニを生きたまま仕入れています。これを沖縄産の海水塩を使った塩水で浸して本来の旨みを引き出した商品が「生うに」。また、ウニをアワビの殻にぎっしり詰めて焼き上げ、ウニの旨みをさらに引き出したのが「焼きうに」です。
どちらも、身崩れ防止用に一般的に使われるミョウバンや、保存料・着色料は一切使っていません。
「ご飯にのせてどうぞ」と及川社長に勧められて口に入れると、ウニの旨みや甘みが強く感じられ、ご飯のおかずにぴったりです。
そのほか、スチームで蒸し上げた「蒸しうに」や、あえて精製塩を使ってつくった「塩うに」も自慢の品とか。及川社長から、「『蒸しうに』は炊き込みご飯、『塩うに』はおにぎりやお茶漬けがオススメ」とおいしい食べ方を教えてもらい、おみやげにどれを買おうか迷ってしまいました。
生うに(150g):(税込)3,240円
焼きうに(70g):(税込)1,944円
天日干し商品
及川冷蔵の再建のきっかけとなった天日干し商品。味づくりのカギは、2012年に工場内に設置した天日乾燥室です。
太陽光のほか、特殊なフィルターを通して潮風を取り込める部屋で、自然の天日乾燥と同じ風味に仕上げられるのだとか。しかも、屋外で行う天日乾燥よりも衛生的である点が魅力です。
また、加工に使う水は、ミネラルたっぷりの伏流水を滅菌して使用。そこには、「魚は自然の恵みなので、自然に近いやり方や調味料で加工したい」との想いがあります。
及川社長が「一番好き」という「骨抜きさんま」は、ベテラン社員が特殊な器具を使って頭・中骨・小骨を取り除き、塩麹に漬けて干した一品。
「そのままグリルで焼いて大根おろしと一緒に食べるのがオススメ」といって提供してもらいました。食べると、塩味も旨みもまろやかで上品な風味。骨がないので食べやすく、あっという間に完食しました。
社長によると、衣を付けて天ぷらにしてもおいしいそうです。
骨抜きさんま:(税込)432円
大船渡の水産物が味わえる「キャッセン大船渡」
及川冷蔵の加工品を買おうと、JR大船渡駅の近くにある「キャッセン大船渡」へ。「モール&パティオ」と「フードヴィレッジ」の2棟に、飲食店や鮮魚店、雑貨店、書店、生花店、菓子店などが集まっており、買い物や食事ができます。
及川冷蔵の直営店「三陸おさかなファクトリー」は、「モール&パティオ」内にあり、同社の加工品のほか、大船渡市や近隣市町村の特産品・おみやげを販売。バラエティに富んだ商品に思わず目移りしてしまいそうです!
オンラインでも購入可能
「大船渡の味」である及川冷蔵の水産加工品は、大船渡や三陸を旅しながら買うのがオススメですが、オンラインショッピング(日本語のみ)でも購入できます。及川社長がオススメする食べ方を参考に、自宅で味わってみてください。
大船渡で観光も一緒に楽しもう!
碁石海岸 Photo by Pixta
大船渡港の近くには、三陸の荒波がつくりだす造形美や古刹などの見どころがあります。たとえば、碁石のような黒い玉砂利が敷き詰められた碁石海岸。周辺には「穴通磯(あなとおしいそ)」など、自然の神秘を感じる奇岩が多くあります。
ほかにも、三陸鉄道リアス線の「恋し浜駅」。地元産ホタテの殻を使った絵馬が大量に吊されている待合室の光景は、圧巻です。
大船渡に旅をする際は、おいしい水産物と一緒に、観光も楽しんでくださいね!
In cooperation with 及川冷蔵
Sponsored by Reconstruction fishery processing industry market recovery promotion center