旅の準備はじめよう
日本遺産についてわかりやすく説明します。
日本遺産についてわかりやすく説明します。日本遺産とは、日本の文化を知るために欠かすことのできない100の物語のことです。 この物語を知り、それぞれの地域を訪問することで、あなたの旅行体験はより一層充実したものになるでしょう。 歴史や文化に関心がある方は、ぜひ日本遺産について学び、その物語を体験してみてください!
日本遺産(にほんいさん、Japan Heritage)は、文化庁が認定する「日本の文化や伝統を語る100のストーリー」です。
つまり、日本遺産(にほんいさん)は、文化・伝統を伝える「物語」のことです。この制度は、文化庁が平成27年度から始めた制度で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに全国で100件のストーリーが認定することを目標に開始されました。
なお日本遺産の読み方は、「にっぽんいさん」ではなく、「にほんいさん」と読みます。
旅行先で、おいしい食べ物や美しい景観を見るだけでなく、その土地に伝わる「物語」を知ることで、より充実した旅になるでしょう。ぜひ、日本遺産の物語を知って、日本の旅への参考にしてください!
世界遺産や文化財指定との違い
世界遺産登録や文化財指定は,文化財や文化遺産の価値を認めて、保護することを目的とするものです。一方で日本遺産は,地域に点在する遺産を「面」として活用し,発信することで,地域活性化を図ることを目的としています。
世界遺産:保護する
日本遺産:活用し地域を活性化する
日本遺産のストーリー:丹波篠山の2つの日本遺産
では、日本遺産のストーリについて具体的に説明します。兵庫県の丹波篠山市は、2つの日本遺産に認定されたまちです。
丹波篠山は、日本で初めて日本遺産に認定された町の一つです。「丹波篠山デカンショ節という民謡が、丹波篠山の魅力を歌い継いでいる」というストーリーが選ばれました。
2つ目の日本遺産は、「きっと恋する六古窯 日本産まれ日本育ちのやきもの産地」というストーリーです。丹波焼という約900年の歴史がある陶芸産地に関するストーリーです。
丹波篠山市は、京都、大阪、神戸から約1時間。大阪からなら、乗り換えなしのJRで来ることができます。
丹波篠山デカンショ節
日本遺産に認定された1つ目のストーリーは、平成27年に「丹波篠山デカンショ節 民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」というストーリーです。
デカンショ祭は、毎年8月15日と16日に開催される民謡と踊りの祭です。毎年8万人もの人でにぎわいます。
このデカンショ節の特色は、民謡にもかかわらず、毎年新しい歌詞が生まれているということです。市民や観光客が、今年の丹波篠山を表す新しい歌詞を作ることができるのです。祭りでは、食べ物、景観などその一年を表現する歌詞が作られて歌われます。毎年、まったく新しい民謡が生まれ続けているというサスティナブルな民謡なのです。
ぜひ、みなさんも丹波篠山を訪れて、自分の言葉で新しいデカンショ節を作ってみてください!
デカンショ祭の日だけでなく、デカンショ館では、いつでもデカンショ踊り体験などが楽しめますよ。
六古窯:丹波焼
もうひとつの日本遺産「六古窯(ろっこよう)」は、日本でもっとも古い、陶芸の産地です。日本には900年前から陶芸をつくり続けている6つのエリアがあるので六古窯(=6か所の古い窯)と呼ばれます。
丹波篠山の丹波焼もその一つで60軒の窯元が毎日毎日、新しい陶芸を作っています。和食に使う器だけでなく、コーヒーカップや洋食器もあります。様々な色や形がありますので、きっとあなたのお気に入りが見つかるでしょう。
6つのエリアは、越前焼(福井県)、備前焼(岡山県)、瀬戸焼(愛知県)、常滑焼(愛知県)、信楽焼(滋賀県)、丹波焼(兵庫県)があります。
6つのエリアをすべて訪問するのは大変なので、まずはこちらのサイトを見て、どこに行くか考えてみてください!
丹波篠山は歴史と伝統があふれる町です。 丹波篠山市の中心には篠山城跡があります。今も立派な石垣が当時のまま残っており、それを取り囲むようにして城下町の町並みが広がっています。 丹波篠山の町並みや文化は京都の影響が色濃く反映されており、実際に城下町を歩いてみると、あちこちに京都のような町並みを発見できるはずです。