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上高地の9~2月の気温は?各季節におすすめの服装や装備、紅葉の時期も解説
上高地は長野県西部にある日本屈指の山岳景勝地で、年間約150万人の観光客が訪れます。本記事では、上高地の気候や気温と、季節にあった服装を9月〜2月までそれぞれ紹介しています。また、紅葉時期や冬季入山の注意事項などもあわせてまとめました。
上高地の天気・気候
上高地は日本の自然景観の中でも特に美しく、他にはない生態系と手つかずの自然が多く残っています。その自然環境や文化的価値を守るために、「特別名勝」および「特別天然記念物」として指定されています。
上高地は標高約1,500メートルの高さに位置するため、麓の松本市街(標高約600メートル)よりも気温が低くなります。そこで気になるのが、訪問時の服装や散策時に必要なアイテム。この記事では、9月~2月までの気候・気温の特徴やおすすめの服装、注意事項などをまとめました。
上高地の最低気温・最高気温
上高地の気温は年平均で約6.5℃と北海道の釧路市と同程度、日本でも有数の避暑地として知られています。
東京と比べると月々の最高気温がだいたい7~8℃ほど低くなり、朝晩の気温差が大きいです。夏でも最低気温が10℃以下にまで冷え込むことがあります。春先や秋口には最低気温が氷点下になる事もあり、5月初旬までと10月中旬以降は雪が降り、時には積もることもあります。
上高地の雨量は年間約2,300ミリメートルと、麓の松本市の年間雨量約1,000ミリメートルと比べると雨量が多いことが分かり、雨具は必需品です。
基本の服装
朝晩や日中でも温度差が激しく、夏でも曇りや雨、風などで肌寒く感じることがあります。吸汗性・速乾性のあるインナー、防寒着、伸縮性のある素材のボトムスなど、体温調整ができて動きやすい服装がおすすめです。
帽子
山間部では紫外線が強いため、日焼け防止や熱中症対策、ケガ予防のために帽子は必須アイテムです。防寒用のニット帽や、雨対策に撥水性素材の帽子、夏は通気性のあるキャップがおすすめです。
靴
遊歩道が整備されてる大正池から横尾あたりまでの散策でしたら、履き慣れているスニーカーでも大丈夫でしょう。しかし、雨の日やぬかるみのある場所を歩く際は、防水性に優れ、滑りにくいハイキングシューズやトレッキングシューズがおすすめです。
リュック
両手が自由になるリュックが安全です。背負ったときに楽なものであれば疲れにくく、快適にハイキングやトレッキングを楽しめます。
雨具
山の天気は変わりやすく、急な雨になることもよくあります。散策程度でしたら折りたたみ傘やポンチョで安心ですが、長時間のトレッキングやハイキングにはレインウェアは必需品です。軽くて動きやすく、防水性・透湿性がある素材が理想です。マウンテンパーカーは小雨程度であれば弾いてくれるので雨具としても防寒具としても重宝します。
飲料
トレッキング・ハイキング中は、意外と水分が失われます。熱中症対策・脱水症対策としても適度に水分をとりましょう。特に冬季は水道が使えない場所もありますので、水筒やペットボトルを忘れずに準備しましょう。温かい飲み物を水筒で持っていくのも寒い時期にはおすすめです。
9月・10月の気温/服装。徐々に色付き始め、紅葉のベストシーズン
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9月初旬に20℃近くあった最高気温も9月末頃には15℃を切るようになり、日毎に気温が下がります。10月の上高地は気候的には初冬です。天候は比較的安定していますが、風が吹く日は肌寒く感じますので、防風・防寒対策をしっかりとしてから出かけましょう。
9月の上高地は星空観賞に適しているシーズンで、天の川を見られることもあります。標高が高く、街の光が届かない山奥であり、空気が比較的乾燥していることから、星空も一層綺麗に見えるようになります。日中の暖かさを残している9月は、夜も冷え切らないことが多いので、長い時間星空を観賞することができます。
9月から紅葉が山の上より始まり、段々と山の麓へ降りてくるように色が変わっていきます。例年9月下旬~10月始めにかけて穂高連峰の上部や涸沢の紅葉が見ごろを迎え、穂高に初雪が降る10月初旬にはカラマツが一気に鮮やかに染まります。例年10月下旬~11月始め頃には、カラマツが黄色く色づく「黄葉」が有名な河童橋周辺まで紅葉が降りてきます。
9月の平均最高気温19.3℃、平均最低気温9.7℃
気持ちのよい秋晴れの日は上高地散策に最適ですが、この時期は台風の影響を受けやすく雨も多いため、雨具は必ず持参しましょう。晴天時の日中は日差しが強く気温以上に温かく感じますが、朝晩は手袋やニット帽があると安心です。
10月の平均最高気温13.2℃、平均最低気温2℃
10月に入ると朝晩は氷点下になり、10月後半には冠雪した山々を見られる日も多くなります。ダウンやネックウォーマーなど、真冬の服装で訪れることをおすすめします。
11月・12月の気温/服装。紅葉が終わり、雪が降り始め冬の到来
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上高地の観光シーズンは、4月中旬ころ~11月15日の閉山式までです。11月16日~翌年4月中旬までは上高地の施設はすべて休業中の閉山期になります。
11月16日~翌年4月中旬の閉山期には、釜トンネルより上は交通機関の運行もしていません。入山はできますが、自己責任を原則とする冬山登山となり、入山の際にはかならず「入山届」の提出が必要です。詳しくは冬山への入山案内をご確認ください。
冬の上高地では、スノーシュー体験や冬のハイキングコースなど、さまざまなアクティビティがあり、雪に覆われた美しい景色の中で、心躍る体験が楽しめます。
スノーシュー体験では、普段は歩けない雪原や凍った滝を巡ることができ、自然の静けさと壮大さを感じることができます。初心者でも安心して参加できるツアーが多数用意されており、ガイドさんが丁寧にサポートしてくれます。特に、早朝のツアーでは、霧氷や朝日に照らされた雪景色が見られることもあります。
11月の平均最高気温7.5℃、平均最低気温-3.2℃
11月の上高地は、紅葉がほとんど終わりを迎え、晩秋の美しい風景が広がります。比較的暖かい日でも最高気温は10℃前後で、最低気温が氷点下になる日もあり、雪が降ることも。穂高連峰の山々が薄っすらと冠雪している姿は、この時期ならではの美しさです。
ダウンジャケットや保温性・防風性のある防寒着やボトムスなどが必需品となり、寒暖差に備えて重ね着で体温調節のできる服装を心がけましょう。道が凍結していることもあるので防水のトレッキングシューズがおすすめです。
12月の平均最高気温0.7℃、平均最低気温-8℃
河童橋周辺でも時には雪が舞い、本格的な降雪になることもあります。
12月の上高地で特に美しいと言われているのが、大正池の朝霧です。朝早く訪れると、霧が立ち込める中に静寂の湖面が広がり、まるで冬の訪れを告げるかのような幻想的な風景を楽しめます。
1月・2月の気温/服装。雪景色が美しい真冬の上高地は次の春に備えて休業中
Photo by Pixta
夏場は人気の観光地として賑わう上高地も、冬は一転、音の無い静寂な雪原となり、神々しく雪をまとった厳かな穂高連峰を独り占めすることができます。「神の降り立つ地」とも呼ばれ、神秘的で雄大な自然が広がる上高地本来の姿を目の当たりにできるのが、冬なのです。
気楽に雪原を楽しめるような管理されたスノーシューコースではありませんし、冬季は人もいません。そして、水や食料はもちろん、必要な荷物や装備は全て自身で持ち込まなければいけません。雪の深い冬は基本的に一般の立ち入りは困難なので、ガイドさんが同行するツアーに参加した方が安心です。
1月の平均最高気温-2.8℃、平均最低気温-11.4℃
真冬の上高地は全く音の無い世界になり、人間はもちろん動物の気配すら感じることのできない冬山です。ただ寒いだけでなく、道標は雪に埋もれ、一晩に数十センチの雪が積もり、雪崩の危険すらある自然の厳しい環境に。
寒さ対策として、耳あてや使い捨てカイロ、温かい飲み物を水筒に用意しましょう。
2月の平均最高気温-1.6℃、平均最低気温-12℃
氷点下20℃を下回る日もあり、ますます寒さの厳しくなる2月。厳しい寒さの中でしか見ることのできない繊細で神秘的な上高地の冬景色が一面に広がります。木々にまとった霧氷や凍った池の表面が太陽に照らされキラキラと光るさまは、自然の崇高さを感じさせます。
ベンチには雪が積もっているので、銀マット等の敷物は必需品です。
よくある質問
上高地への行き方は?
上高地への行き方は、こちらの記事をご覧ください。
上高地の紅葉時期について詳しく知りたい
上高地の詳細な紅葉時期については、こちらの記事をご覧ください。
冬は上高地へは行けないの?
入山はできますが、自己責任を原則とする冬山登山です。 11月15日~翌年4月中旬まで、上高地の施設はすべて休業中になり、釜トンネルより上は交通機関も運行せず、連絡手段もわずかとなります。 入山される際はかならず「入山届」を提出してください。 詳しくは上高地冬季入山のルールをご確認ください。
上高地へ行くベストシーズンはいつ?
上高地では7月ごろから気温が上がり、8月初旬ころまで快適にハイキングや登山が楽しめる避暑地として人気です。 また9月下旬から10月末までは紅葉シーズンになります。
特別名勝とはなんですか?
特別名勝とは、国が文化財保護法で指定した名勝(景色の良い地)のうち、特に価値の高いものとして認められたものであり、国宝と同格として承認された地のこと。名勝地、景勝地とも呼ばれ、国内には宮城の松島、金沢兼六園、京都の天橋立など、全35件が指定されています。
万全の対策をして、上高地を楽しもう!
秋~冬の上高地は、美しい紅葉から幻想的な雪景色と魅力が満載です。しかし、快適に過ごすためには、寒さや雪など、安全に対する適切な準備は欠かせません。
防寒着や雨具など、気候や環境に適した服装を整え、安全に過ごすための手段を選びましょう。冬季の上高地では細心の注意を払い、凍結による転倒や事故を防ぐための対策も重要です。
この記事で紹介したポイントを押さえながら、上高地を存分に楽しんでください。
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