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長野「上高地」ガイド——日本屈指の絶景スポット、散策ルート、宿泊、アクセス情報などまとめ
雄大な山々と自然景観に恵まれた「上高地(かみこうち)」は長野県が誇る日本屈指の山岳リゾートです。四季折々の絶景が堪能できる絶景スポットやハイキングコースなどの見どころをご紹介します!
絶景に囲まれた山岳リゾート「上高地」
長野県と岐阜県の県境に位置する上高地は、平均標高1,500メートルの高地にあります。
夏の平均気温は20度前後と涼しく、登山客だけでなく、避暑のために訪れる旅行者も多くいます。東京からは直通の高速バスも走っており、公共交通機関を使っても5時間ほどの道のり。都心からの観光地としても人気のエリアです。
また上高地は山岳地帯にはめずらしいことに平地が多く、散策路も丁寧に整備されているので、歩きやすいしっかりした靴さえ履いていれば誰でも気軽にハイキングを楽しめます。
本記事では絶対見逃せない上高地の絶景スポットや、オススメのハイキングコース、季節ごとの見どころや注意点など、はじめて上高地を訪れるなら参考にしてほしい情報をまとめてお届けします。
上高地の絶景スポットを紹介!
上高地のシンボル「河童橋」
上高地を訪れたら必ず足を運びたいのが河童橋(かっぱばし)です。この木製の吊り橋からは、日本アルプス(※1)と称される山々と、澄んだ「梓川(あずさがわ)」の流れが織りなす大迫力の絶景が見渡せます。
周囲はホテルやキャンプ場で賑わい、シャトルバスの発着駅である上高地バスターミナルからも徒歩5分。上高地の中心地として覚えておきましょう。
※1:日本アルプス……穂高連峰や槍ヶ岳などを含む3つの山脈の総称。1800年代に日本に滞在していたイギリス人の研究者らによって、ヨーロッパのアルプス山脈のように美しい山々、という意味を込めて名付けられ世界に紹介された。
上高地を東西に流れる「梓川」
河童橋の架かる梓川は、上高地の中央を東西に流れる清流。両岸には歩きやすい遊歩道が設けられており、ハイキングに最適です。左岸からは、川が豪快に蛇行する「梓川クランク」が絶景ポイント。
右岸を歩くと六百山(ろっぴゃくざん)や霞沢岳(かすみざわだけ)が美しく見渡せるスポット「ウェストン園地」に到着します。
梓川に架かる「田代橋」と「穂高橋」
梓川の中央にできた中洲を挟み、左右の岸に架かる橋が田代橋(たしろばし)と穂高橋(ほたかばし)です。
その先は登山道や自然研究路に道が別れるので、遊歩道が終わるポイントとして覚えておきましょう。橋の上で豊かな緑と川のせせらぎに癒されながら、ひと休みするのもいいですね。
空の青さを映し込む静寂の「岳沢湿原」
上高地バスターミナルから河童橋を渡り、梓川の右岸遊歩道を15分ほど歩くと、岳沢(だけさわ)湿原に到着します。
針葉樹林の先にぽっかりと現れる小さな湿原は、湧き出る澄んだ水と立ち枯れの木々が幻想的な景観を織りなす見事な場所。湿原に光が差し込む早朝はとくにオススメの時間帯です。
神々しさに満ちた「明神池(みょうじんいけ)」
河童橋から1時間ほど歩くと見えてくるのが明神池です。池の湖畔には「穂高神社奥宮(ほたかじんじゃおくみや)」が鎮座し、一帯は古くから明神岳をご神体とした神域(しんいき)として信仰を集めてきました。
明神池は鏡池とも呼ばれ、周囲の木々や澄んだ空が水面に映り込む様は、神聖な場所にふさわしい神秘的な雰囲気に満ちています。
早朝ウォークで見たい「大正池」
大正池は焼岳の噴火によって大正時代(1915年)に出現したため、その名で呼ばれるようになりました。
晴れた日には穂高連峰を水面に映す大パノラマが魅力ですが、靄(もや)の立ち上る早朝には、白くかすんだ水面に立ち枯れの木々のシルエットが浮かび、別世界のような景色が広がります。
透きとおる水が美しい「田代池」
原生林のなかに現れる田代池(たしろいけ)は、浅い池にいくつかの小島が浮かび、穏やかな風景を見せてくれます。
水中にバイカモがたゆたい、夏にはニッコウキスゲやコケモモなどの植物、秋は紅葉、11月ごろには木々が白い氷の結晶で覆われる霧氷(むひょう)が見られ、四季の魅力がつまったスポットといえます。
好みのコースを選んで歩く散策ルート
目的地ごとにバスターミナルを使い分けよう!
上高地は自然保護のため一般車両の乗り入れを規制しています。そのため、長野県松本方面から上高地に向かう旅行者は、新島々(しんしましま)駅からシャトルバスに乗り換えます。梓川に沿って、上高地バスターミナル・帝国ホテル前・大正池の3つのバス停があるので、目的地にあわせて下車しハイキングを楽しみましょう。
上高地バスターミナル:河童橋のすぐそばで、高速バスやタクシーの乗り場、インフォメーションセンター等があります。
帝国ホテル前:上高地帝国ホテルのすぐそばで、田代橋と穂高橋の最寄駅。
大正池:大正池まで徒歩1分なので、大正池が目的地ならこの停留所で下りるのがオススメ。
1時間散策ルート(大正池〜田代池〜田代橋〜河童橋)
短い時間で上高地を満喫するなら、大正池バス停留所から河童橋を目指して遊歩道を歩くルートがオススメ。
大正池から20分ほど歩くと田代池があり、そのすぐ近くには田代湿原もあります。上高地でも穂高連峰を望む絶景スポットとして人気の場所なので、時間に余裕があればぜひ立ち寄ってみてください。
3時間散策ルート(河童橋~岳沢湿原~明神池・明神池~河童橋)
3時間程度の余裕があるなら、河童橋からスタートして梓川両岸の遊歩道を使い、岳沢湿原明神池といった人気スポットを巡り、ぐるりと一周してふたたび河童橋に戻ってくるコースがオススメ。
明神池の近くある「嘉門次小屋(かもんじごや)」は、イワナ料理が味わえる食堂とおみやげ店となっているので、立ち寄りスポットとしてチェックしたいところ。
上高地の自然美を堪能するなら宿泊がオススメ
日帰りでも楽しめる上高地ですが、早朝の朝靄に包まれた大正池や、空気の澄んだ山間部ならではの美しい星空は、泊まりがけで訪れた人だけが堪能できる特別な景色です。
上高地には約18軒の宿が軒を連ねており、クラシカルな高級リゾートホテルからロッジ風のカジュアルなホテルまで、そのスタイルはさまざま。きっとお気に入りの一軒が見つかることでしょう。
次に、自然景観を楽しみたい人にとくにオススメの宿をご紹介します。
最高のロケーション「上高地ホテル白樺山荘」
Picture courtesy of 上高地ホテル白樺荘
Picture courtesy of 上高地ホテル白樺荘
圧倒的なマウントビューを体験できるのが、河童橋のたもとに位置する「上高地ホテル白樺荘」です。
上高地を象徴する穂高連峰の、ダイナミックな眺めを客室から独占できるのは、宿泊者だけの贅沢といえます。創業90年を機に2019年4月に館内をリニューアルしており、自然木を使用した和モダンの客室は洗練された雰囲気。旅行気分をさらに盛り上げてくれることでしょう。
Picture courtesy of 上高地ホテル白樺荘
また、冬季を除いて毎日ネイチャーガイドが常駐しており、1日4回60分のツアーを開催しています。プロガイドによる解説でさらに楽しさもアップ!
ネイチャーガイド
4月24日〜11月14日(毎日実施)
1日4回各60分 9:00/10:30/13:00/14:30
料金:1,000円
キャンプ好きをとりこにする「上高地 森のリゾート小梨」
キャンプ好きの旅行者にぜひオススメしたいのが「森のリゾート小梨」です。
こちらの施設は河童橋から徒歩約5分のところにあり、アクセスも良好。梓川沿いの自然林のなかに大小9棟32室の別荘風のケビンと、バーベキューやキャンプが楽しめるテントサイトが点在しています。
キャンプに必要な道具や食材は施設内の売店で調達できるうえ、大浴場も完備されていて至れり尽くせりの設備です。夏には常設テントも設置されているのでキャンプ初心者でも安心です!
旅行シーズンの気候や服装について
ベストシーズンをチェックしよう
四季折々の自然が楽しめる上高地ですが、人気は4月中旬から5月中旬にかけての新緑の季節と、梅雨明けの7月下旬から8月初旬にかけて。
山は緑や花々で賑わう一方、山頂には雪が残り、絵画のような美しさを見ることができます。旅行者で大変賑わいますが、はじめての上高地は見所満載のこの季節に行くのがオススメです。
9月下旬から10月下旬にかけての紅葉シーズンも人気です。草木が色づき、山々は夏と違う表情を見せてくれます。11月中旬以降は気温も下がり、山は雪で覆われます。遭難などの危険もあるので春まで旅行は控えましょう。
天気や服装
旅行に適したシーズンは4月から11月まで。季節ごとの気候と服装の注意点をお伝えします。
春は4月中旬から暖かい日が増えますが、昼夜の寒暖差があるのでウィンドブレーカーなど重ね着できる衣類が重宝します。
上高地は標高が高いため、夏でも平均最高気温は25度以下と涼しいのが特徴。過ごしやすい気候ですが、日差しが強いので帽子や長袖シャツなど、日焼け対策をお忘れなく!
秋になると最低気温が10度を下回る日も多いため、フリースやパーカーなどの防寒アイテムは必須。また台風の影響で雨が降ることも多いので雨具を準備して行きましょう。
上高地までのアクセス
東京から出発する場合
Photo by Pixta
東京方面から上高地へ向かう場合、乗り換えが少ない高速バス「さわやか信州号」が便利です。東京駅、新宿駅、渋谷駅の3カ所から発着しており、22:00台に出発し5:20に到着します。
新宿からは7:15に出発して12:02に到着する便もあるので、日中に移動したい人に便利です。料金は路線や時期によって異なり、片道6,700円〜。
電車の場合は、新宿駅からJR「特急あずさ」に乗り松本駅で松本電鉄に乗り換え新島々(しんしましま)駅で下車、上高地へ向かう路線バスに乗ります。所要時間は約5時間。料金は電車とバス合わせて片道9,200円。
松本で1泊する充実プラン
Photo by Pixta
新宿から松本へは特急あずさに乗り直通で約2時間半。松本には国宝の「松本城」があり、江戸時代には城下町として栄えました。
蔵造りの建物が並ぶ蔵のまち中町通りや縄手通り(なわてどおり)商店街など、往時の風情を味わえるレトロな景観が街のあちこちに残されています。せっかく長野を訪れるのなら松本で1泊して、上高地に足をのばすのもよいアイデアです。
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ルールを守って楽しいハイキングを!
毎年多くの旅行者で賑わう上高地では、ハイキングや登山の際に以下の5つのルールを設けています。
・採らない(植物や昆虫などの生きものを採らないでください)
・与えない(野生動物にエサを与えないでください)
・捨てない(ゴミはすべてお持ち帰りください)
・持ち込まない(ペットや外来生物を持ち込まないでください)
・踏み込まない(歩道を外れて歩かないでください)
自然を大切に、ルールとマナーを守ってきたからこそ感動的な景観が守られてきたのですね。上高地の雄大な自然のなかで心も身体もリフレッシュしましょう!
※本記事は2015年11月2日に公開した記事をリライトしたものです。
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神戸在住。趣味は旅行とアート鑑賞。美味しいもに目がなく、5年間の中国・北京生活で火鍋の美味しさに開眼しました。