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ひな祭りの食べ物やお菓子について紹介します。ちらし寿司を始め、子供にも人気の食べ物やお菓子がたくさんあります。どんな由来からその食べ物が食べられるようになったか。食べられる意味についても解説していきます。
ひな祭りは、毎年3月3日に行われる女の子の健やかな成長と幸せを願う日本の伝統行事です。この風習は、平安時代の流し雛の風習と貴族の人形遊びが結びついて発展しました。
「桃の節句」とも呼ばれ、ひな人形を飾り、縁起の良い食べ物を楽しむ催しとして、現在でも人々に親しまれています。
ひな祭りで食べられる代表的な食べ物には、ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、菱餅、ひなあられなどがあります。これらの食べ物には、それぞれに由来や意味があり、ひな祭りのお祝いと深く結びついています。
家族で祝いの食事を囲みながら、女の子の健やかな成長と幸せを願う日本の大切な伝統行事です。
ひな祭りに食べられる代表的な食べ物9選をご紹介します。
女の子のお祝いにふさわしい見た目や色鮮やかな食べ物が多くあります。食べ物の歴史や食べられる意味・背景についても解説していきます。
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ちらし寿司は、酢飯の上に海鮮や野菜、卵などを彩りよく盛り付けたお寿司です。使用される具材には「海老(長寿)、レンコン(先を見通せる)、豆(健康・勤勉)」など、縁起の良いものが多く含まれます。
ちらし寿司の由来
ひな祭りにちらし寿司が食べられるようになったのは、お祝いの席にふさわしい華やかさと、縁起の良い食材を一度に楽しめることが理由です。
ちらし寿司の歴史
もともと武家社会では「なれ寿司」や「押し寿司」が食べられていました。江戸時代になると庶民の間で酢飯に具材を混ぜる「ばら寿司(五目寿司)」が普及しました。これが現代のちらし寿司の原型とされています。
江戸時代に入ると、華やかで手軽に作れるちらし寿司が祝いの席に好まれるようになり、ひな祭りでは「女性や子どもでも食べやすい祝い膳」として定着しました。
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はまぐりのお吸い物は、はまぐりの旨味が詰まった澄んだ出汁の汁物で、ひな祭りの定番料理の一つです。はまぐりの貝殻は、もともと対になった貝同士でしかぴったり合わないため、「夫婦円満」や「良縁」を願う縁起の良い食べ物とされています。
はまぐりのお吸い物は、はまぐりの旨味が詰まった澄んだ出汁の汁物で、ひな祭りの定番料理の一つです。 はまぐりの貝殻は、元々対になった貝同士でしかぴ
はまぐりのお吸い物の由来
ひな祭りは、女の子の健やかな成長と将来の幸せを願う行事であることから、「生涯を共にする良縁に恵まれるように」との願いが込められ、ひな祭りの食卓に並ぶようになりました。また、貝の身は柔らかく、消化にも良いため、子どもや女性にも優しい食材とされています。
はまぐりのお吸い物の歴史
はまぐりを使った料理は、平安時代の貴族の間でも楽しまれていました。江戸時代になると、武家や裕福な家庭の祝い膳として広まり、次第に庶民の間でも縁起の良い料理として定着しました。特に、ひな祭りの行事食としての風習が強まり、現代でも多くの家庭で食べられます。
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ひな祭りに飲まれる白酒(しろざけ)と甘酒(あまざけ)は、見た目が似ていますが異なる飲み物です。
・白酒:蒸したもち米や米麹に焼酎やみりんを加えて発酵させた甘い酒で、アルコールを含みます。
・甘酒:米麹または酒粕を原料とし、ノンアルコールのものもあります。子どもでも飲めるため、ひな祭りでは甘酒が選ばれることが多いです。
白酒と甘酒の由来
白酒は、古くから邪気を払い、健康を願う飲み物とされてきました。江戸時代には、ひな祭りに白酒を飲む風習が生まれ、やがて「ひな祭りには白酒」という習慣が定着しました。一方、甘酒は白酒の代用品として広まりました。特に子どもやお酒を飲めない人のために、見た目が似ていて甘く飲みやすい甘酒が親しまれるようになりました。
白酒と甘酒の歴史
白酒の歴史は古く、室町時代にはすでに飲まれていたとされています。江戸時代になると、ひな祭りと結びつき、祝いの席で飲まれるようになりました。
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菱餅(ひしもち)は、ひな祭りに飾られるひし形の三色餅です。一般的に緑・白・ピンクの三層になっており、それぞれの色には以下のような意味があります。
・緑:健康や長寿を願い、よもぎが使われることが多い。
・白:清浄や純潔を表し、餅や菱の実を使用。
・ピンク:魔除けや厄除けの意味があり、クチナシの実で色付けされる。
菱餅の由来
菱餅の由来は、中国の「上巳(じょうし)の節句」にあります。古代中国では、3月3日に草餅を食べて邪気を払う風習があったそうです。この習慣が日本に伝わり、室町時代には餅をひし形にし、さらに江戸時代には三色に発展しました。菱形は、水草の菱(ひし)の葉を模しており、繁殖力が強いことから子孫繁栄の意味があります。
菱餅の歴史
最初は緑と白の二色でしたが、江戸時代にピンクが加わり、現在の三色菱餅の形が完成しました。ひな人形と一緒に飾ることで、女の子の健やかな成長と幸せを願う縁起物として定着しました。
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ひなあられは、カラフルな小粒のあられで、甘いもの(関東)と塩味や醤油味のもの(関西)があります。色とりどりのひなあられには、以下のような意味が込められています。
・白:清浄・純潔
・緑:健康・長寿
・ピンク(赤):魔除け
・黄色:豊かさ
これらの色は、四季を表す色ともされ、1年を通して幸せであるようにとの願いが込められています。
ひなあられの由来
ひなあられの起源は、平安時代の「ひなの国見せ」(今でいうピクニック)です。宮中の女の子たちは、ひな人形を外に持ち出し、食事をしながら春の訪れを楽しんでいました。その際に持ち運びやすいようにした保存食が、ひなあられの始まりとされています。
ひなあられの歴史
江戸時代になると、武家や庶民の間でもひな祭りが広まり、ひなあられも普及しました。関東では砂糖を使った甘いひなあられ、関西では醤油や塩味のひなあられが作られるようになり、地域ごとの特色が生まれました。
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桜餅は、桜の葉で包まれた春を象徴する和菓子で、地域によって作り方が違います。
・関東風(長命寺桜餅):小麦粉の薄皮であんこを包み、桜の葉で巻いたもの。
・関西風(道明寺桜餅):道明寺粉(蒸したもち米を乾燥・粗挽きにしたもの)を使い、もちもちとした食感が特徴。
どちらも桜の葉の塩気がアクセントになり、春の訪れを感じさせる味わいです。
桜餅の由来
桜餅がひな祭りで食べられるようになったのは、桜の花が「魔除け」や「繁栄」の象徴とされていたためです。桜の葉の香りにはリラックス効果もあり、女の子の健康と幸せを願う意味が込められています。
桜餅の歴史
桜餅の起源は江戸時代にさかのぼります。1717年(享保2年)、隅田川沿いの長命寺の門番が、余った桜の葉を活用して作ったのが始まりとされています。これが評判となり「長命寺桜餅」として広まりました。その後、関西では道明寺粉を使った「道明寺桜餅」が作られ、各地で桜餅文化が発展しました。
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金平糖(こんぺいとう)は、砂糖を主成分とした小さな粒状の砂糖菓子で、表面に特徴的なトゲがあるのが特徴です。色とりどりの金平糖は、見た目の可愛らしさから、ひな祭りのお菓子として親しまれています。
金平糖の由来
金平糖がひな祭りに食べられるようになったのは、「砂糖菓子=高級品・縁起物」だったことに由来します。昔は砂糖が貴重で、特に保存がきく金平糖は祝いの席でふるまわれる特別なお菓子でした。ひな祭りでは、金平糖の小さく可愛らしい形が「子どもの健やかな成長」を象徴するとされ、縁起の良い食べ物として広まりました。
金平糖の歴史
金平糖は、16世紀にポルトガルから伝わった南蛮菓子です。戦国時代には、織田信長がポルトガルの宣教師から金平糖を贈られた記録も残っています。江戸時代には国内で製造が始まり、上流階級の間で珍重されました。明治時代以降は一般にも広まり、ひな祭りのお菓子として定着しました。
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桜いなりは、桜の風味を加えた酢飯を油揚げで包んだ、春らしいいなり寿司です。一般的には、桜の花の塩漬けや桜の葉、桜色の酢飯を使い、ほんのり桜の香りが楽しめるのが特徴です。
桜いなりの由来
桜いなりがひな祭りに食べられるのは、「桜=春の訪れ」「ピンク色=魔除け」という意味合いがあるためです。ひな祭りは「桃の節句」とも呼ばれ、桃色(ピンク)は厄除けの色とされています。桜いなりの桜色の酢飯は、この魔除けの願いを込めたものと考えられます。また、いなり寿司は「稲荷信仰」に由来し、五穀豊穣や繁栄を願う縁起の良い食べ物とされています。
桜いなりの歴史
いなり寿司自体は江戸時代から親しまれてきた庶民の食べ物ですが、桜いなりは比較的新しいアレンジです。近年、ひな祭りの祝い膳を華やかにする料理として人気が高まりました。
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手まり寿司は、一口サイズの丸い寿司で、見た目が可愛らしく華やかなのが特徴です。酢飯を小さく丸め、「サーモン、エビ、タイ、イクラ、薄焼き卵」などの具材を彩りよくのせることが多く、ひな祭りの祝い膳にふさわしい寿司として親しまれています。
手まり寿司の由来
手まり寿司がひな祭りに食べられる理由は、「手まり(手毬)」が女の子の遊び道具だったことに由来します。昔から、手毬は「丸く可愛らしく、健やかに育つ」という願いを込めた縁起の良いものとされてきました。その形に似せた手まり寿司は、女の子の成長と幸せを願う料理として、ひな祭りにふさわしいと考えられています。
手まり寿司の歴史
手まり寿司の発祥は、京都の「京寿司」の一種とされ、もともとは舞妓さんが食べやすいように作られたと言われています。江戸時代には庶民の間にも広まり、現在では手軽に作れる祝い寿司として、ひな祭りやおもてなし料理に定着しました。
ひな祭りの食べ物には、次のようなものがあります。
・ちらし寿司
・はまぐりのお吸い物
・菱餅(ひしもち)
・ひなあられ
・甘酒
・桜餅
・草餅
・桃カステラ
・三色のそうめん
ひな祭りの定番のメニューは、ちらし寿司、「はまぐりのお吸い物、菱餅、ひなあられ、白酒(甘酒)」などです。
ひな祭りに縁起の良い食べ物は、「菱餅(ひしもち)、ひなあられ、ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、甘酒、桜餅、手まり寿司」などです。
ひな祭りには、彩り豊かで縁起の良い食べ物が並びます。 家族でお祝いの食卓を囲みながら、女の子の健やかな成長を願いましょう。
ぜひ、由来や意味に触れながら美味しく召し上がってみてください。
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ライター
広告・観光・英会話・英語学習に関する記事をこれまで執筆してきました。企画営業として広告代理店に約8年勤めてきましたが、第3子の出産を機に退社、現在はフリーランスとして広告業・ライター業を行っています。趣味はピアノ、バレエ鑑賞、歴史、観光、自然巡りです。海外在住経験があることより、国際交流、訪日外国人へのサポートボランティアにも携わっています。訪日外国人へのお手伝いがしたい想いよりMATCHへ参加いたしました。