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「アイスコーヒー」を試してみよう。日本のコーヒー文化の楽しみ方
安価で手軽に本格的なコーヒーを楽しめるコンビニコーヒーや、「Blue Bottle Coffee」をはじめとしたサード・ウェーブコーヒーのお店が続々登場する日本。また喫茶店や、ブラックのアイスコーヒーなども日本独自のものです。そんな日本のちょっと不思議な日本のコーヒー文化の楽しみ方を紹介します。
「Blue Bottle Coffee」も上陸。日本のコーヒー事情
海外ではあまり普及していない、日本オリジナルのコーヒーの代表が缶コーヒーとアイスコーヒーです。また、日本特有なのが、コーヒーに入れるミルク。日本ではコーヒーに生乳ではないミルクを使用しています。
缶コーヒー
缶コーヒーはその名の通り、缶ジュースのように缶に入ったコーヒー。自販機やスーパーで売られています。
缶コーヒーには、ブラックのほか、砂糖やミルクが入ったカフェオレスタイルのものも。朝の通勤時間帯や仕事中にコーヒーを飲みたいけれど喫茶店に行く時間がないときに重宝します。缶コーヒーは1本120円と安価で、手軽に楽しめるという魅力があります。
アイスコーヒー
海外でも冷たいコーヒーはありますが、カフェオレにアイスクリームが載っていたり、甘いシロップ入りだったり、コーヒーそのものというよりもスイーツとして楽しむためのものという印象があります。
一方日本のアイスコーヒーは、濃く淹れたコーヒーに氷を加え、コーヒーの味を存分に楽しめるものになっています。ブラックで提供され、砂糖は好みで後で入れます。高温多湿になる日本ならではのコーヒーと言われ、夏場はホットのコーヒーよりも人気。氷を入れることでさっぱりとした味になり、ゴクゴクと飲めるのが特徴です。
日本のコーヒーフレッシュとガムシロップ
日本のお店でブラックコーヒーを頼むと、「ミルクとお砂糖はつけますか?」と聞かれますが、日本で出てくるミルクは欧米のミルクとは違うことを覚えておきましょう。
海外でコーヒーのミルクと言うと牛乳を指します。しかし、日本でいうミルクとはクリーム風に仕上げたコーヒーフレッシュと呼ばれるもの。1回分ごとに白い小容器に入っています。
コーヒーに入れると、たしかに味はまろやかになりますが、海外の「ミルク」とは別物なので最初は驚くかもしれません。
また、アイスコーヒーを頼むと、ガムシロップと呼ばれる砂糖液がついてきますが、これも日本独特。ガムシロップもコーヒーフレッシュのように小容器に入っていて、透明な色をしています。
アイスコーヒーにスティックシュガーを入れても溶けにくいということから開発されたもので、冷たいコーヒーにもサラリと溶けるのが特徴。砂糖とはまた少し違った濃厚な甘みを持ちます。
モーニングサービス
コーヒーショップやレストランで朝にコーヒーを注文すると、トーストや卵料理、サラダが無料でついてきたり、安く注文できることがあります。これを日本では、モーニングサービスまたはモーニングと言います。主に働く世代が出勤前の朝食代わりに、このサービスを利用しています。
モーニングサービスが行われる時間帯は、コーヒーショップの開店時間から午前11時くらいまで。
発祥は名古屋といわれ、名古屋県内にはモーニングサービスの豪華さを売りにするコーヒーショップやレストランが数多く存在します。
モーニングを体験したいときにオススメなのは、名古屋発のコーヒーチェーン「珈琲所コメダ珈琲店」。コーヒー1杯を注文すると、無料でパンやゆで卵、あんこがつきます。
現在、珈琲所コメダ珈琲店の店舗は全国各地にあり、名古屋に行かなくても名古屋流のモーニングを体験できます。
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サードウェーブ・コーヒー
コーヒーにこだわりを持つ日本人に、サードウェーブ・コーヒーが浸透するのに時間はかかりませんでした。
アメリカで人気の「Blue Bottle Coffee」をはじめとするサードウェーブ・コーヒーも日本に続々と登場中。
サードウェーブ・コーヒーの産地や焙煎にこだわった豆を挽き、1杯1杯丁寧に淹れたコーヒーをゆったりと楽しむというおしゃれなスタイルは若者たちの間で特に人気です。
コンビニのコーヒー
コーヒーはコンビニでも買えます。
値段は、1杯100円〜300円と低めですが、コンビニ各社は豆や焙煎にこだわり、安価ながらクオリティの高いコーヒーを提供しています。手軽においしいコーヒーが楽しめる! と幅広い世代から支持されているのが日本のコンビニのコーヒーです。
ブラックだけでなくアイスコーヒーやカフェラテも売られていますので、気分に合わせて選ぶことができます。
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コーヒーショップ・チェーン
日本全国に、「スターバックス」をはじめ、「タリーズ」といった海外のコーヒーショップはもちろん、「ドトール」、「ルノアール」、「喫茶所コメダ珈琲店」といった日本のコーヒーショップのチェーンが数多く存在します。
コーヒーの値段は1杯250円〜500円。ホットコーヒー、アイスコーヒー、カフェラテやカプチーノといったコーヒーのほかにも紅茶やジュース、そしてサンドウィッチなどの軽食が売られています。
店内は清潔で居心地が良く、ラップトップを持ち込んでコーヒーを飲みながら仕事をしている人も。旅行中に、ホッと一息ついて休憩したい人は、これらのコーヒーショップを利用してみてください。
喫茶店
日本では喫茶店も人気です。コーヒーは1杯350円〜800円と高めです。
チェーン店にはない古い時代を感じさせる凝った内装のお店も多く、こだわりのコーヒーだけでなく店の雰囲気を味わいに来るお客も多くいます。パンケーキや自家製プリンなど、美味しいスイーツを売りにしているショップもあります。
アイスコーヒーやモーニングサービスなど、日本のコーヒー文化って不思議に思えるでしょう。けれど、一度試してみると、それらのコーヒーが日本人の心をほっとさせ、さらに、日本に長年根付いてきた理由がわかるかもしれません。日本独特のコーヒー文化をぜひ体験してみてください。
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