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日本のことば事典「ちゃんこ鍋」
日本の国技・相撲を裏で支える料理として欠かせないのが「ちゃんこ鍋」です。ちゃんこ鍋とはどんな料理で、どうして相撲と関係が深いのか、どこにおいしいちゃんこ鍋のお店があるのか、などの情報をまとめました。
ちゃんこ鍋ってなに?
Photo by pixta
日本では大きな鍋で具材を煮込む「鍋料理」が、お店でも家庭でも定番です。
通常は、「豆乳鍋」「キムチ鍋」など素材や調理法がそのまま料理名になっています。しかし、中には「ちゃんこ鍋」と呼ばれる、謎のメニューもあります。
実はこのちゃんこ鍋、日本の国技である相撲を裏で支える、大切な料理なのです。
相撲取りの屈強な体を作る、栄養満点の鍋料理
「ちゃんこ」とは、力士が食べる料理全般を指す言葉。つまり「ちゃんこ鍋」とは本来、力士が食べる鍋料理のことなのです。日本の相撲取りは、相撲部屋と呼ばれる道場・養成機関に住み込み、仲間とともに自らの体や技を鍛えます。
そして、大きな身体を保たなくてはならない力士達にとって、食べることも大切な稽古であり仕事なのです。
鍋料理は、大人数分を簡単に調理できる上、様々な食材を一度に摂取することができ栄養満点。さらに同じ鍋をつつきあうことで力士同士の連帯感も高められるとして、相撲部屋には無くてはならないメニューとなっています。
ちゃんこ鍋と相撲は、切っても切れない関係にあるのです。
ちゃんこ鍋には、決まった形はない
いつも同じ味だと、力士たちも飽きてしまいます。そのため、ちゃんこ鍋の味付けは醤油、塩、味噌など様々。特定の味付けに決まっているわけではありません。具材も同様で、バリエーションは豊かです。
ただし、2本足で立つ鶏の肉は、縁起がよいということで好まれる傾向にあります(※1)。
このような経緯があるため、厳密に言えば、相撲とは関係のない居酒屋や一般家庭において出される鍋料理を「ちゃんこ鍋」という名で呼ぶのは正しくないのですが、力士のようにパワーが出る鍋料理という意味を込めて、敢えて「ちゃんこ鍋」という名で呼ばれることもあるようです。
※1……相撲では両手を地面に着けてしまうと、負けとなってしまうため。
相撲の聖地「両国」のおすすめちゃんこ鍋!
日本に来たら、ぜひちゃんこ鍋を食べてみてください。
日本にはちゃんこ鍋を提供するお店が各地にあります。しかしなんと言っても、相撲が行われる国技館のある「両国」には名店が集まっています。両国のちゃんこ鍋店をいくつか紹介いたします。
両国には相撲部屋も沢山ありますので、運がよければ本物の力士が着物姿で街を歩く姿も見ることができるかもしれませんよ。
ちゃんこ巴潟(ともえがた)
鍋以外の和食も楽しめる、老舗のちゃんこ鍋屋です。JR両国駅から徒歩3分の便利な場所にあり、スープの味は醤油味、塩味、ぽん酢味、みそ味から選べます。秘伝のちゃんこ鍋だけでなく、料理人が腕をふるう和食もとても美味しいと評判のお店です。
住所:東京都墨田区両国2-17-6
公式HP:http://www.tomoegata.com/
ちゃんこ霧島
JR両国駅から徒歩1分。ビル全体がちゃんこ鍋屋という、力士を語るに相応しいビッグなサイズのお店です。有名な元力士「霧島」がオーナーですので、まさしく力士による本物のちゃんこ鍋を楽しむことができますね。最上階は東京スカイツリーも眺めることができるパノラマ席となっており、仲間達とちゃんこ鍋をつつき合うのも楽しそうです。
住所:東京都墨田区両国2-13-7
公式HP:http://www.j-kirishima.com/
相撲茶屋 寺尾
こちらのオーナーも元力士。人気のあった力士「寺尾」にまつわるちゃんこ鍋屋ということで有名なお店です。両国駅から徒歩3分の場所にあり、外観からして相撲部屋の風情が漂います。カレー味のちゃんこ鍋等、ちょっと変わった味も楽しめるとか。コストパフォーマンスのよさに定評があり、相撲の雰囲気も楽しめる店として人気です。
住所:東京都墨田区両国2-16-5 あづまビル1F
公式:http://www.sumouchaya-terao.jp/
まとめ
相撲界にとって無くてはならない料理、ちゃんこ鍋。日本に来たらぜひ相撲の聖地両国へ足を運び、相撲を観戦した後にちゃんこ鍋を食べに行ってみてください。日本でしか味わえない、特別な体験になること間違いなしです!
日本への訪日外国人の方が、もっと増えますように!