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日本のことば事典「離れ」
「離れ」とは、日本の住宅に存在する建物の一種です。メインの建物に付属する建物のことで、現在は料亭や旅館の個室としても利用されています。現在まで保存されている旧家を見学したり、旅館や料亭に行けば訪日客の方でも離れを体験することができます。日本らしい静かで落ち着いた時間を過ごせる、日本の「離れ」を解説します。
「離れ」って?
「離れ」とは、日本の住宅に建設される建物の一種です。
マンションやアパートなどの集合住宅ではない、いわゆる戸建の住宅の場合、敷地内には複数の建物が立てられる場合があります。そのとき家族が寝起きするメインの家屋のことを、日本では「主屋/母屋(おもや)」と言います。
対して、母屋から離れた位置に建てられた建物のことを「離れ」と呼ぶのです。
一般的に離れは母屋よりも小さく、住宅としての設備も最低限に抑えられていることが多いようです。あくまでも母屋に付属する施設だといえます。
家族が増えて主屋の部屋が足りなくなってしまった時、客人にくつろいで泊まってもらいたい時、アトリエなど趣味のスペースが欲しい時などに「離れ」は建てられます。
離れのある邸宅を見学するなら
しかし現在では離れを持つ住宅はあまりありません。集合住宅に住む人も多いですし、都市部では土地が少ないという問題もあるからです。
もしも日本らしい邸宅を見学してみたいなら、各地に残る旧家の住宅へ足を運んでみるのがよいでしょう。大分県にある旧成清家日出別邸の離れ、愛知県にある旧鈴木家住宅の離れなど、重要文化財にも指定されている住宅や離れが日本全国に残っています。
京都や奈良、または古い家並みやお城などが残っている町には、そのような旧家の住宅が保存されていることが珍しくありません。日本の旧宅を訪れる機会があれば、ぜひ離れもさがしてみてください。
訪日客が「離れ」で過ごすなら
訪日客の方が離れで過ごす機会を得るとすれば、旅館や料亭に行くのがよいでしょう。
日本の旅館や料亭では、メインの建物の他に付属する建物を備えている場合があり、それらの施設のことも「離れ」と呼ぶのです。他のお客を気にせず静かな時間を過ごすなら、旅館や料亭の離れはうってつけの環境です。
たいていは予約が必要だったり、普通の宿・客席よりも利用価格が高かったりするので、事前に調べておくのがオススメです。
離れの宿で特別な時間を過ごそう
離れの宿は1日1組から数組だけが利用できる貴重な空間で、多くの場合は周囲に日本風の庭園も備え付けられています。
少し値は張るかもしれませんが、離れのある宿に泊まる機会があれば、ぜひ予約してみてください。静けさの中で、時間にとらわれず四季折々の自然や日本らしい雰囲気を感じられるでしょう。
日本への訪日外国人の方が、もっと増えますように!