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1度使えば病みつきになる、中村印刷所「水平ノート」と開発の裏側
みなさんはノートをどんなふうに選びますか? 住宅街にある小さな印刷所から発売されたノートは、2016年1月に日本のTwitter上で「使いやすい!」と話題になりました。それが中村印刷所の「水平ノート」です。
2人の"おじいちゃん"によって作られた「水平ノート」
水平ノートを開発した中村社長。
「学生に使いやすいノート」というキーワードで開発するにあたり、「ノートの境目でも書きやすいノートは作れないか」という研究を行いました。
メンバーは中村社長のほかに、製本の専門家”中村おじいちゃん”の2人。専門家の名字が社長と同じ「中村」で、社長よりも年上だったため、”中村おじいちゃん”と呼ばれています。
2年の歳月を経て、中村社長と中村おじいちゃんは「水平ノート」を誕生させたのです。
書きやすくて少し不思議な水平ノート
水平ノートはその名の通り、どのページでも水平に開くことができます。その角度はほかの一般的なノートと比較すると一目瞭然です。
ノートを書くときの煩わしさといえば、装丁の綴じ目に近づくほど書きにくくなってしまうということ。無理して書くと字が汚くなってしまうけれど、使わないともったいない。
水平ノートはそんな煩わしさを解消し、綴じ目でさえも書きやすくなっているのです。
例えばこちらのノート。最初の数ページを開くと、反対側とのページ数差が大きすぎるため、高低差が生まれてしまいます。これを解消するために、ページ数の多いノート右側から下向きの半円を描くようにページをめくると、左右の高低差が埋まり、水平になるというわけです。
また1ページ切り取ってもほかのページが取れることなく、しっかり使える点もノートの魅力のひとつです。
印刷する時は、綴じ目で起こってしまう影が映り込みにくくなっています。これらの魅力から、水平ノートはデザイナーや建築家などの注目を集めました。
しかし、このノートが開発されてすぐに人気が出たわけではありませんでした。