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熊本のソウルフードや洋食も!田崎市場グルメ4選
熊本卸売市場は、それぞれ違った場所で営業していた魚市場と青果市場が移転し、総合卸売市場として、昭和38年~39年に開業しました。現在は熊本県全体で販売されている食べ物の内、総合卸売市場で取り扱われた青果は約60%、水産物は約80%を占めます。熊本市田崎にあることから、くまもと田崎市場の愛称で知られています。市場には熊本県内や九州、さらには国内外の青果や魚介類が並び、競り落としたばかりの食材を購入、食べられる店、食とくらしにまつわるお店がずらりと並びます。
いろは食堂
2020年4月にオープンしたいろは食堂。人気な海鮮丼は平日でも売り切れてしまうことがあるほど盛況です。8時に毎日届く魚を使った朝食やランチを提供しています。日替わりは同じ魚でもバリエーションが出るように少し変わったものを出したり、毎日来てくれた人でも楽しめるよう、少しづつメニューを変えています。
仕入れにもよりますが、海鮮丼には9種類の海鮮が使われています。届いた瞬間目に飛び込んでくる大ぶりのあまえびはまるごと一匹が添えられ、とろりと溢れたみそも臭みがなく、新鮮さが伺えます。小鉢は2つ付いており、ボリュームもありますが、女性でもぺろりと食べられる量です。
この日はあまえび、いくら、まぐろ、かつお、サーモン、たい、たこ、いか、ねぎとろが味わえました。醤油は鹿児島から取り寄せており、九州特有の甘い醤油です。わさびは擦ったものに近い食感、味のものを使用しており、海鮮丼のおいしさの底上げをしています。
海鮮丼以外にも煮付けやそば、うどんなども密かに人気があるそう。市場内の従業員向けの従食を依頼されてからお弁当にも力を入れており、電話予約をすれば一般の方も購入できます。
旬の魚処「魚良」
半世紀以上市場に関わり、目利きが大事な仲卸業を行う丸将水産の猪本さんは、「市場で扱われる新鮮な食材を味わえる店を作りたい」と、旬の魚処「魚良」を10年以上前にオープンしました。当時は市場で働く従業員向けの食堂はあったが、市場に来たお客様が海鮮ががっつり味わえる場所はなかったそう。魚良専用の目利きのプロが、毎日市場で競りで落としてきた新鮮な魚を使っています。「うちの刺身を食べたら他のは食べられなくなる」ほど、刺身は特におすすめのメニューです。
土曜日限定のワンコイン朝食は、5時半から並ぶ人もあるほど大人気。数量限定なので完売になることも多々あります。ディナータイムの営業も行っており、定食のほか、刺身などの一品料理を提供しています。飲むメインではなく、魚を純粋に楽しみたい方が多く、外部からのリピーターが多いそうです。
お得ランチは刺身とメイン一品、小鉢などが付く間違いないメニュー。この日のメインは鯛の煮付けでした。しっとりとした白身に、魚の旨みが詰まっています。切り身も大きく、メインだけで満足できそうなサイズです。
刺身は毎日種類が変わ
ります。イカは透き通っており、マグロは分厚く切られ、鮮度が高いのが見て分かります。丸将水産はマグロ専門で仲卸をしていた実績があり、筋がない柔らかなマグロは感動!リピーターが多いのにも納得の味です。
洋食屋ターレ
市場に集まるのは海鮮だけではありません。田崎市場内のえびす会商店街には屋根があり、歩けば覗いてみたくなる味わい深い店がたくさん。モルタル仕上げのおしゃれな一角に洋食屋ターレはあります。
食材だけでなく道具やパッケージなど、食材に関わるあらゆるものが集まる市場で店を始めたかったと、山本さん。熊本市内にある老舗フレンチのケルンよしもとのオーナーシェフを32年勤め、その時代からのお客様もいらっしゃるそうです。座席数10席の注文から会計まで、山本さんが一人で全てのおもてなしをしています。
ハンバーグのデミグラスソース。ランチメニューには日替わりサラダと、パンかライスが選べます。オープン当初からメニューは変わりませんが、より美味しさを追求し、少しづつ改良しています。デミグラスソースは1週間かけて仕上げられています。フレンチには魚のソースや子羊のソースなど、〇〇のソースがあるのが特徴で、このソースづくりが一番手間がかかり、シェフのこだわりがより反映される部分です。
サラダには、野菜のほかに3品添えられます。この日は市場から直送のサンマを使ったカルパッチョと自家製サラダチキン、ケークサレでした。カルパッチョ、チキン、サラダにはそれぞれのソースがかけられ、よりその食材が引き立てられています。
分厚いハンバーグは、注文を受けてからオーブンでじっくり焼き上げられて提供されます。肉汁が溢れて旨みが出ていかないように、しっかりと肉が旨みを含んでいて、ふわっとよい香りが漂ってきます。
ハンバーグに添えられたマッシュポテトも主役級です。マッシュポテトの上にデミグラスソースがかかっているのは、シェフのおすすめの食べ方が一緒にして食べることだから。デミグラスソース、ハンバーグ、マッシュポテトを一緒に口に頬張ると、全てが合わさってより美味しく感じられます。
店名にもなっているターレとは、市場でよく使われるターレットトラックから来ており、ターレに乗って豚さんがおいしいものを運んでくる様子がショップカードに描かれています。
ちょぼ焼き 末広
ちょぼ焼きは戦後からある熊本の粉もののソウルフードで駄菓子屋などでも販売されていました。末広オーナーの浅井さんも子供のころから食べ、慣れ親しみがある身近なものだったそうです。古くからあった福田流ちょぼ焼きは有名で、その福田流を継ぐ形で末広はオープンしました。現在は浅井さんが改良を加え、独自の味になっています。
ダシがきいた生地を薄く焼き上げるちょぼ焼きですが、焼きあがった生地はもっちもちで不思議な食感です。化学調味料は一切使用しておりません。アレンジで追加できるエビもぷりぷり、麺や野菜も追加すると食べ応えのあるちょぼ焼きになります。
誰もが想像する粉ものとは一風変わっている点は、刻んだタクアンが入っていることと、ソースではなく醤油をたらして焼くことです。どこか懐かしさを感じるような甘さの秘密は、これかもしれません。にんにくパウダーや唐辛子をかけても、雰囲気が変わります。
オーナーの浅井さんの本業は田崎市場ドットコムで、ちょぼ焼き末広の裏手で鮮魚を取り扱っています。いろは食堂さんとも取引があり、事前に電話予約すれば一般のお客様向けに鮮魚の販売も行っています。口コミでじわじわ人気が集まっているようです。ちょぼ焼き末広の隣にあるこども食堂も運営しており、指定の日にはこどもたちにちょぼ焼きが振舞われます。
熊本県は、日本3大名城の一つである熊本城、世界最大級のカルデラを持つ阿蘇山、約300頭のイルカが生息している天草等、歴史と大自然が共存する都市です。日本一有名なご当地キャラくまモンの故郷であり、街のどこかでくまモンに出合えるかもしれないドキドキがあります!また、世界的に有名な漫画ワンピースの作家尾田栄一郎の故郷でもあり、県内各地で麦わらの一味の銅像を見ることもできます。県内各地で取れた新鮮な食材で作る料理とお酒はどれも美味しいです。皆さんの5感を癒してくれる熊本県へ是非遊びに来てください!