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日本のことば事典「山椒」
山椒は、日本の代表的な香辛料のひとつで、独特の爽やかな香りとシャープな辛さが、食欲をそそります。うなぎ料理や焼き鳥など、日本の定番料理を味わうために、山椒は無くてはならない食材。そんな日本の味・山椒についてまとめてみました。
山椒(さんしょう)は、日本の代表的な香辛料のひとつで、さまざまな日本料理に用いられます。独特の爽やかな香りとシャープな辛さが特長で、辛み成分のサンショオール(Sanshool)には健康増進の効能もあるそうです。ただし、刺激が強いので摂りすぎには注意が必要です。
日本では、身体が小さくても気性や能力が秀でていて侮れない人・物を示す「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という表現があります。山椒はそれほど日本人に愛されてきた食品なのです。
そんな日本の味・山椒についてまとめてみました。
山椒ってどんなもの?
山椒は日本や朝鮮半島南部が原産の落葉低木で、日本では栽培されるほか、全国の山野に多く自生しています。食用や香辛料の原料として使われるのは主に葉と実です。
1.生の葉
山椒の葉は、「木の芽(きのめ)」とも呼ばれ、春が旬です。辛みはほとんどありません。形のまま料理に添えて、香りと彩りの美しさを楽しんだり、刻んで味噌に混ぜたりします。
2.実
初夏に収穫する実は直径3~5ミリ程度で美しい黄緑色。舌をしびれさせる強い辛みがあります。昆布などと共に佃煮にしたり、魚などを煮る時に臭み消しのために加えたりします。
3.粉山椒
乾燥させた実を挽いて濃緑~茶色の粉にしたもので、香りも辛さも鮮烈です。料理の仕上げにふりかけたり、塩と混ぜて「山椒塩」にして使うのが一般的です。
山椒がよく使われる料理
Photo by Pixta
まずはうなぎ。うなぎの蒲焼きには粉山椒が欠かせません。鶏肉や卵とも相性が良いので、焼き鳥や親子丼と一緒に粉山椒がでてくることもよくあります。食卓に置いてある小さな器に濃緑~茶色の粉が入っていたら山椒の可能性が高いので使ってみてはいかがでしょう?。ただし粉山椒は風味がとても強いので最初はほんの少しの量で試してくださいね。
タケノコ料理にも山椒はよく使われます。タケノコの煮物には山椒の葉をたっぷり添えますし、山椒の葉を練り込んだ味噌でタケノコを和える「木の芽和え」という料理も春の日本料理の定番です。
また、フタをとった瞬間に山椒の香りが楽しめるように椀ものに山椒の葉を入れたり、生臭さを消すために寿司や魚料理に添えられることもよくあります。
料理の上に小さな緑の葉や実が乗っていたら、それは山椒であることが多いので注目してみてくださいね。
日本みやげにも喜ばれる山椒
このようにいろいろな場面で活躍する山椒ですが、生の葉や実はあまり長期間保存できません。でも粉山椒なら手軽に使えます。
小さな瓶や袋入りで100円程度からと、値段もお手頃。季節を問わずスーパーなどで簡単に手に入ります。また、山椒の実とちりめんじゃこ(小魚を天日干しした食品)を炊き合わせた、京都の名物みやげ「ちりめん山椒」や山椒入り佃煮の真空パックもおみやげによいですね。
山椒は実は西洋料理にもよく合うスパイスです。ステーキソースやドレッシングに加えてみるのもオススメですよ。自分で使うもよし、料理好きな人にプレゼントするのもいいですね。
日本の味・山椒を知って、日本での食事をよりインパクトのあるものにしてくださいね!
日本への訪日外国人の方が、もっと増えますように!