【鹿児島】サンゴ起源の鍾乳洞の島、沖永良部島の観光スポット10選
鹿児島県南西部に浮かぶ・沖永良部島。南国らしい気候はもちろんのこと、サンゴ礁を起源とする石灰岩に覆われた島で、数々の鍾乳洞や、大海原を見渡す絶景などに恵まれています。本記事では、海に溶食された奇景「フーシャ(潮吹き洞窟)」や、昔の人々の暮らしを偲ぶ共同水場、"日本一"の呼び声も高い巨大なガジュマルの木、鹿児島県の名産・黒糖製品の工場など沖永良部島の観光スポットをまとめました。
九州地方の鹿児島県は、種子島や屋久島など、いくつもの離島を持つ県です。鹿児島県の島々にはそれぞれ特徴があるため、ひとつの島だけでなく各島を周遊するのがオススメ。
沖永良部島(おきのえらぶじま)もそんな個性的な島のひとつです。島のほとんどが隆起サンゴ礁を起源とする石灰で覆われている点に特徴があり、島内には鍾乳洞など他の鹿児島の島々にはない見どころが満載。島内に残る名所や遺跡も、そんな沖永良部島の地質や環境に由来するものばかりです。
本記事ではそんな沖永良部島ならではの観光名所を紹介していきます。
1.フーチャ(潮吹き洞窟)
サンゴ礁を起源とする石灰岩で覆われている沖永良部島。島内には溶食されやすい石灰の特徴が現れた、絶景や奇景スポットが点在しています。
こちらのフーシャはその代表で、海岸沿いの断崖が侵食されて出来た潮吹き洞窟です。台風など強い風が吹く場合は、中の潮が20~70mも吹き上げられるのだとか。うねる波が断崖に打ち付けられ、吹き上げられる様子は必見。沖永良部島ならではの奇景です。
なお、足を滑らせると大怪我につながりかねません。慎重に見学してください。
フーチャ
住所:鹿児島県大島郡和泊町国頭
2.ジッキョヌホー
サンゴ礁が隆起してできた沖永良部島では、生活用水の確保が昔から大きな課題でした。貴重な水をわけ合うため、島の人々は水場を共同で利用するなど工夫をこらしてきました。
瀬利覚(せりかく)という集落にある観光スポット「ジッキョヌホー」は、そんな共同水場の代表です。「ジッキョ」とは、瀬利覚の地元での呼び名、そして「ホー」は川の事。瀬利覚の川という意味で「ジッキョヌホー」と呼ばれているのです。
ジッキョヌホーは洗濯や野菜を洗ったりする場所として、地元の人々に共用されてきました。上流は食材などをを洗う場所、下流は洗濯をする場所と決まっていたそうです。
水道がなかった時代、人々はこのような共同水場に集い、炊事や洗濯を行っていました。
ジッキョヌホー
住所:鹿児島県大島郡知名町瀬利覚
3.世之主の墓
15世紀の島の主である「世の主加那志(ヨノヌシガナシ)」のお墓です。日本の他の地域にあるようなお墓ではなく、岩壁を掘って作った墓で歴史上貴重な文化財でもあります。
沖永良部島に住んでいた人のお墓が全てがこのように大きいわけではないので、当時どれだけ権力があり、偉大だったのかが分かるお墓です。
世之主の墓
住所:鹿児島県大島郡和泊町内城808
4.後蘭孫八の城跡
後蘭孫八(ごらんまごはち)は、世之主の四天王(=4人の有力な家臣)の1人で、城を造るのが得意であったと言われてます。
その孫八が今から約600年前に建てたお城の城跡が後蘭孫八の城跡です。無料で入れるので、離島に建っていた城の跡地をじっくり見学してみてください。
今では木の幹や根が岩を覆っており、時の流れの長さを感じさせます。
後蘭孫八の城跡
住所:鹿児島県大島郡和泊町後蘭
5.住吉暗川
住吉集落にある暗川(くらごう)は、ジッキョヌホーと同様に沖永良部島の環境や人々の生活を今に伝えるスポットです。
沖永良部島ならではの人が入り込める鍾乳洞で、洞窟の奥には地下水が流れています。名前の通り暗い場所にある川なので、知らない人は少し怖さを感じるかもしれません。しかし集落の人にとっては大事な水場というだけでなく、楽しい交流の場でもありました。
鹿児島県の天然記念物に指定されています。
住吉暗川
住所:鹿児島県大島郡知名町住吉前間当り
6.田皆岬
田皆(たみな)岬は沖永良部島の北西部にあり、東シナ海に突き出した岬は高さ51mもの断崖絶壁です。この荒々しく崩れた岸壁からも、水に侵食されやすい石灰岩の特徴が見て取れます。
ちなみに崖の見下ろせば海を泳ぐウミガメの姿を目撃できることもあるそうです。なお、訪れる際は足を滑らせたりすることのないよう、十分注意してください。
田皆岬
住所:鹿児島県大島郡知名町田皆
7.昇竜洞
鍾乳洞に恵まれた沖永良部島の中でも、特に規模が大きいことで知られる昇龍洞。県の天然記念物にも指定されている、全長なんと3,500メートルの大鍾乳洞です。その内の600メートルが一般に公開されています。
中でもこちらのフローストーン(流華石)は日本最大級の規模を誇る、ここだけの見どころ。
光に反射する鍾乳石の特性を活かし、洞窟内の一部はこのようにライトアップされています。怪しげで神秘的な洞窟散歩を満喫してみてはいかがでしょう。
昇竜洞
住所:鹿児島県大島郡知名町大字住吉1520
営業時間:09:00〜17:00(最終入洞16:30)
料金:大人・高校生1,100円/小・中学生550円/4~5歳220円
電話番号:0997-93-4536
8.国頭小学校の「日本一のガジュマル」
熱帯植物のガジュマルは、日本では鹿児島県や沖縄県など一部でしか植生していません。沖永良部島に来たら、ぜひ探してみて下さい。
なかでも沖永良部島の和泊(わどまり)町にある国頭(くにがみ)小学校に生えたガジュマルは、"日本一"の呼び声も高い巨大な木。第1回卒業生によって植えられた木で、和泊町の天然記念物にも指定されています。
ただし、普段は地元の小学生が通う普通の小学校です。ガジュマルを見たい場合は職員室などへ行き、先に許可をとってください。
国頭小学校
住所:鹿児島県大島郡和泊町国頭2904
9.まごころ製糖
鹿児島県は、サトウキビやサトウキビを原料とする黒糖の名産地でもあります。こちらの「まごころ製糖」では沖永良部島で栽培・収穫されたサトウキビを使って、サーターアンダーギー(沖縄などで作られる揚げ菓子)や黒糖を作っています。
売店の裏にはサトウキビを絞る機械やサトウキビを運ぶトラクターなどがあり、黒糖作りの様子を窺い知ることができます。
この日はタイミングよく、作りたてのサーターアンダーギーを買って食べることができました。
まごころ製糖
住所:鹿児島県大島郡和泊町後蘭611-1
公式HP:http://www.junkokutou.com/
10.Shimayado當(島宿 あたり)
「Shimayado當(あたり)」は沖永良部島の古民家をリノベーションした宿泊施設。
「とうぐら(台所)」と「うぃや(主屋)」が別棟になっている点が特徴で、沖永良部島の昔ながらの建築様式を守っています。
施設内は木を基調としたぬくもりの感じられる空間でありつつ、窓の大きい開放感を感じられる構造になっています。天井も高く、南国らしい風通しのよい建物です。
また、宿泊施設には珍しく書斎も備え付けられています。書棚には本好きなご主人が収集した、自然科学から文学まであらゆるジャンルの書籍が収められています。
その他、日本らしい和室も用意されています。リノベーション前の状態を保った家庭的な宿泊室です。4畳の和室には昼寝にうってつけのハンモックも。
ハンモックに揺られながら、のんびりとした時間を過ごすのもオススメです。
「うぃや」でいただくメニューの数々も、島の食材を活かしたものがメインになっています。伝統の島料理を中心に、島の食材を使ったメニューがお客をもてなしてくれます。
Shimayado當(島宿 あたり)
住所:鹿児島県大島郡知名町田皆2270
公式HP:http://shimayado-atari.com/
終わりに
沖永良部島は、周囲の島々と同様に温暖な気候・美しい海に恵まれているだけでなく、ここにしかない奇景・絶景、遺構が見られる珍しい島です。島内には本記事で紹介した以外にも、200〜300もの鍾乳洞群が点在しています。
他とは違う離島観光をしたいなら、沖永良部島も旅の候補にいかがでしょう。
沖永良部島基本情報
住所:鹿児島県大島郡和泊町・知名町
アクセス:鹿児島空港から飛行機で1時間10分 沖縄那覇空港を経由して那覇港に移動しフェリーで約7時間。
電話番号:0997-92-0211
公式HP:http://www.okinoerabujima.info/
沖永良部島観光MAP
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