「海の京都」を3日で満喫!天橋立の周辺をめぐるモデルコース
おいしい食と自然が満喫できる「海の京都」。天橋立や伊根の舟屋といった人気スポットのほか、遊覧船やサイクリングが楽しめる京丹後、レストラン列車、古い歴史を誇るちりめん街道など、見どころいっぱいです。2泊3日の旅のモデルコースをご紹介します。
「海の京都」を3日間でめぐるモデルコース
町の人混みの中を歩くよりも、涼しい海風に吹かれたくなったら? 京都の郊外へ目を向けるタイミングでしょう!
電車でもアクセスしやすい京都府北部の海側には、絶景の天橋立や漁村の伊根町など、魅力的なスポットが多くあります。本記事では、「海の京都」を満喫できる3日間の旅のモデルコースをお伝えします。
目次
1日目:天橋立
2日目:伊根町と京丹後市
3日目:レストラン列車・ちりめん街道
1日目:天橋立
Picture courtesy of 海の京都DMO
京都に来たら必ず行きたい名所、天橋立は、宮津湾と阿蘇海(あそかい)を隔てる細長い砂州です。「天にかかる橋」を意味するこの名称は、「かつて神々が天に渡るためのハシゴだった」という言い伝えに由来するのだとか。
京都駅からは、JR特急「はしだて号」で約2時間。9:24発に乗れば、11:30に着きます。降車駅は、終点・天橋立駅。
駅周辺にはコインロッカーもあり、大きな荷物を預けることもできます。
駅からは、天橋立と傘松公園への道のりを案内する標識が出ています。途中には、おみやげ店やカフェ、レストランが並んでいますよ。
午前:天橋立を渡る
全長3.6キロメートルの砂州は、徒歩や自転車(レンタルあり)で渡れます。松の木陰で涼みながら青い海を眺めると、とても気持ちよいですよ。
途中、真水が湧くことで有名な天橋立神社や、ユニークな名前の付いた松、海水浴場もあるので、お見逃しなく。
砂州の向こうには、地元海産物や和食の店が並んでいます。上の写真は「つるや食堂」のメニュー。古代米を使用したうどんやそばの麺は、歯応えがあって喉ごしもよく、出汁ともよく合います。
午後:傘松公園から絶景を眺める
食後は、ケーブルカー乗り場の府中駅に向かいましょう。傘松公園まではケーブルカーで4分、リフトでは6分。展望台からは、砂州や海、周囲の半島が一望できます。
晴れた日は、水面が光を反射し、目を見張るような光景が現れますよ。
ここで来たら、「股のぞき」もお忘れなく。上の写真のように、腰を曲げて股の間からのぞくと、天橋立が「天に昇る龍」に見えるのだとか。ぜひ試してみてください。
夕方:伊根の舟屋に泊まる
天橋立で1日過ごしたら、伊根町に向かいましょう。
天橋立と伊根町を結ぶバスは、1時間に1本運行しています(最終は天橋立駅20:11発)。府中駅からも乗れます(上左の写真参照)。
バスに乗車したら整理券を取って、降車前に料金を支払いましょう(片道400円)。運転手に「伊根町まで行きたい」と伝えておけば、下車するバス停を教えてくれますよ。
伊根町は、舟屋で有名です。舟屋とは、海に面した1Fが漁船の収納場、2Fが居室となっている家屋。江戸時代からあり、今は重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
伊根町では、舟屋で宿泊できます。たとえば、「与謝荘」では、畳間の客室から、舟屋の並ぶ湾を眺めることができます。舟屋での宿泊は人気なので、早めに予約しましょう。
夕食のオススメは寿司割烹の「海宮(わだつみ)」。店内のカウンター席からは伊根湾が一望できます。
冬に取れる名産のブリをはじめ、旬の食材を使った刺身や焼き魚を提供する「海宮」。特に「魚見(いおみ)コース」では、最高の食材がさまざまな調理方法で味わえます(汁物・デザート付き)。そのほか、日本酒と地元のクラフトビールもそろっています。
食後は、宿で休み、明日からの伊根町観光に備えましょう。
2日目:伊根の舟屋と京丹後市
伊根の舟屋には、宿のほか、カフェやレストランに転用されている建物もあります。しかし、町を歩くと、今でも多くの建物に地元の方々が住んでいることが分かります。
朝食後は、船で伊根町観光に出かけましょう。
亀島丸の遊覧時間は30分ほど。船からは、無人島・青島や漁場、舟屋の基礎となる石垣など、陸からでは見えない部分も見えます。
遊覧中、カモメに餌やりもできます。海鳥の群れが頭上を通っても、驚くことなかれ。
伊根町に来たら、有名な古い蔵元、「向井酒造」にも足を運んでみましょう。ここは、著名な女性杜氏、向井久仁子さんが活躍していることでも知られています。
ここで販売されている「伊根満開」は、古代赤米と京都のお米をブレンドして醸造された逸品。ロゼワインのような色で、果実風の甘味があります。
近くの「道の駅 舟屋の里伊根」には、展望台に併設された店もあり、食事しながら絶景を楽しめます。
昼:京丹後市へサイクリングする
伊根町から京丹後市への移動は、e-BIKEががオススメ。
2つの地域を結ぶ道路からは、荒々しくも荘厳な海が見えます。ここは、地元サイクリストに人気のスポット。写真を撮りながら移動しても、片道2時間ほどで行けますよ。e-BIKEのレンタルは、伊根町観光協会まで。
丹後半島にある京丹後市は、山陰海岸ジオパークの一部。昼食は、ぜひこの周辺で取りましょう。
オススメは、「Organic Cafe てんとうむしばたけ」。有機野菜を作る農家が経営しており、農場直送の食材を楽しめます。カレーセットは、ボリュームたっぷりで栄養も満点。ベジタリアンやヴィーガンの方も楽しめます。
宿泊のオススメは、旅館「うまし宿 とト屋」。海の近くにあり、着物体験やおみやげ作りといったワークショップも実施しています。
ここは、心配りのきいた接客が魅力で、中には英・韓・中国語が話せるスタッフも。ベジタリアンやヴィーガン、その他の食事制限にも対応できます(食事制限の種類によって対応できない場合あり。予約時に確認ください)。
このほか、高級感ただよう宿として人気の「炭平(すみへい)」では、有名な地元グルメの間人(たいざ) ガニや、貸切風呂などが楽しめます。
午後:京丹後の海を遊覧する
京丹後市を満喫したい方は、ぜひ遊覧船に乗ってみましょう。海面越しに、古代の火山活動でつくられたジオパークが眺められます。
地元漁師のガイドを受けながら、遊覧船は神秘的な「青の洞窟」へ向かいます。
「人の横顔に見える」と言われる入り口脇の岩を抜けて、船は狭い洞窟へゆっくり入っていきます。
中に入ってから振り向くと、入口には光が溢れ、水が青く鮮やかに光ります。
3日目:ダイニング列車・ちりめん街道
朝起きたら、のんびり散歩しましょう。「うまし宿 とト屋」近くには、自然が生み出した奇岩や古墳があります。
朝食後は、次の目的地へ。ここでは、2つのオプションをご紹介します。
グルメを楽しみたい方は、天橋立駅まで戻ってダイニング列車「丹後くろまつ号」でランチを食べるのがオススメ。
歴史や伝統文化に興味のある方は、高級絹織物の産地だったちりめん街道がオススメです。
オプション1:ダイニング列車に乗る
天橋立駅~西舞鶴駅の間、また天橋立駅~福知山駅の間を結ぶ「丹後くろまつ号」。絶品の料理が楽しめる4つのコースを提供しています。運行は金・土・日・祝日で、ダイヤと季節によって食事内容が変わります(土曜のみ運行のコースあり)。
今回、筆者は天橋立駅12:48発の便で提供される「お伽御膳コース」をいただきました。
地元食材を使った料理が次々に登場する「お伽御膳コース」
「丹後くろまつ号」で過ごす時間は、まるで魔法のよう。シェフが腕をふるった寿司や和牛が舌を楽しませ、アテンダントの行き届いたサービスや車窓からの絶景には、うっとりとした気分にさせられます。
運行会社のWILLER TRAINは、カフェ列車「丹後あかまつ号」や、予約不要の観光列車「丹後あおまつ号」も運行しています。詳しくは公式HPをご覧ください。
オプション2:ちりめん街道を歩く
ちりめん街道は、京丹後市に近い与謝野町にある、歴史的町並みです。
湿度の高いこの土地の気候は織物作りに適しており、奈良時代(710~794年)から絹織物の産地として栄えました。しわになりにくい生地や、色鮮やかなデザインによって、今では世界的に有名です。
ちりめん街道では、多くの建物が大切に保存されています。また、絹織物を作り続けている場所も多く、散策すると機織り機の音が聞えてくるでしょう。
上の写真は、柴田織物の製品。海外でも有名な同社は、ハリウッド映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)の衣装や、世界中の国々を振袖と帯に表現するプロジェクト「IMAGINE ONEWORLD-KIMONO」のアルゼンチンの着物を制作しています。
ちりめん街道へ行くには、まず京都丹後鉄道の網野駅から電車で与謝野駅へ。与謝野駅からタクシー10分ほどで着きますよ。
「とれとれセンター」でおみやげを買う
レストラン列車やちりめん街道の散策が終わったら、最後はお買い物ですね。
西舞鶴駅近くの「とれとれセンター」には、海産物や屋台、お酒、おみやげがそろっています。
椅子やテーブルがある一画もあるので、海鮮丼や串焼きの魚をその場で食べることもできます。
お買い物を楽しんだら、特急「はしだて」で京都駅に戻るか、次の目的地へ向かいましょう。
「海の京都」の魅力を堪能しよう
京都市内の名所を一通りめぐったら、北へ、やすらぎと発見に満ちた旅に出てみてはいかがでしょうか。
ここで紹介したスポットは、京都府北部の魅力のほんの一部に過ぎません。京都府北部の旅行先についてもっと知りたければ、こちらの記事もご覧ください。
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Written by Jasmine O
Sponsored by Kyoto by the Sea DMO, Kyoto Prefecture