「もうひとつの京都」で自然や文化を体験できるオススメの宿8選
京都市の周りには、昔ながらの日本の暮らしに触れられるすばらしいスポットが多くあります。京都府の海沿いや山あいの自然豊かな地にあり、さまざまな文化体験を提供している8つの宿泊施設を紹介します。
自然と伝統文化――「もうひとつの京都」を発見しよう
京都というと、賑やかな京都市がイメージされるかもしれません。でも、その周りにも、美しい自然から生まれた文化や、静かで彩り豊かな人々の暮らしがあります。それは、訪日観光客の皆さんが「日本」について思い浮かべるイメージに近いかもしれません。
本記事では、京都市以外の京都府の地域「もうひとつの京都」のオススメ宿を8つ、紹介します。8つの宿は、京都府の海沿いや山、お茶や竹の名産地の中にあり、見どころたっぷりです。
また、昔ながらの料理を作ったり、伝統工芸を作ったり、茅葺き屋根の古民家に泊まったりすれば、日本の伝統文化への理解が深まるでしょう。
1. WATER FRONT INN 与謝荘――伊根の舟屋で地元の暮らしを経験する
伊根湾に面する伊根町(いねちょう)は、「舟屋」と呼ばれる伝統的建造物が水辺に立ち並んでいます。この舟屋、離れた場所から眺めるだけでなく、泊まることもできるんです。
「WATER FRONT INN 与謝荘」は「舟屋」を改修した宿。地元の暮らしを体験しながらゆっくりしたい方にぴったりです。
客室は全部で8つ。いずれも畳敷きの和室で布団が置かれ、のんびりと過ごせます。海に面した部屋には、バルコニーも付いています。ここからは朝、周りの舟屋から漁に出る人々の姿を見られますよ。
「与謝荘」では地元食材を使った朝食と夕食が楽しめます。伊根町にはレストランが多くないので、ここで食べるのがオススメです。とても人気なので、予約はお早めに。空室状況は公式HPでご確認ください。
2. まるやす――天橋立のそばでグルメを味わう
Picture courtesy of まるやす
グルメを楽しみたい人には「まるやす」がオススメ。日本三景のひとつ、天橋立の周辺を巡る拠点としても便利です。
Picture courtesy of まるやす
客室は、居心地のよい和室。畳と布団で寛ぐことができ、旅の疲れも吹き飛ぶでしょう。
Picture courtesy of まるやす
「まるやす」は海鮮料理で有名です。宿主は酒匠(日本酒ソムリエ)の資格を持ち、食事に合うお酒を選んでくれます。簡単な英語で自分の好みを伝えれば、宿主やスタッフが対応してくれます。
近くには店やカフェが並ぶ商店街があります。宿はテーマパーク「天橋立ビューランド」に近く、天橋立を渡れば絶景・傘松公園にも行けます。
3. グランドーム京都天橋立――京都の海辺で野外に泊まる
Picture courtesy of グランドーム京都天橋立/マリントピアリゾート
野外で楽しみたい方は、「グランドーム京都天橋立」へどうぞ。広々としたテントでの宿泊は、グループや家族旅行にぴったり。天橋立近くの静かな場所で、ラグジュアリーさを味わいながら自然を楽しめます。
Picture courtesy of グランドーム京都天橋立/マリントピアリゾート
一般的な「キャンプ」のイメージと異なり、グランピングドーム(ドーム型のテント)にはソファとベッドが置かれ、朝日や周囲の景観を見渡せる大きな窓があります。野外でのバーベキュー、テント内での食事、どちらも可能です。
各ドームには各種アメニティが用意されており、敷地内の温泉も利用できます(※要予約)。天橋立周辺でのんびり過ごしたい方に最高のスポットです。
4. 里山ゲストハウス「クチュール」――和食を作り、夜のサファリを冒険する
森を散策したり、川沿いの土地でゆっくり過ごしたい方は、綾部市に行ってみましょう。JR綾部駅へは、JR京都駅から特急に乗れば約70分で着きます。
綾部市で特にオススメしたいのは、里山ゲストハウス「クチュール」。「自然に囲まれて暮らしたい」と大阪から移住した夫婦が運営しています。
ここはドミトリー(共同寝室)なら1泊3,000円、一棟借りなら1人当り1泊5,000円で滞在できます。
「クチュール」では、朝食や夕食づくりの手伝いも兼ねて、女将の衣里子(えりこ)さんと一緒に料理を作ることができます。食材はすべて地元農家から仕入れたものだとか。
和食を作ってみたい方には、料理と盛り付けが学べるまたとない機会です。日本の家庭生活の雰囲気も味わうことができます。
「クチュール」では夜のサファリも楽しめます。通訳案内士でもある夫の照幸(てるゆき)さんが運転する車に乗り、森から出てくる動物たちを見ることができるのです。
鹿は、昼も見かけますが、夜になると通りを群れで移動します。取材時は約30分のドライブで何度も鹿を見かけ、車の2~3メートル先をキツネやタヌキが横切ることもありました。
綾部市には、国宝に指定された光明寺二王門や、美肌の湯であるあやべ温泉、シャガの群生地が広がる森林などもあり、数日間ゆっくりするにはもってこいです。
5. 美山町で茅葺き民家に滞在する
日本の重要伝統的建造物群保存地区に選定された南丹市美山町の「かやぶきの里」。ここのひなびた雰囲気に心奪われたなら、泊まりながら地元の生活を体験してみてはいかがでしょうか。
茅葺き民家には築百年を超えるものもありますが、住民の方々は誇りをもってを手入れしており、喜んでその暮らしぶりを話してくれるでしょう。
「かやぶきの里」に滞在するのなら、「民宿またべ」がオススメです。1泊2食付きで、1人当り9,900円。独立した和室が3部屋あり気兼ねなくくつろげるほか、囲炉裏を囲んで宿主とのおしゃべりも楽しめます。
「かやぶきの里」では「民宿久や」もオススメ。食事付き1泊の料金は14,000円前後です(人数により変動)。家族やグループであれば一棟借りも可能。食事では、地元食材を使った手料理がふるまわれますよ。
茅葺き民家を独り占めしたい方は「美山FUTON&Breakfast」へどうぞ。一棟貸しの4つの民家から宿泊先を選べます。英語でのサポートもあります。
6. ロゴスランド――屋内でキャンプする
「ロゴスランド」は、京都府南部の城陽市にある総合アウトドアレジャー施設。キャンプを模した客室に泊まるため、天候に左右されず、初心者でもキャンプが楽しめます。広々とした施設は、子ども連れやグループでの宿泊向き。
ここにはキャンプに必要なものしか置いてありません。Wi-Fiもテレビもなく、キャンプに没頭できます。
宿泊は、「プラムイン城陽」と「アイリスイン城陽」の2つの施設から選べます。「プラムイン」にはテントがあったり2段ベッドがあったりする客室のほか、バリアフリーの特別室があります。
「アイリスイン」には、テントを設置した客室(上の写真)や、タープのある客室などがあります。1Fの各部屋にはテラスが取り付けられています。テントタイプの客室に泊まれば、寝室でキャンプをしたことのある方は、子どもの頃を思い出すかもしれません。電動のキャンプファイアもあり、夜間も楽しめます。
朝食は宿泊費用に含まれています。昼食と夕食は追加料金がかかります。食事制限のある方は事前に伝えておきましょう。
ロゴスは日本のアウトドアブランド。そのデザインと品質の良さで知られています。客室に置かれたキャンプ用具はすべてロゴス製で、気に入った商品があればショップで購入できます。
7. 茶農家民宿 えぬとえぬ――和束町の農家でお茶を楽しむ
「茶農家民宿 えぬとえぬ」は、和束(わづか)町の民家を改修した民宿です。運営しているのは、代々お茶農家を営んできたご家族。
茶摘み体験やお茶を使った手料理は、日本の緑茶文化を学びたい人にとってたまらないでしょう。宿泊は1日1組限定。若女将とそのご家族のおもてなしで、楽しく過ごせること間違いありません。
朝食のお茶粥、抹茶塩と付け合わせの野菜。
宿泊には絶品の朝食と夕食が付きます。若女将たちが育てた茶葉を使った野菜中心の料理は、どれもおいしく、これから旅を始めたり、あるいは観光して疲れた体に元気を取り戻すのにぴったりです。食事制限のある方は、予約時に申し出を。
「えぬとえぬ」では、遮光栽培された碾茶(てんちゃ:抹茶の原料となるお茶)の葉っぱを摘んだり、朝にお茶を点てたりする体験もできます。別料金を支払えば、広大な茶畑で茶摘み体験もできます(※季節限定)。
8. ディスカバー京都長岡京――竹細工に挑戦する
「ディスカバー京都長岡京」は、阪急電鉄の長岡天神駅から徒歩30秒で行けるオシャレなホテル。1Fはダイニングエリアで、地元の人もよく利用するカフェバー「まちバルSUBACO」があります。
ここでは書道や茶道、折り紙といった文化体験も提供しています。
特にユニークなのが、長岡京市の名産である竹を使った竹かご造り体験。竹細工職人の講師から竹の特徴や、なぜ工芸に使われるのか説明を受けた後、竹でかごや指輪を作ります。出来上がった作品は、京都旅行の思い出となるでしょう。
各体験の申し込みはdiscover@irodorifactory.comへメールを。また、詳細は公式HPをご覧ください。
地元の人たちと30分間、英語でおしゃべりできる無料体験もあります。同ホテルを運営している内野夫妻(写真)が、地元の名所などを教えてくれますよ。日本で友人を得たいと思う方は、「ディスカバー京都長岡京」がオススメです。
思い出に残る京都旅行を
日本人の伝統的な暮らしに触れてみたい方は、京都市を飛び出し、伊根町や宮津市、綾部市、美山町、城陽市、和束町、長岡京市に行ってみてください。各地で、日本の伝統文化の源に出会い、驚くことでしょう。
本記事で紹介した施設や体験を参考に、ぜひ思い出に残る京都旅行を楽しんでくださいね。
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