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新しい京都を発見!“海の京都”でやりたい5つのこと
京都の定番観光コースを回り終わったら、ぜひ「海の京都」へ! 京都北部には、絶景スポット・天橋立や、昔ながらの風景が残る伊根など、見所がたくさん。また、和紙づくり体験やちりめん工場見学など、伝統文化も堪能できます。海の京都で体験したい5つのことを厳選しました。
海の京都とは?
みなさんは、京都といえば何を想像しますか。清水寺に金閣寺、それとも伏見稲荷神社や嵐山?
京都の魅力は、定番の観光地だけにとどまりません。今面白いのが、“海の京都”。京都の北部、海に面したエリアが注目されているのです。
このエリアには、日本を代表する絶景・天橋立(あまのはしだて)や、漁師の家が海に並ぶ伊根(いね)、また農家民宿、和紙づくり体験など、ここだけの見所や体験がたくさん! ぜひ、新しい京都の魅力を発見してみてください。
1.天にかかる橋「天橋立」の絶景にため息
まずご紹介するのは、日本を代表する絶景、天橋立(あまのはしだて)。
海の間を結ぶように細い道がつながっており、それが天にかかる橋のように見えたことから、「天橋立」の名がつけられました。
広島の宮島、仙台の松島とともに、「日本三景」(日本でもっとも美しいとされる3つの景色)に選ばれています。
天橋立は北側と南側に展望台があり、写真は北側にある展望公園「傘松(かさまつ)公園」。
展望台では、写真のように股からのぞいてみましょう。天まで橋がかかっているように見えますよ!
傘松公園までは、リフトで上り下りします。下にあるリフトの乗り場付近には、おみやげ店が立ち並んでいます。
オイルサーディンや黒豆を使ったお菓子などが定番のおみやげ。魚の干物は、その場で焼いて食べられますよ。
「京都・大阪から行く絶景スポット。日本三景「天橋立」の楽しみ方」より
時間に余裕がある方は、天橋立を渡ってみましょう! 全長3.6キロメートル、約8,000本の松が並ぶ、さわやかな並木道が続きます。
ゆっくり歩けば、およそ1時間〜1時間半程度のお散歩コース。天橋立の両側にはレンタサイクルもあるので、サイクリングもいいですね。自転車では端から端まで約20分ほどです。
天橋立
住所:傘松公園 京都府宮津市字大垣75 Google Map
アクセス:JR「京都駅」からJR特急「はしだて」(豊岡行き)乗車、「天橋立駅」下車(約2時間5分、4600円)
公式HP:http://www.amanohashidate.jp/spot/
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2.「伊根」で伝統的な漁師生活に出会う
日本の伝統的な暮らしに出会うなら、伊根(いね)に行きましょう。
ここは、海に面して漁師の家“舟屋”が立ち並ぶ町。舟屋とは、文字通り、漁船を収納できる家のことです。
伊根には230軒の舟屋があり、現役の漁師の家はそのうち、30軒。現役の漁師の家は少なくなりましたが、伝統的な景観として保存されています。
波は非常におだやかで、ときおりイルカが迷い込むこともあるそう。
今回は、特別に伊根に住む山田(やまだ)さんのご自宅を見せていただきました。
写真のように、建物の内部まで漁船を入れられるようになっています。
目の前の海では、イワシやアジ、イカ、クロマグロなどさまざまな魚がとれるそう。とれた魚は写真のように舟の横にある網に入れられ、夕食にするのだとか。
「伊根の子どもたちは、小さな頃から海に潜って、とれたサザエやアワビを食べて育つんですよ」(山田さん)。なんともうらやましい!
伊根に住む多くの人々が、家を2つ持っています。食事など日常生活は山側(左)で行い、海側(右)の家は舟のガレージとして、また親戚が来たときなどに“離れ”のように使われます。
町は写真のように散策できますが、今も住民の方が住んでいるので、大きな声などは出さないよう注意しましょう。
オススメは、伊根の海を回る遊覧船。約25分かけて、海から伊根の舟屋を見ることができます。クルーズに付いてくるカモメの餌やりは、至近距離までカモメが飛んできてちょっぴりスリリング。遊覧船は大人680円、子ども340円。毎時0分、30分毎に運航しています。
日帰りでも楽しめますが、せっかくなら舟屋の民宿に泊まってみてはいかがでしょう? 伊根には17軒の民宿があり、宿によっては舟に乗って釣り体験をして、釣った魚を食べるという、とっても贅沢な体験ができます! 詳しくは観光協会のHPをご覧ください。
伊根の舟屋
アクセス:JR「天橋立駅」から丹海(たんかい)バスに乗車、「伊根」停留所下車(約1時間、400円)
公式HP:http://www.ine-kankou.jp/
3.農家民宿で、こだわりの食事を堪能
農家に泊まれる「農家民宿」もオススメ。伝統的な日本の生活にどっぷり浸かりながら、とれたての野菜、新鮮な食材がたっぷり味わえます!
綾部(あやべ)というエリアでは、農家が経営する民宿が14軒あります。今回お邪魔したのは、「ぽかぽかのうえん」。
オーナーの櫛田(くしだ)さんは、もともと東京出身。しかし、農業を志して綾部に移住し、農家をしながら2017年に民宿をはじめました。
夕食は、地元の野菜を使った日替わりメニュー。
この日は綾部でとれた野菜と、兵庫県の鶏を使った鍋でした。味付けは、塩と昆布のみ。シンプルなだけに、野菜と鶏のうまみが引き立ちます。
最後には、鶏と野菜のうまみをたっぷり吸ったスープで作った雑炊。雑炊の上に乗っているのは、櫛田さんが育てたゴマ。
これが、驚くほどおいしい! こんなにゴマは豊かな香りなのか、と気付かされます。1つ1つの食材が、体の中にしみ渡っていくようです。
「自分の家に帰るような気持ちで、何回でも来てください」と笑う櫛田さん。綾部にはほかにもたくさんの農家民泊があるので、「実家」が増えて困ってしまうかもしれません。
ぽかぽかのうえん
住所:京都府綾部市上八田町ヒシロ8 Google Map
アクセス:JR「綾部駅」南口から「あやバス」(西八田線)乗車、「上八田町勢期」(かみやたちょうせいご)下車(約20分、300円)。下車後、徒歩5分。バスは1日4本(7:57 12:57 15:57 18:17)。事前に「ぽかぽかのうえん」に連絡すれば「綾部駅」からの送迎あり。
公式HP:https://pokapokanouen.jimdo.com/
綾部市の農家民宿リスト:https://www.ayabe-kankou.net/hotel/houses.html
4.黒谷和紙を作ってみよう!
Picture courtesy of 黒谷和紙協同組合
私たちの日常生活に欠かせない、紙。京都の黒谷(くろたに)というエリアでは「黒谷和紙」という、伝統技法による和紙が作られています。
黒谷は、家々の間を小さな川が流れる、静かな集落。
周囲を山に囲まれているため日照時間が短く、冬には雪が降り積もります。厳しい寒さと清らかな川の水が、強度の高い高品質の黒谷和紙を生み出します。
川では、女性が作業をしていました。紙の原料となる植物「コウゾ」、その表皮を足で踏んで落としているのです。きれいに表皮を落とすためには、熟練の技術が必要となるそう。
黒谷和紙は、このように、原料の処理から加工まで、すべての作業を手作業で行なっています。
そんな完全手仕事の黒谷和紙づくりを体験できるのが、「黒谷和紙工芸の里」。紙すきのやり方を丁寧に教えてくれます。
色付けやデコレーションをして、自分だけのオリジナル和紙が作れますよ! 紙すき体験料は1,000円、月~金曜日。
黒谷の集落
住所:バス停「黒谷和紙会館前」 Google Map
アクセス:JR「綾部駅」南口から「あやバス」(黒谷線)乗車、「黒谷和紙会館前」下車(約30分、400円)、徒歩3分
公式HP:https://kurotaniwashi.kyoto/
黒谷和紙工芸の里
住所:京都府綾部市十倉名畑町欠戸31 Google Map
アクセス:JR「綾部駅」南口から「あやバス」(上林線)乗車、「十倉」下車(約20分、300円)、徒歩1分
5.美の極致!「丹後ちりめん」に触れる
ちりめんとは、着物などに使う絹織物のこと。京都北部・丹後(たんご)エリアで作られる「丹後ちりめん」は、柔らかい手触り、豊かな風合いが特徴で、極めて高い品質を誇ります。
皇后陛下が着物の帯として使用したり、世界的ブランドの商品にも使われるなど、注目を集めています。
ちりめんの特徴は、布の表面にある小さな凹凸。
この凹凸があることでシワができにくく、柔らかな見た目となります。写真は白地ですが、染めれば豊かで深みのある色合いが生まれます。
タテ糸とヨコ糸を機械によって織り込む 取材協力:田勇機業株式会社
凸凹ができる理由は、その製造工程にあります。
ねじりを加えたヨコ糸とまっすぐのタテ糸を交互に織り込み、出来上がった生地を洗うことで、糸が収縮します。そうして、独特のでこぼこした表面が生まれるのです。
田勇機業(たゆうきぎょう)の売店
着物は非常に高価ですが、雑貨店などでは丹後ちりめんを使ったリーズナブルな小物も販売されています。
丹後ちりめんの製造現場を見てみたい方は、田勇機業のHPから見学(無料)を申し込むことができます。日本語での案内となりますが、迫力あるはた織り機など、間近でちりめんが作られる様子が見られますよ。
丹後ちりめんの主な産地の1つが、与謝野町(よさのちょう)。与謝野町の「ちりめん街道」には、丹後ちりめんで栄えた江戸時代から昭和当時の雰囲気がしのばれる、歴史的な建物が集まっています。
中でも、尾藤(びとう)家では内部も見学可能(写真右上、左上)。時代とともに丹後ちりめんの製造業者は少なくなりましたが、今もちりめん街道を歩けば、はた織り機の音が聞こえてきますよ。
田勇機業
住所:京都府京丹後市網野町浅茂川112 Google Map
アクセス:京都丹後鉄道「網野駅」下車、タクシーで約5分
公式HP:http://www.tayuh.jp/
見学申し込みフォーム(日本語のみ) http://www.tayuh.jp/inspection/form.html
ちりめん街道 旧尾藤家住宅
住所:京都府与謝郡与謝野町加悦1085 Google Map
アクセス:京都丹後鉄道「与謝野駅」から「丹海バス」乗車、「ちりめん街道」下車(約20分、200円)、徒歩5分
公式HP:ちりめん街道 http://www.uminokyoto.jp/course/detail.php?cid=27
海の京都を楽しみ尽くそう
京都らしいイメージもありながら、絶景スポットや伝統文化に触れられる体験など、さまざまな切り口で楽しめる“海の京都”エリア。
ぜひもう1つの京都を探しに、遊びに来てみてください!
In cooperation with ぽかぽかのうえん、黒谷和紙工芸の里、田勇機業、旧尾藤家住宅、海の京都DMO、株式会社ENGAWA
MATCHA Editer.