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広島駅から1時間!シャワークライミングの名所・湯来町の5つの楽しみ方
厳島神社や原爆ドーム、平和記念資料館などで知られる広島。広島市の中心部からアクセスしやすい湯来町は、これらとの周遊にぴったりの自然体験スポットです。古民家宿泊やシャワークライミングといったアクティビティ、鮎やこんにゃくといった山ならではのグルメが楽しめます。
広島からの小旅行にぴったりの湯来町とは?
主要観光スポットが集まる湯来町の多田地区
湯来町(ゆきちょう)は、JR広島駅から車で40分〜1時間ほどで行ける、山間の美しい町。かつては広島の大名が休養に訪れる温泉地でしたが、現在は、広島市民に人気の小旅行先となっています。
湯来町のシンボルとなっているのが水内川(みのちがわ)。上流にダムや堰がつくられなかったことから、昔からの自然が残っています。清流としても名高く、鮎などのグルメや、川を生かしたアクティビティが楽しめます。
湯来町の5つの楽しみ方
こんな湯来町の楽しみ方を、5つの観点から紹介します。
※新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、体験プログラムは1回1組限定となっています。詳細は申込時にご確認ください。
1.シャワークライミング
ウェットスーツやライフジャケットを着用し、渓谷を下流から上流に進んでいくシャワークライミング。4月下旬〜10月中旬に楽しめますが、特に夏は涼しく、水がとても気持ちよいです。
コースには、2時間程度で楽しめる初級コース、奥のエリアまで半日かけて探検する中級コースの2つがあります。
初級コースでは、まず流れがゆっくりしたところで体を慣らします。そこから、徐々に流れが速い場所を進んでいきます。
途中、ウォータースライダーしたり、滝を駆け上ったり、あるいは岸辺から川にダイビングしたりと、スリリングな場面もたくさん。
こうした中で、友人や恋人、家族などの、いつもとは違う表情が見られることも。非日常の体験ができるシャワークライミングは、お互いの仲を深めるにもぴったりのアクティビティです。
もっとも、ダイビングなどは、苦手な場合はしなくても大丈夫なので安心してくださいね。
シャワークライミングの予約は湯来観光地域づくり公社のHPから。英語も対応可能です。
2.こんにゃく作り体験
低カロリーでグルテンフリーであることから、近年は欧米などでも注目されているこんにゃく。原料のこんにゃく芋が山間での栽培に向いているため、湯来町では昔から盛んに作られてきました。
湯来交流体験センターでは、こんにゃく作りが体験できます。地元出身の女性たちが講師を務めるので、体験中は地元ならではのウンチクも教えてもらえますよ。
湯来町のこんにゃく作り体験には、ユニークな特徴があります。
湯来町は、世界最大の両生類であるオオサンショウウオの生息地です。そして、オオサンショウウオとこんにゃくは、色合いが似ています。
それに気付いた湯来町の高校生たちが、オオサンショウウオの形をしたこんにゃく商品を開発したところ、「キモかわいい」とTwitterで18万「いいね」がついたとか。
体験では、湯来町の名物である、このオオサンショウウオ型こんにゃくも作ることができるのです。予約は湯来交流体験センターのHPまで。
3.グルメ
豊かな自然に囲まれた湯来町では、さまざまなグルメも楽しめます。
その1つが「清流の女王」と呼ばれる鮎。上品な香りと繊細な味わいが人気の川魚です。
湯来町の水内川で取れる鮎は、日本の鮎の味比べコンテスト「清流めぐり利き鮎会」で何度も準グランプリを獲得した名物。
町内ではさまざまな場所で鮎が食べられますが、オススメは古民家レストラン「もみじ」。伝統的な古民家の中で食べる鮎の塩焼きは、絶品の一言です。
湯来町に来たら見逃せないのが「久保アグリファーム」。オシャレなジェラートやソフトクリーム、牛の餌やり体験などが楽しめ、カップルや子ども連れ夫婦なども多く訪れます。
「久保アグリファーム」は、牧草づくりや低温殺菌などへのこだわりが生み出した濃厚な牛乳が特徴で、広島では「サゴタニ牛乳」ブランドとしても知られています。
もちろん、こんにゃくを使った料理も楽しめます。例えば、湯来交流体験センターの隣にある「ゆき乃庵」では、こんにゃくを使った山賊焼き(串焼き)、こんにゃくラーメンなどが人気です。
こんにゃくは、湯来交流体験センター近くの「湯来特産品市場館」でも購入できます。オススメは「子持ちこんにゃく」。これは、ししゃもの卵が入ったこんにゃくです。
このほか、湯来町はキャビアの親魚であるチョウザメの養殖が盛んであり、チョウザメに関連するグルメも楽しめます。
4.古民家宿泊
湯来町には、100年以上の歴史のある古民家が複数残っています。「奥湯来田舎体験ハウス」を通して、これらの古民家に宿泊することができます。
古民家では、囲炉裏で鮎を焼いたり、かまど(日本の古民家にある調理設備)でご飯を炊いたり、五右衛門風呂(日本の伝統的なお風呂)に入ったりできます。
夏はすぐに予約がいっぱいになってしまうそうです。泊まりたい方は早めに予約しましょう。
5.リアルかかしの里山
湯来町の多田地区を歩いていると、あちこちでユニークなかかしを見かけます。その数、160体以上。
もともとは、同地区の住民のご夫婦が、亡くなったお父さんを偲んで、故人の衣装を着せたかかしを作ったのが始まりだったとか。
かかしはその後も増え続け、今では「リアルかかしの里山」と呼ばれるようになったこの地区に、多くの観光客が訪れるようになりました。
かかしには、日本の有名人や偉人もいれば、仲の良さそうな家族の姿も。見ていて幸せな気分になれそうですね。
人生を変える体験を
湯来町は、もともと静かな温泉街でした。こうした中、シャワークライミングをはじめとする体験プログラムをつくってきたのが、湯来観光地域づくり公社の理事長、佐藤亮太さんです。
佐藤さんは、福島県で働いていた2011年、東日本大震災に被災。都市のライフラインが止まるのを目の当たりにしたことから、食べ物などを自給する生活に関心を持ち、2014年、湯来町に移住しました。
佐藤さんには、忘れられない思い出があります。2016年にドイツ人の青年を農業体験で4カ月間受け入れたときのこと。
彼はもともとエンジニア志望でした。しかし、農業や林業、そして自然とともに暮らす湯来町の人々の生活を味わった後、「エンジニアは辞め、猟師を目指そうかと思います」と言うように。実際に今、ドイツで猟師をしているそうです。
「自然体験には人生を変える力がある」と気付いた佐藤さん。「自然を通して、訪れた人がより良い人生を歩む手助けがしたい。そんな思いで、今は観光に取り組んでいます」。
佐藤さんは現在、湯来町のさまざまな体験を一度に味わえるツアーの造成にも取り組んでいるということです。今後が楽しみですね。
湯来町へのアクセス
湯来町に行くのにもっとも便利なのは車です。JR広島駅周辺には多くのレンタカーショップがあります。レンタカーについては、MATCHA記事を参照ください。
公共交通機関の場合、JR五日市駅から広電バス「湯来ロッジ前」行に乗り、約70分です。バスは1時間に1本程度出ています。
平日は、湯来交流体験センターの隣にある「広島市国民宿舎 湯来ロッジ」とJR広島駅北口とを往復する無料シャトルバスも活用できます。
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温泉も楽しんで
湯来町には、今でもすばらしい温泉があります。気軽に温泉を楽しみたいなら、オススメは広島市国民宿舎 湯来ロッジ。源泉かけ流しの温泉が楽しめるほか、宿泊もできます。
このほか、露天風呂が楽しめる誠の桧湯(まさのひのきゆ)、古い温泉宿の河鹿荘(かじかそう)、森井旅館もあります。
魅力いっぱいの湯来町。ぜひあなたも行ってみてくださいね!
なお、広島観光の際は、以下のMATCHA記事や、各種のサービスを参照ください。
― KLOOKで電車のチケットやアクティビティを検索・購入する
― Voyaginで電車のチケットやアクティビティを検索・購入する
―高速バスドットコムまたはWiller Expressで広島への高速バスを検索・予約する
―Skyscannerで広島への飛行機を検索・予約する
― Booking.comで宿泊地を検索・予約する
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In cooperation with NPO法人湯来観光地域づくり公社
企業のIR/CSR分野のPR、国際協力分野の情報誌編集を経て、2017年10月にMATCHAに参加しました。2019年4月から香川県三豊市に移住。訪日観光客向けの記事を書くほか、地域おこしにも携わっています。
インターネットサービスやレンタカー、ホテルなどのほか、また西日本の観光スポットの記事を主に担当しています。