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富士山から30分!ワインに果物、温泉も楽しめる笛吹市のオススメスポットは?
東京からアクセスしやすく、富士山にも近い山梨県の笛吹市。モモやブドウといったフルーツが有名で、温泉でゆっくりしたい人にもぴったりです。ワインの試飲や果物狩り、料理ワークショップなど、笛吹市でのオススメのアクティビティやスポットを紹介します。
おいしいワインとモモ、温泉が楽しめる笛吹市
富士山があり、東京からのアクセスもよい山梨県 。首都圏の人たちの、人気のお出かけスポットです。
中でも笛吹市は、絶品のモモとブドウの産地で、上質なワインが楽しめます。寒い季節には、温泉もオススメ。
本記事では、魅力いっぱいの笛吹市でぜひ行ってほしいスポットを紹介します。
都心から電車で約90分
東京から行く場合は、新宿から特急かいじや特急あずさ に乗りましょう。笛吹市の石和(いさわ)温泉駅 まで乗り換えなしで行けますよ。料金は片道3,890円、所要時間は1時間30分ほど。なお、富士山のふもとからは、車で30分ほどで市内に入ることができます。
到着したら、 石和温泉駅観光案内所でレンタサイクルを申し込むとよいでしょう。近隣には、レンタカーショップもあります。バスもありますが、本数は限られています。
石和温泉駅観光案内所では、笛吹産ワインを試飲できます。車を運転しない方は、さっそく試してみてくださいね!
1. マルサマルシェ―モモやブドウ、地元の料理を楽しむ
「マルサマルシェ」スタッフと。右は筆者
日本のモモは大きくてみずみずしく、おいしいことで知られています。実はこの日本のモモ、多くは笛吹産なのだとか。
笛吹市では、6月〜10月ごろに新鮮なモモが楽しめます。
新鮮なモモや、モモにまつわるアクティビティを楽しみたい人に行ってほしいのが、「マルサマルシェ」 。
「マルサマルシェ」ではまず、モモ狩りが体験できます。
モモは、取ってすぐ食べるのには適しません。固めの桃を取って、熟すまで数日寝かせてから食べるのがよいそうです。
モモは熟すのを待ってそのまま食べてもおいしいですが、取りたてのモモをコンポートにもできます。「マルサマルシェ」では、自分の取ったモモで、コンポートを作る体験ができます。
さらに、モモの木からお箸を作る木工体験も! これは、ある程度形作られた箸を、さらに自分で形を整えて磨き上げていくものです。
「マルサマルシェ」にはブドウ園もあり、モモ・ブドウの旬が重なる時期には、2種類のフルーツを同時に味わえます。生でも、デザートとしてでもOK。ブドウの旬は、8月〜10月です。
「マルサマルシェ」は、カフェも充実しています。おいしい手作り料理は、地元の人にも大人気。旬の間は、モモのピザ(上の写真)といった、モモやブドウを使った料理が楽しめます。
Pictures courtesy of Fuefuki Tourism Organization
「マルサマルシェ」では、山梨名物のほうとうとラーメンを組み合わせた「ラーほー」も見逃せません。味噌ベースのスープに、新鮮な地場野菜がたくさんトッピングされています。
「ラーほー」は山梨でしか食べられず、店ごとに独自の工夫がなされています。山梨に来たら、ぜひお試しあれ。
2. ルミエール―山梨のおいしいワインを味わう
Pictures courtesy of Lumiere
山梨県は、日本有数のワインの産地。笛吹市にも、さまざまなワイナリーのブドウ園があります。
中でも有名なのが、130年の歴史を誇る「ルミエール」 。ここには、日本のワイン醸造の歴史が分かる展示があります。
「ルミエール」には、有形文化財に登録された、石造りの石蔵発酵槽があります。これで仕込みを行っている唯一のワインが、石蔵和飲(いしぐらわいん)。 マスカット・ベイリーAを使用した赤ワインです。
驚くほどすっきりしたドライタイプで、夏でもおいしく味わえますよ。
「ルミエール」では、たくさんの種類のワインを醸造しており、一部は店内で試飲できます。
たとえば、山梨でもっとも有名な甲州ワイン。主に甲府盆地で栽培される白ブドウ品種が使われており、軽やかな香りと絶妙なバランスの甘さが特徴です。
ブドウ自体はピンクがかっていますが、そこからできるのが白ワインになるのは不思議ですね。
「ルミエール」で特にユニークなのが、 にごりワインです。「にごり酒」とは通常、あらごしをした日本酒を指す言葉。このワインは、にごり酒と同じような白っぽい色合いで、口当たりも似ています。
「ルミエール」のワインは、すべて日本国内からオンラインショップで購入できます。一度飲んでみると、他の種類もきっと試してみたくなるでしょう。
3. 江戸屋商店―名物のほうとうを作ってみる
ほうとう は、山梨名物の麺料理。うどんよりもっと幅広の麺で、一般的に味噌ベースの汁で煮込みます。
ほうとうの歴史と作り方を、体を動かしながら楽しく学べる「踊るほうとう学校」を開催しているのが「江戸屋商店」。講師は女将さんとその娘さんで、1時間コース、2時間コース、3時間コースから選ぶことができます。対象年齢はありません。
ほうとうには、地元の新鮮な野菜をたっぷり入れます。野菜の種類は、季節によって変わります。
「踊るほうとう学校」では、ほうとう麺をまず作り、それから調理します。麺は、持ち帰りも可能。
家でほうとう麺をもう一度作ってみたければ、お店で専用の粉と、地元産の味噌も購入できます。
「江戸屋」では、手作りの ごまどうふも大人気。濃厚で香ばしいごまの味がたまりません。複数の種類の詰め合わせセットもあるほか、オンラインでも注文できます。
4. 桔梗屋本社―信玄餅の工場を訪ねる
信玄餅 は、山梨県の定番のおみやげのひとつ。香ばしいきな粉がかかったお餅に、黒蜜をかけて食べます。
笛吹市には、おみやげ用の信玄餅のトップメーカー、「桔梗屋(ききょうや)」 の工場があります。
工場は見学可能で、220円で信玄餅の 詰め放題 が楽しめます。袋に入るのは通常は10個程度ですが、上手な人は 22個も詰めこむのだとか。
家族や友達とやれば楽しいですし、何よりお得に信玄餅を買うことができます。
工場の敷地内には、桔梗屋のアウトレット品や、地元の農家などの商品を扱うショップも。山梨限定の信玄餅味のキットカットなど、信玄餅をモチーフにしたお菓子もたくさんあります。
5. 釈迦堂遺跡博物館―縄文時代へタイムトラベルする
笛吹市には、今から10,000年以上前の文化だといわれる縄文時代の遺跡がたくさんあります。
当時の遺跡を見ることができるのが、「釈迦堂パーキングエリア」すぐそばの「釈迦堂遺跡博物館」です。
「釈迦堂遺跡博物館」では、英語を含む多言語音声ガイドがあり、訪日観光客も安心。
縄文時代の人々は、必要な道具の多くを粘土で作っていました。中でも印象的なのは、土偶でしょう。シンプルなものから、手の込んだものまで、さまざまな形状があります。
土偶は、妊婦をかたどったものが多いのだとか。当時は、幼児の生存率が高くありませんでした。妊婦の像は、母子の健康を祈るために作られたのではないかと言われています。
「釈迦堂遺跡博物館」では、土偶を作るワークショップも開催されています。基本の型から、自分だけのオリジナルの像を造っていきます。
6. 大蔵経寺―日本庭園と仏画を鑑賞する
芸術鑑賞に興味のある方にオススメなのが、「大蔵経寺」 。ここには、絵のように美しい日本庭園があります。
さらに、日本有数の仏画のコレクションも誇る「大蔵経寺」。中には、観世音菩薩や獅子などを描いた美しい作品が展示されています。これらは、アジア各国から贈られたものだとか。
7. 木創りの宿 きこり―地元料理と天然温泉を楽しむ
笛吹市は、天然温泉でも有名です。宿泊するなら、石和温泉周辺の旅館がよいでしょう。
筆者がオススメしたいのは、「木創りの宿 きこり」。石和温泉駅から、無料シャトルバスでわずか7分です。
「きこり」という名前の通り、館内は木のぬくもりであふれ、畳が敷かれた客室からは、美しい庭が見えます。
露天風呂や大浴場があるのはもちろん、内風呂がある部屋もそろっています。
「きこり」では、朝食・夕食ともに伝統的な和食を楽しめます。料理は、季節の食材で美しく盛り付けられています。
茅葺屋根の古民家などの見どころも
笛吹市には、このほかにも多くの見どころがあります。
例えば、笛吹市北部にある芦川町(あしがわちょう)。築百数十年になる茅葺屋根の古民家があり、地元で採れた農作物を使った料理が楽しめます。ここにいると、まるで時間の流れが少し遅くなるよう。
このほか、天気がよければ富士山が見えるスポットもあります。新鮮なフルーツを食べて、ワインを味わっていたら、あっという間に1日が過ぎてしまうことでしょう。
Main image courtesy of Fuefuki Tourism Organization
In cooperation with Fuefuki Tourism Organization
ドイツ・ベルリン生まれ、2008年より東京在住。ドイツ語と英語のネイティブ。
3匹のネコの母。好きなものは、90年代のロック音楽、ボクシング、歴史、チョコレートや甘いもの、ピスタチオ味のなんでも、ネコ、コウモリ、龍、吸血鬼、そして全てのキモカワイイもの。
好きな作家はアン・ライス。好きなバンドはLUNA SEA。
オススメの映画はデヴィッド・ボウイと坂本龍一出演の『戦場のクリスマス』。