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自然豊かな京都・神護寺。かわらけ投げと京都名物の美食
四季折々の自然が美しい、京都・高雄。山あいに点在する風光明媚な寺院には、季節を問わず各地から観光客が訪れます。今回は高雄にある名寺・神護寺で、一風変わった厄除「かわらけ投げ」を体験しました。
京都・神護寺の歴史・アクセス
高雄山の中腹に建つ真言宗の古刹「神護寺(じんごじ)」がある高雄(たかお)は、京都市街から北西に位置するのどかな山岳地域。
その高雄にある神護寺は、時をさかのぼること西暦781年、平城京の造営に功績を残した和気清麻呂(わけのきよまろ)が建立した「神願寺」と「高雄山寺」が合併されて誕生しました。
日本の仏教発展に大きく貢献した弘法大師(こうぼうだいし)・空海(くうかい)が、唐の留学から帰国した後14年間住んでいた寺院としても知られ、現在まで多くの人が参拝に訪れています。
紅葉の名所として名高く、川床や茶屋の賑わいが楽しめるでしょう。
アクセス方法
①神護寺の境内まではJR京都駅からJRバス「高雄・京北線」に乗り、直通で約1時間の「山城高雄」バス停で下車、徒歩20分
②阪急京都線「烏丸駅」・地下鉄烏丸線「四条駅」にて市バス8号系統に乗り約45分、「高雄」バス停下車、徒歩約20分
神護寺
〒616-8292
京都府京都市右京区梅ケ畑高雄町5
http://www.jingoji.or.jp/
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まずは京都の奥座敷・川床でのんびり昼食
バスを降り、舗装された山道をくだって約10分ほどで清滝川のほとりに出ます。
紅葉が美しい11月ごろには、下流に川床(かわどこ)(※1)が出現。川床を営む高雄観光ホテルによると、冬は寒さが厳しく、春〜夏にかけては天候の影響で川が増水することがあるため、天気の安定する11月にしか川床が出せないのだそうです。
一段高い座敷席はほかの季節でも楽しめるとのことなので、安心してくださいね。神護寺に向かう前に、筆者は川床で食事をいただくことにしました。
京都の名物である湯豆腐(※2)や湯葉(※3)がお重に入って出てきました。川を間近に目にもおいしい食事を楽しめますよ!
※1:川床……川沿いに作られる食事スペース。川を眺めながら食事を楽しむことができる。
※2:湯豆腐……豆腐を出汁で煮込んだ料理のこと。
※3:湯葉……豆腐を熱したときに表面にできる薄皮のこと。吸い物の具材としてや、単品で醤油をかけて食べられる。
厳しい道のりを超えた先にある境内
腹ごしらえをすませたところで、すぐ脇の神護寺参道を登って境内へ。
勾配が厳しい参道は、山歩きに慣れていないと、きつく感じるかもしれません。スニーカー、トレッキングシューズが必須です。
女性は間違ってもハイヒールなどは履いて行かないようにしてくださいね。歩きやすい服装や靴がオススメです。
Photo by Karin
果てしなく続くように思える参道も、登り切ればあっという間。境内にはたどり着きましたが、山寺の神護寺は金堂までさらに階段を登ることになります。
しかし金堂に到着して、荘厳な佇まいの金堂や国宝の美しい薬師如来立像(やくしにょらいりゅうぞう)を前にすれば、山歩きの疲労感はもちろん、日ごろの疲れも吹き飛んでしまうほどの圧巻です。この達成感が神護寺参拝の醍醐味といえるでしょう。
神護寺名物の厄除かわらけ投げ
さて神護寺でのお楽しみは、その立地を活かした厄除「かわらけ投げ」。参拝客を楽しませるちょっとしたアトラクションになっています。
かわらけとは、素焼きの土器のこと。
厄除の願いをかけ、3枚のかわらけ(200円)を順番に谷底に向かって飛ばします。
かわらけ投げの起源は戦国時代。武将が出陣する際、必勝祈願で盃(※4)を地面に投げつけていたことから始まり、江戸時代には庶民の間で祝い事や祭礼の際に行われるようになりました。
高台にある寺院を中心に全国各地で体験できますが、京都の神護寺が発祥の地とされています。
※4:盃(さかずき)……日本酒を飲むときに使う、日本酒の味や香を楽しむための器。
上手に遠くまで飛ばすのは、力の加減が難しいですが、成功するとなんだか気持ちがスッキリ。複数人で挑戦すれば盛り上がること間違いなしです。
京都の奥座敷・緑美しく落ち着いた高雄
次の京都観光では、喧騒が遠く落ち着いた雰囲気が魅力の高雄にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
道のりはときに険しくもありますが、到達した達成感はほかに代えられません。豊かな自然、美しい文化財、そしておいしい食事にきっと旅の満足度も上がるはずです。
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Photo by Karin