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創建80年、日本初のイスラム寺院「神戸ムスリムモスク」を訪ねる
国内有数の国際貿易港として、さまざまな文化が混在する港町、神戸。実は、日本で初めて「ムスリムモスク」が創建された場所であることを、皆さんご存知でしょうか。今日は、長い歴史と文化を築いた「神戸ムスリムモスク」の魅力をご紹介します。
国内有数の国際貿易港として、さまざまな文化が混在する港町「神戸」。神戸が日本で初めて「ムスリムモスク」の創建された場所であることは、あまり知られていません。今日は、長い歴史と文化を築いた「神戸ムスリムモスク」をご紹介します。
神戸ムスリムモスクの歴史
神戸ムスリムモスクは、近隣に住むインド系・タタール系・トルコ系のムスリムの方々から集まった寄付により、1935年に日本初のモスクとして創建されました。
その後、モスクは太平洋戦争時の空襲や1995年に起きた大地震(阪神大震災)にも耐え抜きました。創建当時の建物が、現在まで残っています。
こちらはモスクの玄関脇に飾られている写真。神戸が空襲に遭った後の、1945年6月の様子です。
「美しすぎる」と評判のモスク! その内部は?
神戸市中央区北野の地で今なお美しいたたずまいをみせている神戸ムスリムモスク。モスク上部右側のバルコニーを擁する塔は「ミナレット」と呼ばれ、礼拝時刻を告知するほかに、モスクの外観を飾る役目もあります。上部左側には「ドーム」と呼ばれる部分も見えます。
モスクでは1日5回の礼拝が催されます。普段のお祈りには10人から20人、金曜日昼の礼拝になると、150人から200人もの方々が参加されるそうです。京都や大阪にムスリムの礼拝施設ができるまでは、関西一円から信者の方が礼拝に訪れていたのだとか。
シャンデリアが煌めく礼拝室
礼拝室の内部に入ると、豪華なシャンデリアと美しいカーペット、そして黄色で統一されたシンプルなステンドグラスが目に入ってきます。
偶像崇拝を禁じているイスラムの教えに基づき、幾何学模様の装飾でまとめられた厳かな雰囲気には、だれしも息を飲むことでしょう。
旅行中のムスリムの方が礼拝に参加することも可能です。お祈りに使う清潔なカーペットも準備されていますが、大勢で訪れるときは事前に電話で連絡なさることをオススメします。モスクは、日本にお住まいのムスリムの方が結婚式などの行事で利用されることもあるそうです。
モスク内の図書館
モスク内には小さな図書館が設けられており、アラビア語で書かれた書籍が並んでいます。蔵書の中にはイスラムに関する日本語の本もあります。
モスクの見学方法について
もちろん、ムスリムでない方も内部を見学することは可能です。少人数(2~3名まで)であれば事前予約なしでも大丈夫。建物の左手奥にある玄関から入って、カウンターで見学希望とお伝えください。
人数が多いときはあらかじめ電話で予約してください(078-231-6060)。リクエストがあれば日本語の説明をしていただくこともできます。ただし、人数にかかわらず、金曜日の朝から13:30までは見学をすることができません。見学時間は季節により少し変わることもありますので、ホームページもしくは電話で時間を確認してからお越しください。
また、ホームページの注意書きにあるとおり、短パンや短いスカート、肌を露出した服装はお控えください。女性の方は、必ずしも長いストール(髪を覆うため)の着用が求められるわけではありませんが、もし準備できるのであれば着用をおすすめします。
海外からおいでになるムスリムの方にとっては日本でのお祈りの場所として、日本の方にとっては遠い国へ旅行せずともイスラムの文化に少し触れることができる場所として、神戸ムスリムモスクをお訪ねになってみてはいかがでしょうか。
Information
神戸ムスリムモスク
住所:兵庫県神戸市中央区中山手通2-25-14
開館時間:10:00-17:00(季節により少し異なる)
休日:なし
Wi-Fi環境:-
クレジットカードの有無と種類:-
言語対応レベル:日・英
他言語メニューの有無:-
最寄り駅:JR・阪急・阪神・市営地下鉄 三宮駅
アクセス:三宮駅から山手側に出て徒歩約10分。
価格帯:-
宗教情報:イスラム教
電話番号:078-231-6060
公式HP:神戸ムスリムモスク
※本記事は2015年10月27日に公開した情報を加筆修正したものです。
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日本文化、特に絵画や工芸品が好き。福岡、京都、大阪、ベルギー、アメリカを経て現在は神戸在住。座右の銘は「住めば都」。