大阪から90分!魅力的な穴場スポットが多い「赤穂市」の見どころ
大阪から簡単にアクセスできる赤穂市は、関西の穴場スポット。忠臣蔵(赤穂浪士)に関する名所やグルメ、温泉などが楽しめます。今回は、どこか懐かしい海辺の町で私たちが巡ったすばらしい見どころや絶景、体験やグルメを紹介します。
大阪からの日帰り旅にぴったり!海の絶景が広がる赤穂市
赤穂市は、大阪から電車で約1時間30分で行ける、アクセスのよい場所にあります。
しかし、赤穂に来たら、大都市からはるか遠くに来たような、あるいは違う時代に入り込んでしまったような、不思議な気持ちになるでしょう。
広い瀬戸内海と豊かな森に囲まれた赤穂市は、美しい景観と独自の文化、そしておいしいグルメが育まれてきました。レトロな通りや歴史的な建築を巡っていたら、まるで自分が絵の中に入り込んでしまったような気分になるかもしれません。
私たちは今回、関西の兵庫県にあるこの隠れ家のような町の魅力を探しに行きました。そして、日本屈指の素晴らしい海の絶景と体験に出会いました。
瀬戸内海の絶景を楽しむのに最高のスポット
赤穂で最大の魅力のひとつは、瀬戸内海の絶景でしょう。
美しい海、独自の文化、アートで有名な直島などがある瀬戸内海は、文化・自然の両面で驚くほど魅力的な場所です。
きらめく海と多くの小さな島々が絶景を生み出しており、その静ひつな美しさを楽しむため、日本国内外から多くの旅行者が訪れます。
私たちは今回、特に美しい景色を楽しめる3つのスポットを訪れました。
1. 伊和都比売神社
赤穂の中でも、特に瀬戸内海の絶景を楽しめる場所のひとつは、伊和都比売神社(いわつひめじんじゃ)です。海と深い繋がりを持つこの聖地は、豊漁や航海の安全を祈願する船乗りや漁師たちに昔から参拝されてきました。
伊和都比売神社には、海を一望するような巨大な鳥居が立っています。この鳥居によってフレーミングされた海の風景は実に美しく、雰囲気たっぷりの写真を撮るのにぴったりです。
遠くには、瀬戸内海で特に人気の島のひとつ・小豆島も見ることもできます。
伊和都比売神社は、「赤穂御崎(あこうみさき)」という美しいエリアの中にあります。ここから少し歩くと、「たたみ岩」と呼ばれる、干潮時に砂の道で陸地と繋がる美しい岩があります。この砂の道は、満潮時には消えてしまいます。
2.壱枚乃絵 海辺のテラスカフェ
赤穂滞在中、私たちは市内で特に人気のカフェ「壱枚乃絵 海辺のテラスカフェ」に立ち寄りました。ここは、素晴らしい海の絶景が見える、絶好の撮影スポット。
このカフェで瀬戸内海を眺めていると、平和な島のリゾートへ逃れてきたような気分になります。
カフェには、床から天井までをつなぐ大きな窓があり、室内から海の素晴らしい景観を楽しめます。
さらにオープンテラスからは、水平線をのぞむ絶景が広がっています。朝の太陽にきらめく海は本当に魅惑的で、写真家にとっては夢のような場所でしょう。
もっとも、このカフェの魅力は、海の絶景だけではありません。私たちは、見栄えも素敵なデザートも楽しみました!
苺クリームトーストは、写真映えするだけでなく、ジューシーな苺とホイップクリーム、焼きたてのふわふわのパンが本当に絶品でした。プリンはとてもクリーミーで、キャラメルのわずかな苦味と絶妙な甘さが見事にマッチしています。
このカフェでは、おいしい焙煎コーヒーと、午後にはインスタ映えするパンケーキも提供しています。
3.大避神社
広大な坂越(さこし)湾を見下ろす丘の中腹に佇む「大避神社(おおさけじんじゃ)」は、ストーリー性あふれる神社です。
この神社の創建時期は定かではありませんが、1182年当時にはすでに有力な神社であったといわれています。現在の本殿には、精巧に描かれた絵馬が並んでいます。その中には、江戸時代に描かれた貴重な絵馬も現存しています。
この神社の入口から見る海の景観は、今回、私たちが旅する中で見たうち、もっとも印象的な景色のひとつでした。
古い門が遠くの海を縁取り、まるで絵画、いや別世界・別の時代への入口であるかのようでした。
丘の上にあるこの神社からは、坂越湾と、風光明媚な生島(いきしま)の絶景も楽しめます。生島は、エメラルド色に輝く湾に浮かぶ、森に覆われた小さな島です。
赤穂名物・塩の歴史と製造方法を知る
塩は、日本の文化や料理の伝統において、大きな役割を果たしてきました。その一方で、日本には岩塩があまり存在しないことから、伝統的に海水から塩を生成してきました。
赤穂は、古くから日本の塩生産の中心地で、高度な技術を用いながら瀬戸内海の海水から優れた品質の塩を作ってきました。
赤穂と塩の歴史をより深く理解するため、私たちは今回、赤穂海浜公園内にある「赤穂市立海洋科学館・塩の国」を訪れました。
赤穂では、塩づくりの塩田にさまざまな革新的な技術を採用してきました。「塩の国」は、そうした塩田を復元した場所です。ここには、塩づくりに使われていた木造りの建物も再現されており、私たちは、昔の塩づくりがどれほどの規模で行われてきたのかを知ることができます。
赤穂は現在でも日本全体の塩生産の約5分の1を担っており、その塩の高品質で穏やかな旨味は、今日でも高く評価されています。
赤穂で塩作り体験をしてみよう!
「塩の国」では、塩づくり体験が毎日開催されています。赤穂の塩づくりの工程について知るため、私たちもこれに参加しました。
伝統的な塩作りの工程では、まず海水を丁寧に土鍋で熱し、一定の時間、かき混ぜ続けます。高品質な塩をできるだけたくさん得るためです。
インストラクターはフレンドリーでウィットに富み、塩製造の歴史を面白く語ってくれたほか、塩を作る方法をわかりやすく説明してくれました。
私は料理が苦手ですが、おかげでちゃんとついていけました。そして、きめ細かい質感の塩を作ることができました。
赤穂海浜公園の中には、意外なものも発見しました。それは、広い子どもの遊び場の中にある、巨大な海賊の難破船のレプリカです。
そびえ立つマスト、よじ登るための綱、模擬大砲までを備えた、驚くほど精巧なガレー船は、想像上の世界への素晴らしい入り口となるでしょう。こんなユニークなものがある町で育つ子どもたちが、なんだかうらやましくなりました。
赤穂の素晴らしい食文化
穏やかな気候、山々と瀬戸内海に囲まれた赤穂は、おいしい食材や海産物がたくさんあります。今回、私たちは赤穂のローカルグルメを楽しめる2つの場所を訪れました。
1.海の駅 しおさい市場
赤穂で特に有名な特産品のひとつは、間違いなくカキです。坂越湾で獲れるカキは特に肉厚で、また、地域の立地・気候条件が良いため、1年中獲ることができます。
赤穂に到着した朝、私たちはまず「海の駅 しおさい市場」を訪れました。ここでは、瀬戸内海の絶景と一緒に、水揚げされたばかりのカキの新鮮で繊細な味わいを楽しめます。さわやかな海風と潮の香りに包まれながら、私たちは日本最高峰の海産物の一部を味わうことができました。
日本では、「食べ放題」というスタイルが人気ですが、新鮮なカキに関して、食べ放題を経験するのは初めてでした!
私たちは、新鮮なカキをたっぷりとバケツに入れて、テーブルのグリルで調理を楽しみました。
カキの独特の食感に慣れていない方も、心配する必要はありません!
「海の駅 しおさい市場」では、カキフライをはじめ、バラエティに富んだメニューが提供されています。カキフライにソースがかかった具だくさんのご飯料理もあります。この料理は、普段貝類をあまり食べない人にも食べやすいですよ。
この場所にいるとき、水揚げされたばかりのカキを運ぶ漁船を見ました。豊かな海産物をもたらしてくれる赤穂の海で、漁業関係者がどんな大変な作業をしているか、その一端を垣間見ることができました。
2.まるおファーム
海の次は、農園に移動しました。ここで食べたのは、海産物とは全く異なるものですが、とてもおいしかったです!
「まるおファーム」は、イチゴの品質の高さに定評のある農園です。早くこのイチゴを食べてほしいと、スタッフの方々は、私たちを熱烈に歓迎してくれました。
広々とした温室に入ると、目の前に整然と並ぶイチゴの列に感動しました。それから、私たちはイチゴの食べ放題を体験しました!
「まるおファーム」のイチゴは、大きくジューシーで、甘さと酸味のバランスが絶妙でした。
イチゴ狩りをしている間、蜂がブンブン飛ぶ音が聞こえていました。そう、ここのイチゴは、オーガニックな手法で栽培されているのです。
農薬といった化学物質も可能な限り減らすことで、「まるおファーム」は、おいしいだけでなく健康にもいいフルーツを提供しているのです。
赤穂の歴史を知るのにぴったりの3つのスポット!
赤穂は小さな町ですが、日本の歴史に重要な役割を果たしてきており、特に江戸時代は、重要な藩のひとつでした。また、日本で最もよく知られた話のひとつ「赤穂浪士」(忠臣蔵)の物語の起源でもあります。
「浪士」あるいは「浪人」とは、主君を持たない武士のことです。「浪士」は、日本の昔の文学やメディアに頻出する象徴的な存在でした。
「忠臣蔵」とは、赤穂藩主・浅野長矩(あさの ながのり)、あるいは浅野内匠頭(あさのたくみのかみ))に仕えた47人の侍たちが、主君の仇を討つために団結し戦う物語です。
「忠臣蔵」はその後、文学や演劇の題材となり、長く語り継がれてきました。こういった話は、伝説になるほど装飾が増えるものですが、「忠臣蔵」は実際の歴史的出来事をもとにしています。
私たちは今回、赤穂において、「忠臣蔵」にまつわる3つの史跡を巡りました。
1. 赤穂城跡
聖地巡礼の最初の訪問先は、47士たちの主君がかつて治めていた赤穂城跡でした。今は城の一部しか復元されていないものの、今でもワクワクするような雰囲気を感じ取ることができます。
この城を見ると、敵の攻撃を防ぐことを重視する構造となっていることが分かります。複数の門や堀によって守られており、実際に攻められても突破は難しかったでしょう。
展望台から壮大な景色を眺めながら、赤穂城が最盛期、どれほどすばらしかったか、想像がわきあがってくるようでした。
2. 大石神社
赤穂の伝説を巡る次の訪問先は、大石神社(おおいしじんじゃ)です。
大石神社の入口には、47士を象った石像が立っています。その列の間を通ると、不思議な雰囲気が漂っているような気がしました。歴史の残響は、今も残っているのです。
大石神社には毎年、多くの人が訪れます。参拝者たちは、主君のために命を捧げた男たちに敬意を表しつつ、自らの人生の目標達成を祈願するのです。
しかし、私たちが訪れた日は静かでした。静けさの中で、神社の厳かな雰囲気を深く感じることができました。
3.花岳寺
最後に訪れたのは、「忠臣蔵」に深い関わりがある花岳寺(かがくじ)です。1645年に建てられた花岳寺は、赤穂浪士47人の墓がある場所として有名で、この聖地巡礼の最後の訪問先にふさわしい場所でした。
私たちはまず、お寺そのものの美しい建築に感動しましたが、それに加え、伝説的な侍たちの墓を実際に見ることができることに驚きました。
ここでは、本堂の天井に描かれた虎の絵も印象的でした。一筆一筆、とても繊細なタッチで描かれ、力強い虎の姿を細部まで緻密に表現しています。
赤穂のオススメの宿泊スポット!温泉旅館で忘れられない思い出をつくろう
赤穂というすばらしい町を存分に楽しみたい人は、市内の伝統的な温泉旅館に泊まるのがよいでしょう。オススメの旅館2つを紹介します。
1.銀波荘
Picture courtesy of 銀波荘
銀波荘(ぎんぱそう)は、和風の装飾と海の絶景で宿泊者を魅了する温泉旅館です。露天風呂からは瀬戸内海を一望できます。特に露天風呂からの夕日は見事です。
Picture courtesy of 銀波荘
施設内のレストランでは、新鮮な地元の海鮮を使った料理が提供されており、海の景色と一緒に楽しむことができます。
2.赤穂温泉 祥吉
Picture courtesy of 赤穂温泉 祥吉
もうひとつのオススメの宿泊施設、赤穂温泉 祥吉(しょうきち)では、露天風呂から瀬戸内海の壮大な景色を楽しめます。貸切利用できる露天風呂もあります。
Picture courtesy of 赤穂温泉 祥吉
新鮮な地元産の野菜や海鮮を使った極上の懐石料理も、この旅館の魅力のひとつ。
客室は、日本と西洋のデザイン要素を組み合わせ、海の素晴らしい景色を提供しています。
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赤穂市へのアクセス
大阪から赤穂に行く場合、まず大阪駅からJR神戸線で姫路駅に向かいましょう。
姫路駅でJR東海山陽本線に乗り換えれば、直通列車で赤穂市の播州赤穂駅にアクセスできます。所要時間は2時間未満で、片道2,310円です(時間帯によっては、相生駅でJR赤穂線に乗り換える必要があります)。
市内の移動に便利なのは、播州赤穂駅でレンタルできる自転車です。駅内の観光協会が管理しており、1日500円(17:00までに返却必要)で利用できます。
私は今回、駅内の観光協会で少し買い物をしたのですが、そこで働く人々に魅了されました。
そう、本記事で十分に書けてなかったのですが、赤穂の人々の温かさとユーモアは、本当に素晴らしいです。この旅の間、彼らは、私たちがまるで自分の家にいるような気分にさせてくれました。彼ら自身がこの町の宝物といっても過言ではないでしょう。
なお、赤穂駅では、「塩味(しおみ)まんじゅう」をぜひ買っていってください。この伝統的な赤穂のお菓子は、本当においしいですよ!
都会を離れたくなったら赤穂へ
赤穂は、多くの魅力にあふれています。息をのむような絶景、絶品の地元料理、魅力的な歴史、田舎町の景観、そして、温かい人々です。
関西を旅するなら、赤穂に行くのは、絶対オススメです。これほど大都市に近いにも関わらず、赤穂には伝統的な雰囲気があり、少し都市を離れたくなった時に行くのにぴったりです。
赤穂で過ごした時間は、私たちにとって、忘れられないものとなりました! 機会があれば、赤穂の暖かさ、美しさ、そしてユニークさをぜひ体験しに西に行ってみてください。
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