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日本で天ぷらを楽しむために知っておきたい、天ぷらの種類・食べ方・お店まとめ
日本料理の代表、天ぷら。寿司、そばとともに、江戸の三大料理と言われています。そんな天ぷらの種類、お店、食べ方などをまとめました。
天ぷらの基本情報
和食の定番料理のひとつが、天ぷら。
さまざまな食材に小麦粉を水で溶いたものをからめて、油で揚げた料理です。
15世紀頃、ポルトガルから鉄砲やキリスト教とともに揚げ物料理が伝わったことで、誕生したと言われています。
伝わった当初は油が高級な時代だったため、高級料理として認識されていました。しかし、江戸時代に入り、油の生産が増え、庶民の味として親しまれるように。近年では「江戸の三味」として、寿司とそばとともに、東京(江戸)の郷土料理のひとつにもなっています。地域によって具材や料理法が違い、食べ方も様々です。また天ぷらを使ったレシピは各家庭やお店でも年々増えており、色んな具材の天ぷら、新しい食べ方を楽しめる親しみのある家庭料理のひとつでもあります。
目次:
1.天ぷらのレシピ
2.天ぷらの種類
3.変わった天ぷら
4.天ぷらの食べ方
5.天ぷらが食べられるお店
天ぷらのレシピ
天ぷらの作り方は難しくはありません。
ボウルに卵と小麦粉(天ぷら粉)、水を混ぜ合わせ「衣(ころも)」を作り、衣に野菜、お魚を中心に様々な素材に絡めて食用油で揚げます。
油の適温は180℃。目安として衣を落としてみて、少し沈んで浮き上がってきたころが一番良い状態です。油に入れた時に跳ねないようにするために、具材の水気はしっかりと取りましょう。その後、薄力粉を軽く具材にまぶして、衣にサッとつけ、適温になった油に静かに入れます。揚げ時間は約50秒。衣がしっかりと固まっているのを確認したら、しっかり油を切って器にもれば出来上がりです。
〜天ぷらの種類〜
海老の天ぷら
「天ぷらと言ったらこれ!」と言っても過言でもないほど定番の具材で「海老天(えびてん)」とも呼ばれています。
海老のプリプリさと衣のサクッとした食感も楽しめる人気の一品。海老天はそのまま食べても、色々な料理と合わせて食べても美味しく、バリエーションはたくさんあります。うどんやそば、丼、お寿司、おにぎりなど、色々な料理、そしてレシピとして最も展開されているのが海老の天ぷらではないでしょうか。
野菜の天ぷら
野菜もまた天ぷら料理には欠かせない素材です。定番がこちら。
・なす
ジューシーで食べ応えがあります。
・れんこん
野菜の旨味だけでなく歯ごたえも楽しんで。
・さつまいも
ほんのり甘く、女性に人気です。
・かぼちゃ
こちらも素材の甘みが楽しめます。
・にんじん
細切りにしたものをかためて揚げられたものが多いです。
・オクラ
たまに見かける具材です。
・シソの葉
シソの風味が楽しめます。
・いんげん
あきのこない味です。
等です。その他、季節の旬な野菜も天ぷらにします。例えば、春には蕗の薹(ふきのとう)や、さやえんどうなんかも天ぷらにして楽しみます。山菜(さんさい)と呼ばれる素材も天ぷらにすることが多く、季節を楽しむ日本人らしいと食文化言えますね。
鶏肉の天ぷら
鶏肉のてんぷらは「とり天」や「かしわ天」と呼ばれています。鶏肉の揚げ物といえば「から揚げ」を想像すると思いますが、実は天ぷらにしてもすごく美味しいのです。鶏肉の天ぷらの調理法は他の具材と違って下ごしらえ(調理する前の準備)の方法も違います。また食べる時はポン酢やオリジナルのタレなど、鶏肉の天ぷらならではの味付けで食べられたりしています。
魚の天ぷら
魚の天ぷらは主に、白身魚が使われることが多く、中でも「あなごの天ぷら」が一番定番です。こちらも鶏肉同様、骨の処理など、下ごしらえや調理法は少し難しく、お店で食べることが多いです。
いかの天ぷら
魚介類の定番としてもうひとつあるのが「いかの天ぷら」です。歯ごたえのある「いか」は天ぷら料理の中でも人気の高い具材です。もちろんいか以外にも「たこ」などを天ぷらにして食べることも多くあります。
きのこの天ぷら
こちらも季節を楽しむ天ぷら素材のひとつ。定番としては「椎茸(しいたけ)」や「舞茸(まいたけ)」などです。きのこの天ぷらは天つゆではなく塩につけて食べるほう美味しいという人も。衣のサクサク感ときのこの食感も同時に楽しめる天ぷらです。
かきあげ
「かきあげ」は天ぷらと呼び名は違いますが、天ぷらの一種です。上記で述べたような野菜や魚介類を細かく切り、それらを合わせて衣につけて揚げます。またかきあげは、天ぷらのようにそのまま食べるよりも、うどんやそば、丼として載せたり、添えたりして食べることが多いです。
〜変わった天ぷら〜
アイスクリームの天ぷら
衣をつけて揚げるだけの調理法としては簡単な天ぷらは、色々な素材を使って変わった天ぷらがたくさん登場しています。中でも「アイスクリームの天ぷら」は日本人もびっくりする変わった天ぷらです。
もちろんスイーツとして楽しまれていますが、外は熱々のサクサク、中は冷たいアイスクリームの天ぷら。デザートとして出しているお店もありますし、家庭でも一度は試してみたくなる変わった天ぷらではないでしょうか。
もずくの天ぷら
またその他にも、沖縄では定番の「もずくの天ぷら」も地方ならではの変わった天ぷらです。もずくとは海藻の一種です。一般的にはお味噌汁に入れたり、酢醤油で食べたりします。
紅葉の天ぷら
こちらもまたびっくりな天ぷらです。なんと紅葉(もみじ)を天ぷらに!こちらは大阪の箕面市の名物で、紅葉が美しい秋には観光客で賑います。名前の通り、もみじの葉を天ぷらとして揚げているものですが、きちんと食用としてもみじの葉を育て、塩漬けするなど、手間暇かけた逸品だそうです。紅葉のきれいな季節に合わせて「紅葉の天ぷら」を食べに行ってみてもいるのもいいですね。
天ぷらのお寿司・おにぎりも
こちらは天ぷらを使った応用編となるメニューです。
今や海外や世界中で人気のお寿司にも天ぷらは使われています。回転ずしに行けば定番メニューとなっているところも多いのが「海老天」のお寿司です。ネタとして握られていたり、巻きずしの具材として使われています。
また、お寿司だけではなく「天むす」としておにぎりの具材として使われることもあります。「天むす」は名古屋の名物ですが、最近は全国のおにぎり屋さんでもよく見かけますし、ときにはコンビニでも販売されています。
天丼というどんぶりごはんに天ぷらとタレを乗せた料理も定番で、天ぷらはお米との相性がいいんです。
シンプルだけど素材や具材によって色々と楽しめる天ぷら。これからも新しい天ぷらレシピがどんどんと誕生するのではないでしょうか。
天ぷらの食べ方
天ぷらを食べる際は「天つゆ」という「つけ汁」につけて食べるのが一般的です。
天つゆは、だし汁、醤油、みりんなどを煮立てて作られたもの。天つゆには大根おろし(大根をすりおろしてペースト状にしたもの)やショウガのすりおろしたものを入れたりします。
また、天つゆ以外にも素材によっては「塩」や、抹茶と塩を合わせた「抹茶塩」なども用いられます。具材だけではなく、つける調味料によって違う味が楽しめるのが天ぷらです。
また、天ぷらをご飯の上にのせ、タレをかけた料理「天丼」も日本人には人気の定番メニュー。
それ以外の天ぷらの食べ方として、うどんやそばにのせたりします。「海老天」をはじめ「かきあげ」も定番のトッピングで、うどんやそばに載せて食べます。載せる以外にも定食として、セットとしても提供されています。
「天ぷらそば」や「天ぷらうどん」は、おそばやさんやうどんやさんには必ずといっていいほど用意があるメニューなので、気になる方はぜひ試してみてください。
天ぷらの正しい食べ方は「今さら聞けない「天ぷらの食べ方」について」の記事をご覧ください。
天ぷらの価格
天ぷらは比較的リーズナブルに食べられます。お蕎麦屋さんやうどん屋さんでは、天ぷらは1つからトッピングできます。1つあたり100円〜200前後です。
また、天ぷらの定食やごはんの上に天ぷらとタレが載った「天丼」の多くは600円〜1,000円前後、少々値がはるお店でも2,000円以内で食べられるとことがほとんどでしょう。
天ぷらが食べられるお店
天ぷらは高級料理や会席料理としても出されますが、各家庭でも楽しめる庶民的な料理でもあります。そのため高級日本料理店からチェーン店のようなファミレスや居酒屋、和食レストランなど幅広く天ぷら料理は提供されています。
メニューも天ぷら定食や天丼等が定番。その中でも天ぷら専門店で食べるのがやはり本物の天ぷらを味わえるとしておすすめです。少し高級なお店から、手頃な価格で食べられるお店まであるので、予算やシュチュエーションにあわせて選んでみてください。
・天丼てんや
全国に展開する天丼のチェーン店です。リーズナブルに天ぷらの美味しさを楽しめます。気軽に利用してみてください。
住所(上野店):東京都台東区上野6-13-5 小埜ビル
TEL(上野店):03-5807-8422
公式HP:http://www.tenya.co.jp/english/
・銀座ハゲ天
銀座、新宿などのほか、関東を中心に展開する天ぷら専門店。天ぷらを含むコース料理も楽しめます。も落ち着いた雰囲気の店内でゆっくり過ごせます。
住所(銀座本店):中央区銀座3-4-6
TEL(銀座本店):03-3561-1668
公式HP:https://www.hageten.com/english/
・大黒屋天麩羅
浅草にある天丼の老舗店。大きな海老が4本も乗った天丼が看板メニューです。
住所(大黒屋本店):東京都台東区浅草1-38-10
TEL(大黒屋本店):03-3844-1111、03-3844-2222
公式HP:http://www.tempura.co.jp/access.html
・天ぷら新宿つな八
新宿、札幌、仙台、富山、名古屋、京都、大阪、福岡と全国に31店舗を展開する、90年以上の歴史のあるお店です。
住所:新宿区新宿3-31-8TEL:03-3352-1012
公式HP:http://www.tunahachi.co.jp/index.html
シンプルながら実は奥が深い天ぷら料理だけに、ぜひ専門店で味わってみてください。
photos by PIXTA
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