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日本のことば事典「日本庭園」
木々や池、その他の植物を配置し、様々な自然を表現する日本の庭園。その魅力と基礎情報、日本ならではの枯山水庭園、初めて日本庭園に触れる方にオススメの名園を紹介します。
日本庭園とは?
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日本は、国土の約7割が山間部であると言われる自然豊かな国です。
その自然の風景を日本独自の伝統的な手法で再現し、和風庭園に仕上げたのが日本庭園です。 四季折々、移りゆく風景を凝縮させた庭園の姿は、眺める者に、穏やかさや大らかさを、そして厳しさ、やさしさを感じさせてくれます。
自然を再現し、四季を通して楽しめる庭園
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日本庭園の構成は、池を中心に周囲の土地を起伏させて築山を作り、庭石を置き、四季の草木を配し、一年を通じて観賞できるようになされるのが一般的です。また、山から滝が流れ落ちる様子を模すほか、大きな石を立てるなど自然を表す工夫がされています。また灯籠や東屋、茶室なども置かれます。
砂と石で雄大な自然を表現する枯山水
枯山水は、水を用いずに砂と石と木のみで山水の風景を表す庭園形式です。白砂や小さな石で水模様を描いて水の流れを表します。自然を簡素化し凝縮させてみせる枯山水は、禅の思想との結びつきが深く、禅寺で多く見られます。京都にある西芳寺や大徳寺、龍安寺などが有名です。
枯山水については、『日本のことば事典「枯山水」』をご覧ください。
日本三大名園のご紹介
「最初はどの庭園を見に行けばいいの?」
そんな方はまず、「三大名園」を訪れてみましょう。日本でも有数の名園ですので、初めての方でも日本庭園の魅力を十分に感じることができます。
1.兼六園(石川県)
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石川県金沢市にある兼六園(けんろくえん)。11.7haの広さを持つ、国の特別名勝です。17世紀半ばに金沢城外郭に造営された庭を基とする池泉回遊式庭園で、冬の時期、雪の重みで樹々の枝が折れないように円錐形に縄で備える雪吊りは、金沢の冬の風物詩と言われています。
住所:石川県金沢市丸の内1番1号
公式HP:http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/
2.後楽園(岡山県)
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岡山県岡山市にある後楽園は、岡山城や周りの山々を借景(しゃっけい:庭園の眺めに庭園外の景色を利用すること)とした池泉回遊式庭園で、客をもてなすために造られた延養亭(えんようてい)を中心としています。
園内には他にも、庭園を眺めるのに適した建物が点在しています。特に廉池軒(れんちけん)から見る池の眺めは見事であるとされています。
住所:岡山市北区後楽園1-5
公式HP:http://okayama-korakuen.jp/
3.偕楽園(茨城県)
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偕楽園(かいらくえん)は、茨城県水戸市にある広さ約13haの庭園です。造園されたのは1842年のこと。
偕楽園という名前は「一緒に楽しむ庭園」という意味で、当地の領主であり、偕楽園を造営した徳川斉昭の「領民と偕(とも)に楽しむ場にしたい」という願いが込められています。
春には桜、初夏には深紅のキリヤマツツジ、夏には杉林や孟宗竹の緑が鮮やかです。また秋には萩や紅葉が見られ、冬は100種3000本といわれる梅の名所として知られています。
住所:茨城県水戸市常磐町1-3-3
公式HP:http://www.koen.pref.ibaraki.jp/park/kairakuen01.html
近年注目の足立美術館とは?
島根県安来市にある足立美術館は、1970年に地元出身の実業家・足立全康(ぜんこう)氏が開館しました。
横山大観を中心とした近代日本画が展示される美術館である一方、有名なのが16ヘクタールに及ぶ広大な日本庭園です。
「庭園もまた一幅の絵画である」という足立氏の信念の下、日々の手入れなど行き届いた維持管理がなされており、メディアで紹介されることも多々あります。日本各地からの、また海外からの訪問客が、増加の一途をたどっている人気の場所です。
住所:島根県安来市古川町320
公式HP:https://www.adachi-museum.or.jp/
日本に来たら時間を忘れて過ごせる日本庭園へ
日本をお訪ねの節にはぜひ、日本庭園をゆっくり散策してみてください。枯山水のお庭をじっと眺めてみてください。きっとあなたの心に残るひとときとなることでしょう。
日本の庭園に興味があるかたは、「【絶景】一度は見たい訪日旅行者にオススメの日本庭園5選」の記事もぜひご覧ください。
日本への訪日外国人の方が、もっと増えますように!