聖地巡りに出かけよう!人気漫画・アニメ作品の舞台となった埼玉の見どころ8選
最近の漫画やアニメ作品の舞台にもなった埼玉県の街―秩父、川越や久喜―に、定番の観光スポット以外、特にアニメファンに注目されるスポットがあります。今回は、聖地巡りで訪れることができる埼玉県のスポット8選を紹介します。
風情のある街並みや自然スポットが多くある埼玉県。東京からの日帰り旅にも最適な地域です。
芝桜の丘やあしがくぼの氷柱などで有名な秩父市周辺、江戸時代の雰囲気が残る川越市、大宮盆栽村のあるさいたま市など、一度は訪れてみたい見どころにあふれています。
秩父の芝桜の丘
埼玉県は近年人気アニメの舞台としても知られるようになりました。秩父の様々な場所が登場する『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない(通称:『あの花』)』や『心が叫びたがってるんだ。』、川越を舞台とするアニメシリーズ『神様はじめました』、そして久喜の鷲宮神社をモデルに描かれた神社が登場する『らき☆すた』は海外のファンも多く、聖地巡りに日本旅行に来る方が増えています。
今回、アニメの舞台となったスポットを中心に、観光と物語の世界を行き来しながら埼玉の街の知られざる一面をご紹介します。
心のドラマが展開する秩父市(『あの花』『心が叫びたがってるんだ。』)
秩父市は、都内の池袋駅から西武鉄道の特急電車で約80分でアクセスできます。街の観光スポットやアニメの舞台となった場所を快適に周りたい方には、西武秩父駅前に拠点する秩父観光協会のレンタサイクルサービスをオススメします。最短2時間(300円)から1日(1,000円)まで自転車を借りることで、市内の見どころを便利に回れます。
1.羊山公園
西武秩父駅を出て東へ向かうと、秩父市の端っこにある小高い丘の上に広がる羊山公園にたどり着きます。毎年4月下旬から5月上旬まで全国から注目を集める芝桜の丘はこの公園内にあります。
西武秩父駅方面からこの丘へ向かうと、羊山のふもとにある「牧水の滝」が最初に目に入ります。旅を愛していた大正時代の歌人・若山牧水は、この場所が好きで、いくつもの歌をここでよんだといいます。
牧水の滝の横にある階段は、アニメ『心が叫びたがってるんだ。』のファンならば見覚えがあるはず。自分の言葉が人を傷つけると悟った主人公・順は、ここで喋れなくなるのです。アニメに描かれた階段は本物にそっくりです!
この階段で丘の上まで登ると、街を一望できます。近くには武甲山資料館ややまとーあーとみゅーじあむもあり、秩父市のことを詳しく知るには最適な場所です。
2.大慈寺
羊山の東側へ降りると、横瀬町にたどり着きます。道路に沿って北へ進むと、左側に秩父札所十番(※1)大慈寺が目に入ります。
※1:札所 (ふだしょ)……巡礼者が参拝のしるしとして札を受け取るお寺。
大慈寺は1490年に開創されたお寺です。
大慈寺の本堂
本堂には多くの仏像が安置されていることで知られています。
境内にある地蔵
大慈寺の門や本堂は簡素でいかにも禅らしい作りです。
ここでアニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』に描かれた大慈寺の境内を思い出す方は少なくないでしょう。本堂の細かいディテールまでそのままに描かれています。言葉を失っていた主人公は、このお寺の境内で友達から「歌なら言いたいことが言える」という大事なヒントをもらい、物語の展開が大きく変わる場面です。
大慈寺の境内では、映画のポスターや登場人物が描かれている絵馬なども見かけます。映画にも描かれているベンチに座って、物語を回想しながら楽しいひと時が過ごせる場所です。
大慈寺の境内から秩父市と横瀬町の間に位置する武甲山が見られます。石灰岩質の、見た目が特徴的な山です。
無骨で迫力のある武甲山の存在は、秩父周辺の風景を形作る大切な要素。秩父を舞台にするアニメ作品でも、様々な場面で背景として登場します。
3.番場商店街
秩父市内に戻ると、御花畑駅と秩父駅をつなぐ番場商店街にも寄ってみましょう。『心が叫びたがってるんだ。』では夜の番場商店街が描かれていますが、昼間に訪れると、道の両側に並ぶお店でたい焼きや饅頭などを買って食べ歩きしながら周りを探検できます。秩父のおみやげを扱うお店もあり、この地域の素敵な工芸などに触れることができます。
秩父駅に向かって進むと、街の中心にある秩父神社にたどり着きます。有名な秩父祭りの拠点である秩父神社の豪華な本殿が魅力的なので、ぜひお立ち寄りください。
『あの花』や『心が叫びたがってるんだ。』のファンは、大好きな登場人物たちが描かれているポスターを番場商店街のあらゆる所で発見できますので、聖地巡りの意味でもここでのお散歩はオススメです。
4.定林寺
実正山定林寺は、秩父市の北側にある静かな住宅地に位置しています。本尊(※2)の十一面観世音立像は、1595年に開眼(※3)した像で、このお寺の中に昔から大切に保存されています。
※2:本尊(ほんぞん)……その寺院で最も尊重されている、信仰の中心に位置づけれている仏像のこと。
※3:開眼(かいがん)……仏像に魂を生じ入れる仏教における儀式。
また、境内にある大きな銅鐘には、日本中の著名な観音像が100体も浮彫されています。精巧な作りの鐘で、埼玉県指定有形文化財です。
『あの花』の子どもたちがこの定林寺の境内で隠れん坊をしている場面は、映画の大切なモチーフのひとつです。映画で鮮やかに描かれている定林寺のディティールは、本物の建築や意匠にインスパイアされています。
5.旧秩父橋
秩父市の北にある大野原駅から西へ歩いて約12分、旧秩父橋があります。荒川を渡るこの橋は、1932年に完成した橋で、新秩父橋の開通後、歩行者と自転車専用の遊歩道橋になっています。
新秩父橋は交通用の斜張橋で、その壮大な作りがとても印象的です。旧秩父橋とともに『あの花』に、街と登場人物が集まる「秘密基地」をつなぐ橋としてよく登場します。高架下も行くことができますので、両橋を下から見られます。
旧秩父橋の上から、荒川の流れやその向こうにある街の風景を観賞するのもオススメです。
1日中秩父市周辺の見どころを回ったら、夜はこの街のもうひとつの魅力に気づくはず。夜空を見上げると、星々が一面に散りばめられているのを目にできます。
この夜空を見上げた瞬間に、多くの方は『あの花』(劇場版)の最終シーンを思い出すでしょう。秩父がこの物語の舞台に選ばれた理由は、ここにもあるのかもしれません。
おしゃれでレトロな雰囲気が魅力の川越(『神様はじめました』)
古い町並みが残り、「小江戸(※4)」とも呼ばれる川越市。国内外からの旅行者に注目されています。立派な神社仏閣や江戸時代の遺跡だけではなく、商店街のレトロなお店も川越の見どころです。
※4:小江戸(こえど)……「小」は英語の「small」、江戸は東京の旧称。小さな江戸の町のように、古い文化や町並みが残っている町ということ。
おみやげのお店を見回ると、面白い発見がたくさん! 川越を舞台にする『神様はじめました』が好きな方は、ここで狐の面を見かけたらきっとワクワクするでしょう。
アニメに登場するスポットを中心に川越の探検に出かけましょう!
6.時の鐘
魅力的なお店が並ぶ鐘つき通りを歩くと、時の鐘の独特な存在感に目を惹かれます。時の鐘は、川越が城下町として繁栄した江戸時代の頃から数回火災に遭い、毎回建て直されました。高さ16メートルの塔から、鐘は現在も1日4回(午前6時、正午、午後3時と午後6時)時を告げています。街の人々に愛され続けた時の鐘の響きは、「日本の音風景100選」に認定されています。
川越のシンボルとも言える「時の鐘」の風情のある姿はアニメ『神様はじめました』でよく登場します。物語に参加している気分になって、川越でワクワクあふれる時間が過ごせます。
7.川越城富士見櫓跡
鐘つき通りより東へ徒歩数分の距離に、昔の川越城の一部分だった富士見櫓の遺跡があります。階段を上ったところ、丘の上に江戸時代にここに建っていた櫓の跡がうかがえる場所にたどり着きます。櫓の上から富士山まで見えたそうです。
そういえば、『神様はじめました』の主な舞台になっている「ミカゲ社」は街のはずれに位置する丘の上にあるという設定になっていますが、街を一望できる丘は、この川越城富士見櫓跡がある丘しかありません。
実は、富士見櫓遺跡の後ろに小さな神社があり、その名前は「御嶽社」。静かにここに佇む神社こそが、アニメの「ミカゲ社」のモデルになったのかもしれません。
御嶽社よりさらに後ろの方へ探検してみると、「富士見稲荷神社」という小さな稲荷神社を発見!このように同じ場所に一緒にある御嶽社と富士見稲荷神社を見ると、『神様はじめました』の二人の主人公たち、ミカゲ社の土地神奈々生と縁の下の力持ちともいえる神使の巴衛のことを思い出します。二人の関係がこの二つの神社にインスパイアされたと考えると、心が躍ります。
川越大師 喜多院の本堂
このスポットの外に、重要文化財の建物で知られる川越大師 喜多院や、縁結びの神社として有名な氷川神社など、川越には多くの見どころがあります。街を歩きながら、江戸時代の風情がうかがえる街並みを見て、ここの名物の芋菓子などを食べ歩きしながら楽しい一日が過ごせます。
川越駅周辺は観光スポットの蔵造りの街とは違って、川越の活気あふれる街の一面を見せています。現代的な一面と神社仏閣の周りに漂う神秘的な一面を両方備えている川越は、人間の世界と神の世界をテーマにしている『神様はじめました』の舞台として最適でした。
古代まで歴史が遡る久喜(『らき☆すた』)
8.鷲宮神社
埼玉県久喜市の鷲宮神社は関東地方最古の大社のひとつとして評判が高い神社です。境内で古代の住居の跡が発見されたことから、その歴史は紀元前まで遡ると思われています。
壮大な鳥居を通り抜けて、鷲宮神社の境内に入ると、古代を連想させる静寂を感じます。
本殿の前に設置されている舞台では、神事の時に神楽(※5)が舞われます。その中で、古い様式を残す鷲宮催馬楽神楽も年に6回見られるという、鷲宮神社ならではの見どころがあります。
※5:神楽(かぐら)……神道の神事において神に奉納される歌舞。
鷲宮神社の広大な境内にある「光天之池」に関して、古来より龍神が住む池だという伝説があります。光が柔らかく反射する水鏡に伝説の世界が覗けるのではないかと思うくらい神秘的な場所です。
鷲宮神社は、人気アニメ『らき☆すた』に登場する柊姉妹の父が宮司を務める「鷹宮神社」のモデルになっていることから、境内のあらゆる所に『らき☆すた』関連のものを発見できます。『らき☆すた』の登場人物が描かれている絵馬が特に人気です。
おわりに
いかがでしたでしょうか? 埼玉県の定番の観光スポット以外たくさんの見どころがあり、最近の漫画やアニメに登場したり、物語の中で大事な舞台になったりするスポットもあります。旅行中に、秩父、川越や久喜にも寄って、大勢の人に愛されているアニメの舞台になった場所を訪れてみてはいかがでしょう。各場所にまつわる昔ながらの物語と現代のクリエイターが生み出した物語が重複するところに、このスポットのもうひとつの魅力があります。
埼玉県のこのほかの観光スポットを知りたい方は、こちらの埼玉県特集もご覧ください。
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