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【新潟】人の温かさに出逢う、沼垂の宿「なり nuttari NARI」
古くから湊町として栄えた新潟の沼垂(ぬったり)エリア。古さと新しさが共存するこのエリアに、2017年1月、ゲストハウスにバーを併設する宿「なり」がオープンしました。古民家を利用した宿「なり」の魅力をご紹介します。
新潟駅から歩いて約15分。新潟県内のレトロでおしゃれなエリアとして親しまれる「沼垂(ぬったり)」。
旧沼垂市場の長屋を使った古さと新しさが共存する「沼垂テラス商店街」でも知られるこのエリアに、2017年1月、ゲストハウスの役割を持った宿「なり nuttari NARI」がオープンしました。築90年の古民家を改築してオープンしたその宿は、古民家のよさを残したまま営業しています。
写真提供:なり nuttari NARI
趣のある外観が印象的な「なり」。オーナーの大桃さんも外観に惹きつけられて、ここで宿を開くことを決めたそうです。
ガラス張りの玄関を開けると、そこには土間(※1)が広がっています。入ってすぐ右手の受付で宿泊手続きを済ませると、部屋へと案内してくれます。
※1:土間……屋内にあるが床板が張られず、地面と同じ高さになっている空間。靴で行き来できる。
日本の四季をテーマにした客室が自慢
宿には男女混合ドミトリー、女性専用ドミトリーのほか、個室があります。それぞれが日本の春夏秋冬をテーマに造られており、部屋の中で四季を味わうことができます。
こちらは、「女性専用ドミトリー Kochi」。春をテーマにしています。
床には桜の木を使用し、壁は桜の花びらのような薄ピンク色の部屋です。ベッドは少し広めに造られているので、ゆったりと過ごすことができます。
1名1泊/3,700円。
こちらは、「男女混合ドミトリー Hae」。夏をテーマにした部屋です。
立派な梁と、天井まで伸びた大きなベッドが印象的。夏の田んぼをイメージしたという壁は、ほんのりと緑色に仕上げられています。こちらも広めに造られたベッドでゆっくりと過ごせそうです。
1名1泊/3,500円。
こちらは「ダブルルーム Ogi」。秋をテーマにしたダブルベッドの置かれた個室です。
梁が見える造りで、屋根裏部屋を想沸とさせます。中央にあるベッドと部屋の隅にちょこんと置かれた机が、素朴な可愛さを醸し出しています。
1名1泊/4,500円。2名1泊/8,000円。
こちらが「和室 I BUKI」。冬をテーマにした畳張りの和室です。
窓からは中庭が見え、四季折々で違う表情を見せてくれます。床の間を囲うのは黒柿の木。最大3名での利用が可能なので、家族や友人と一緒に泊まると楽しめそうです。
1名1泊/5,000円。2名1泊/9,000円。3名1泊/12,000円。
地元の人と、旅人と語り合えるBarスペース
写真提供:なり nuttari NARI
「なり」には地元の人も集うBarラウンジがあります。その日たまたま集った人と語り合う――。そんな交流ができるのも旅の魅力ですよね。
自然と会話が始まる、そんな空気が「なり」には流れています。
Barでは、新潟の地酒はもちろん、サーバーから注ぐ生ビール、カクテルも楽しめます。ほかにはハーブティやソフトドリンクも。
「なり」の周りには飲み屋さんもあるので、外でお酒を楽しんだあとの最後の一杯を宿でいただくというのもよいでしょう。
ラウンジには、ソファが置かれたスペースだけでなく、琉球畳(※2)を敷いた和室もあります。座卓を囲んで話すのも、日本の旅ならではの楽しみです。
※2:琉球畳(りゅうきゅうだたみ)……通常の畳と違って縁のないデザインで、半畳サイズの畳。
共有キッチン
もちろん共有キッチンもあります。鍋などの調理器具はひととおり揃っているので、新潟のものを買ってきて料理をするのもよいですね。
寒い新潟ならではの細やかな心遣いも!
新潟の冬は本当に寒く、南の方から来る人はおそらく予想以上の寒さを体感することになると思います。特に夜は底冷えして、眠れないなんてことも。
でも「なり」では宿泊者一人ひとりのベッドに、ささやかな、心温まるプレゼントを用意してくれるんです。そのプレゼントとは、湯たんぽ。温かいお湯を容器に入れて布団の中を温める湯たんぽは、新潟の寒い冬にぬくもりを与えてくれます。
翌朝は、朝ごはん(500円)をつけることもできます。おにぎりと味噌汁という日本らしいメニュー。人の温かさが詰まった、ほっと安らげる朝ごはんでした。
「なり」の名前の由来
写真提供:なり nuttari NARI
みなさん、「なり」という言葉を聞いたことがありますか?
大工さんが使う言葉で、その場の空気や条件などいろんなことをひっくるめて、その場に合ったやり方で進めることを言うそうです。宿に泊まりに来る人も毎日違います。「その場にいる人、空気感で毎日違う表情を持つ宿にしたい」との想いからこの名前をつけたそうです。
「新潟の入り口、ターミナルのような宿になって欲しい」と語る、オーナーの大桃さん。
「なり」で情報を集めて、旅立っていける宿にしたいと言う通り、沼垂の情報はもちろん、新潟県内いたるところの情報誌がそろっています。また、宿のスタッフやBarで出会った地元の人に新潟のオススメ情報を聞いてみると、新しい発見が見つかるかもしれませんね。
まとめ
人が優しく、あたたかな街、沼垂。
「なり nuttari NARI」のスタッフはもちろん、沼垂に集まる人もみなあたたかく迎えてくれます。そんな人との関わりを楽しむのも、また旅の醍醐味ではないでしょうか。
ゆったりと人のあたたかさに触れる旅をしたくなったら、ぜひ沼垂へ。
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新潟生まれ。日本文化と古い建物が好きな社会人。日本を、地方を好きになってもらえるような記事を綴っていきたいです。