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新潟駅から徒歩15分、レトロで可愛い街「沼垂テラス商店街」を歩く
新潟県には、古さと新しさが共存している「沼垂テラス商店街」があります。生活用品を買いそろえる商店街とは少し異なりますが、皆温かい笑顔で迎えてくれる人ばかりです。新潟市に訪れた際にはぜひ覗いてみてください。
沼垂テラス商店街とは
写真提供:株式会社テラスオフィス
古くから沼垂市場として活気に溢れていた沼垂エリア。1度は店舗数も減り、シャッター通りと化した場所でしたが、新しい商店街が立ち上がり、現在は活気の溢れる場所となりました。
この商店街は、2010年に惣菜屋「ルルックキッチン」が開店したことを皮切りに、開店願いの連絡が相次ぎました。翌年には手作り家具と喫茶のお店「ISANA」、さらに次の年には陶芸工房と陶芸教室を行う「青人窯(あおとがま)」が開店しています。
次第に、この街に魅力を感じた若者たちがお店を連ね、全25店舗程が集まり、「沼垂テラス商店街」は新たなスタートを切ることとなりました。
商店街を歩いてみよう
沼垂テラス商店街は、新潟駅からバスで来ることも可能です。バス停「沼垂四ツ角」で降りたらまっすぐ進み、信号「沼垂東3」を右手に曲がります。
ひとつ目の曲がり角から沼垂テラス商店街は始まります。長屋に連なる小さなお店の集合が沼垂テラス商店街です。
青人窯
沼垂テラス商店街を少し進むと、見えてくるのは壁一面が白く塗られ、小さくかかった看板が印象的な「青人窯(あおとがま)」。陶磁器の器や小物、アクセサリーなどを製作している工房です。
「shopスペース」では、青人窯で作られた商品が販売されています。落ち着いた、優しい色合いの商品が多くあります。新潟県の名産、洋梨「ル・レクチェ」の植物灰から作った釉薬(※1)を使用したものなど、シンプルながらも肌に馴染む商品ばかり。
また陶芸体験・教室も行っています。事前予約が必要となります。海外の方は、片言の英語や身ぶり手ぶりでの説明であれば対応可能とのことなので、気になった方はメールで連絡してみてください。
メールアドレス:aoto.gama@gmail.com
※1:釉薬(ゆうやく)……焼いた陶磁器の表面に光沢を出し、また液体が染みこむのを防ぐために、陶器に塗る粉末。
ISANA
青人窯から少し歩くと、青緑色の印象的な壁が見えてきます。ここは家具とコーヒーと染め織り布を販売する「ISANA」です。商品の組み合わせが面白い店ですよね。元々、店主が家具職人、奥さんが染織家だったこともあり、この形になったそうです。
隣には喫茶店スペースもあり、ISANAで作った椅子に座りながら、コーヒーを飲むこともできます。
taruhi glass works
とんぼ玉という言葉はご存知ですか? 紐が通せる程の穴が開いている、球体のガラス玉のことを指します。こちらでは、ガラスの宝石ともいえるとんぼ玉作りを、約15分で体験できます。
写真のように店内に様々な種類の見本があるので、その中から好きな色・模様を選び、バーナーの炎で溶かしながら作ります。
次第にきれいな色が現れてくるので嬉しくなりますよ。
とんぼ玉の形を整えたら、約30分間冷まします。その間は沼垂テラスの散歩をしてみてはいかがでしょうか。戻ってきて、冷えたとんぼ玉に好きな金具を組み合わせれば、世界にひとつだけ、あなただけのアクセサリーの完成です。
「時間はないけど、とんぼ玉が欲しい!」といったあなたも大丈夫。店主が作った色鮮やかなとんぼ玉アクセサリーも販売しています。日本の思い出にぜひとんぼ玉を購入、またはあなただけのとんぼ玉を作ってみませんか?
HOSHINO koffee & Labo.
自家焙煎のコーヒーと焼き菓子が楽しめる「HOSHINO koffee & Labo.」。カウンター席のほかテーブル席もあるので、店内でゆっくりと過ごすこともできます。コーヒーの産地にもこだわり、アフリカや南アメリカなど様々な国のコーヒー豆を仕入れています。
原材料にこだわった焼き菓子は、店主自らの基準で選ばれているそうです。ゆっくりと落ち着いた時間を過ごしたくなったら、訪ねてみてはいかがでしょうか。
ハチミツ plus
古道具や古着、雑貨を扱っており、日本の古き品物が多く集まっています。同じ物でも、時を経て、背景や表情が異なってくるそう。店内には棚やテーブルなど大きいものから、器や皿といった小さなものまでそろっています。
日本らしい商品もあるので、ご自身用に、またご家族へのおみやげ用に買ってみるのもよいかもしれませんね。
大佐渡たむら
地元の人に愛されている海鮮・郷土料理店で、50年近く続いています。毎朝、店主が地元の市場で新鮮な魚と野菜を選び、買い付けています。そして何と言っても酒どころの新潟県。地酒も多数取り揃えてあります。
カウンター席で飲んでいると、70代くらいの方が新潟の昔話を教えてくれ、1人で行っても楽しい時間となりました。新潟に来たからには、ぜひ立ち寄って欲しいお店です。
BOOKS f3
写真集を中心とした新刊と、古書を扱う本屋です。写真集は、お店の方に相談するとお客様それぞれに合った本をセレクトしてくれます。
元々写真が好きな人はもちろん、写真集を買ったことがない人もオススメ。言葉がわからなくても伝わるところが写真の魅力です。日本の写真家たちの作品を、目にしてみてはいかがでしょうか。
こちらの店舗は、沼垂テラス商店街から少し離れた場所にあります。とはいえ、徒歩3分程で着ける場所なので、ぜひ訪れてみてください。
毎月第1日曜日は朝市の日
写真提供:株式会社テラスオフィス
毎年4月〜11月まで、第1日曜日の朝8時から朝市が開かれています。
いつものお店だけではなく、県内各地のハンドメイドのお店やパン屋など、様々なお店が集まるところが魅力的。お客さんも新潟県内だけではなく、県外から朝市を目当てに数多くの人が来ています。
また12月〜3月は冬市と呼ばれるイベントも行っています。朝市と同じく、第1日曜日の開催ですが、時間は各店によって異なります。10:00〜14:00の間は多くのお店が集まるので、その時間をめがけて行くと楽しめます。
ノスタルジックな廃線
沼垂テラス商店街の近くには、「ノスタルジックな廃線」と呼ばれ、観光客が多く集まる場所があります。今は使われていないので、草木は生え放題。それが雰囲気を作り出していると話題になっているそうです。
カメラ好きな方は、ぜひ訪れてみてください。フォトジェニックな写真が撮れますよ。
まとめ
沼垂テラス商店街は、小さなお店が集まった場所です。1歩踏み入れると、「こんにちは」と温かい表情で迎えてくれます。隣に座っている人が新潟の情報を教えてくれることもしばしば。外から来た人にも分け隔てなく温かい街が沼垂です。
人の温かさに触れる旅がしたくなったら、ぜひ沼垂を訪れてみてください。
取材協力:株式会社テラスオフィス
新潟生まれ。日本文化と古い建物が好きな社会人。日本を、地方を好きになってもらえるような記事を綴っていきたいです。