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兵庫県篠山市「集落丸山」の古民家に泊まり、古きよき時代へタイムスリップ
日本の古い文化、生活の息づく兵庫県篠山市。ここには伝統的な古民家をリフォームし、民宿としている場所が多数あります。篠山市の中でも山間に位置し、動植物と一緒に生活を営む場所「集落丸山」を紹介します。
160年以上続く農家集落「集落丸山」
兵庫県篠山市の中心部から車で15分ほど行った、青々とした山に囲まれたこの場所に、伝統的な古民家が集まっています。
篠山市丸山は、古くから残る農家の集落で、150年以上の歴史をもつ9棟の古民家があります。「集落丸山」は、そのうちの2棟を改装した宿泊施設。残りの建物では今も人が住み続け、住人全員で民宿運営を行っています。
「集落での生活の楽しさを味わってもらいたい」
集落丸山には、150年以上前の昔の生活が残っています。変化の早い時代にも関わらず、昔と変わらない表情をずっと保ち続けているのです。
「"シンプルな美しさ"を感じてもらいたい」。そのような思いから集落丸山は誕生しました。
宿には、「旅の途中に"泊まる家"だけではなく、この地に生きる人々の生活の楽しさも味わってもらいたい」という気持ちも込められています。
今回は2棟ある宿泊棟「明かり」と「ほの穂」のうち、「明かり」を取材しました。
居心地のよさは完璧!当時の暮らしがうかがえる古民家宿
150年前の歴史ある古い家ですが、保存状態は非常によく、リフォームした後は温かみのある古民家宿として生まれ変わりました。
室内には昔の農家の特徴が残されています。中でも「五右衛門風呂」はぜひ体験いただきたいもののひとつ。
『となりのトトロ』の世界が楽しめる「五右衛門風呂」
日本の有名なジブリアニメ映画『となりのトトロ』で、主人公のメイとサツキ、2人のお父さんが一緒に入浴するシーンがあります。そこで描かれている鉄のお風呂が、この「五右衛門風呂」です。
鉄は保温効果が高く、お湯を入れた後も長時間にわたって快適な温度を保ち続けることができます。
風呂の底は炎で温められているため、直接触れるととても熱いです。木の板を底に沈め、そこに座って湯船に浸かります。側面はそこまで熱くないので触っても大丈夫。
また、ここでは温度計が浴槽に浮かんでいるので、温度が熱くなりすぎないよう調整することができます。現代ではなかなか体験できない、貴重な機会です!
空に輝く星とともに眠りにつく
旅行客に本来の農家生活を体験してもらうため、宿にはテレビがありません。
夜になると家の周りの虫の音や、家の中の炭火や、壺に入った黒豆の香りが漂います。こたつやソファーに座り、1日の思い出を整理しながら翌日の旅程を立てることで、昔の生活に溶け込んでいくような気がします。
朝ごはんの香りで目覚める朝
翌朝は集落のおばあちゃんが朝ごはんを作ってくれていました。まだ眠りたい、布団から出たくないと思っていても、厨房からお米の香りが漂ってきて、自然と起き上がれます。
真心こもった豊かな朝ごはんを食べるたら、新しい1日の始まりです。
民宿には、集落に住む85歳のおばあちゃんが作った工芸品が展示してあります。もし気に入ったものがあればフロントで伝えて、持ち帰ることができますよ。
おばあちゃんが知ったらきっと喜ぶに違いありませんね!
和風古民家×フランス料理
民宿のほか、村にはフレンチレストラン「ひわの蔵」もあります。ここも古民家を改装して作られています。
骨董品が好きの店主がいた名残から、店内には数多くのコレクションが飾ってあります。一度足を踏み入れれば、フレンチレストランのイメージが覆される、そんな世界が広がっていますよ!
和風古民家に座り、目の前でシェフが調理する料理をいただけます。もちろんその味は絶品です。
集落丸山で体験する、農家のシンプルライフ
この地区に古民家宿は多いものの、現地の人の生活を身近で体験できる宿は多くありません。
自然豊かで、動植物も多い環境の中、何と言っても忘れがたいのが、おばあちゃんがあなたのために起こしてくれる火であり、あなたのために作ってくれるご飯です。
「集落丸山」に足を伸ばし、シンプルな農家の暮らしをぜひ味わってみてください。
※本記事は繁体字版の記事を翻訳・再編集したものです。