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庭園と建物のコラボレーションが美しい、新潟県「旧齋藤家別邸」で日本の四季を楽しもう
日本庭園と建物のコラボレーションが見事な、新潟市にある「旧齋藤家別邸」は、日本家屋から四季折々の自然が味わえる場所です。特に秋の美しい紅葉ライトアップがオススメ。旧齋藤家別邸で日本家屋と四季の美しさを感じてみてはいかがでしょうか。
旧齋藤家別邸とは?
旧齋藤家別邸は、明治時代から昭和初期に栄えた商家・齋藤家の別荘で、4代目齋藤喜十郎(さいとうきじゅうろう)によって大正時代に建てられました。庭園と建物が一体となってひとつの美しい景観を形作る、「庭屋一如(ていおくいちにょ)」の考えに基づいて作られた邸宅です。
100年近く経つ今でも、美しい庭園と建物の魅力から毎年数多くの観光客が訪れています。
屋敷へ入り、大正時代の日本を感じてみよう
大広間から庭園をゆっくりと愉しむ
玄関を抜けると、大広間と美しい庭園が真っ先に目に入ります。旧齋藤家別邸は、大事な客人をもてなすために造られた邸宅です。大広間から眺める庭園は隅々まで美しく、時間を忘れさせてくれるようでした。
客人をもてなす「茶室」
当時、お茶は大事な客人をもてなす作法のひとつでした。そのため茶室には、至る所に客人を楽しませようという家主の想いが現れています。部屋の建材には竹や皮付きの柱が使われ、落ち着いた造りになっています。
また茶室から見える庭は、まるで山の中にある住居のような景色で日本ながらの侘び・寂び(※1)の風情を感じられるようになっています。
※1:侘び・寂び……日本の美意識のひとつ。質素で静かなものをさす。
書斎や迎賓用に使われた「西の間」
西の間は、齋藤喜十郎が書斎または迎賓用として使用していました。窓からは青々とした竹林を見ることができ、大広間とも茶室とも一味違った庭を鑑賞できます。
竹林の反対側にある部屋は、唯一南向きで造られています。
2Fの大広間から見る庭園
1F大広間近くの階段から2Fへ上がると、こちらでも大広間が目に入ります。こちらは宴会など大人数で交流する場所としても使われていたそうです。
2Fから見る庭園は、1Fとはまた異なる視点から俯瞰できるので、全く違う表情を魅せてくれます。独特で可愛らしい窓枠が、2Fの大広間を印象づけてくれますね。
日本人の心遣いを感じる日本庭園
庭園内を歩いてまわる
旧齋藤家別邸では、庭園内を歩いてまわることもできます。石橋の上から池の眺めを楽しんだり、竹林を間近に感じながら進んだりと、好きなペースで自由にまわってみてください。
途中、東屋(※3)や滝などの鑑賞スポットも。日本庭園において東屋や視界が開ける場所は、庭師が見て欲しいと願う場所です。そこから見える景色も存分に楽しんでください。
※3:東屋(あづまや)……壁がなく柱だけの小屋。庭園などに休憩所として設ける。
見事なまでの美しい紅葉
写真提供:新潟市 旧齋藤家別邸
春夏秋冬、日本の庭園は季節によって異なった表情を魅せます。春夏は鮮やかな緑色を、秋には燃える様な朱色を、冬には物静かな白色を。いつ来ても楽しめるのが日本庭園のよさです。
特に秋の紅葉はぜひ見てほしい景色。1F・2Fの大広間から見える景色はもちろん、庭園から屋敷を眺めると和風の建物と紅葉が合わさって素敵な景色を創り出しています。
幻想的な空間を創る、紅葉のライトアップ
写真提供:新潟市 旧齋藤家別邸
毎年11月には夜間にライトアップも行います。2017 年は11月 3 日、4 日、5 日、11 日、12 日の期間で開催。日本庭園と建物、そして光のコラボレーションが幻想的な空間を創り出しています。ライトアップされた庭園内をぜひ散策してみてください。
最後に
写真提供:新潟市 旧齋藤家別邸
庭園と和風の建物、そして紅葉を合わせて見ることができるのは日本だけです。庭園と建物を一体と捉える「庭屋一如(ていおくいちにょ)」を大切にしている旧齋藤家別邸だからこそ、美しく幻想的な空間を創ることができたのかもしれません。
ぜひ訪れて、日本の四季を感じてみてください。
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新潟生まれ。日本文化と古い建物が好きな社会人。日本を、地方を好きになってもらえるような記事を綴っていきたいです。