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職人が作る暮らしの道具専門店「MARKUS(マルクス)」でメイドインジャパンの価値を実感
吉祥寺にあるセレクトショップ「MARKUS」では、日本各地の伝統工芸に現代的なセンスを吹き込み、デザインに優れた「暮らしの道具」が数多く集められています。漆器や陶器など、生活に馴染む日本の道具を見つけに行きましょう。
店主の想いが詰まった、とっておき商品
1.伝統的な製法を守って作られた漆器
最初に紹介するのは、漆器の「麦酒カップ(税込8,640円)」。漆器の生産地として有名な、石川県輪島で修業を積んだ職人の手仕事品です。
漆器作りは多くの場合分業制で行われ、それぞれの工程を専門の職人が担当しています。
人手がかかっていることから、陶器に比べると「値段が高い」というイメージがあり、また、手入れ方法にもいくつか注意点があることから、「扱いにくい」というイメージを持たれていることも事実です。
しかしこちらの品物は、「漆器を気軽に使ってほしい」という職人の思いから、一般的な漆器製品よりもかなり値段が抑えられているのだそう。
漆器のよさは、「育てる楽しみ」があるところ。使えば使うほど、表面に艶が出て味のある食器になっていきます。ぜひMARKUSで日々の生活のパートナーになる漆器を見つけてみてください。
2.各地の伝統を受け継ぐ陶器
こちらは、沖縄の伝統的な焼き物「やちむん」のお皿(税込4,860円)。厚めの形状に力強い模様が描かれたデザインが特徴です。この商品を作った職人は、1980年より前から作り続けてきたベテランの方だそうです。
普段は地元で制作をしている職人ですが、久保田さんの熱い頼みにより「今回限りで」と入荷が決まったとのこと。貴重な商品のため、在庫についてはショップの方に訪ねてみてください。
3.おみやげにぴったりな、こだわりの食品
徳島県で作られた調味料、「ねり生七味」(写真左)・「青ゆずこしょう」(写真左から2番目、写真右)・「赤ゆずこしょう」(写真右から2番目)。
それぞれ1個あたり税込480円。MARKUSで販売している器と一緒に楽しめる商品です。おみやげにお手頃な価格も嬉しいですね。
「この調味料はどうやって使うの?」という疑問はぜひ久保田さんに聞いてみましょう。とっておきの使い方を教えてくれます!
ちなみに、「青ゆずこしょう」はピリッと辛く、肉料理に最適。風味豊かな「赤ゆずこしょう」は煮物や餃子と食べるのがオススメだそうですよ。
4.クスッと笑える焼き物
MARKUSのロングセラー商品、栃木県で作られている「はにわ」など焼き物のシリーズです。はにわとは、日本の古墳時代(3世紀中頃から7世紀頃まで)に王族の副葬品として作られた素焼きの焼き物のことです。
一時的に仕入れたつもりが、思わぬ人気が出たため、そのまま販売を続けているのだとか。実際に出土したはにわや「土偶」(※1)のデザインを元に手作りされています。ミニサイズでどれも味のある表情をしていますよ。
※1:土偶……人間や精霊を模して作った土製の人形。
「はにわ」は税込1,620円。思わず和んでしまう表情が魅力です。
生活感とともに季節を感じるディスプレイ
店内のディスプレイは季節に合わせて変えられています。店を訪れる一番のオススメシーズンは冬。家族で囲みたい土鍋や、お正月を彩る漆器が店内を飾ります。
店の商品はほとんどが各地の職人による作品なので、注文した商品は長いものだと注文から入荷までに2年ほどかかってしまうことも。ビビッときた商品は、すぐに手に入れるのがオススメです!
MARKUSへの道順
中道通り商店街
MARKUSまで行くには、吉祥寺駅北口を出て徒歩6分ほど歩きます。目の前の平和通りを左手に向かって歩き、横断歩道を真っ直ぐ渡ると「中道通り商店街」に入ります。
携帯ショップや家具屋、カフェなどを横目に、そのまま賑やかな通りを進みます。
右手に、「一圓(いちえん)」という中華料理屋が現れたら、角を右折してください。すぐ左手に明るい赤レンガづくりの建物が見えます。
個性豊かで、生活感もある吉祥寺の雰囲気にぴったりの佇まいのお店です。入りやすいようにドアはいつも開いていますが、店内はとても静か。
入店マナーとして、飲食物を手に持っての入店は遠慮してください。また、美しい商品が並びますが、どれも作り手の思いがこもった作品のため、写真を撮る時は一言断りを入れましょう。
なお商品は、ひとつひとつ職人の手によって丁寧に作られています。今回紹介する商品も一品一品オリジナルのため、販売状況についてはショップスタッフの方にご確認ください。
「MARKUS」に訪れて、お気に入りの一品を探してみてください。
取材協力:MARKUS
世界各地、日本各地「手仕事品」と名のつくものをこよなく愛す。東京オリンピックまでに、日本を「エシカル大国」にしたい。