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世界的に有名な日本の真珠を鑑賞「神戸パールミュージアム」
兵庫県神戸市は真珠の加工で名高く「真珠の街」と呼ばれています。真珠の成り立ちや養殖・加工技術、地場産業の現場を支える人々、真珠について学べるミュージアム等、神戸で息づく奥深いパールの世界をご案内します。
神戸パールミュージアムで真珠について学ぼう!
神戸の中心・三宮駅から徒歩12分ほど、旧居留地の東端にある神戸パールミュージアムを訪ね、奥深い真珠の世界にぜひ触れてみてください。入場は無料です。
ミュージアムは、1952年に建てられた「日本真珠会館」というビルの1Fにあります。国の登録有形文化財でもあり、モダニズム建築ファンも数多く訪れる、素晴らしい意匠のビルです。
真珠の種類や成長過程、養殖の仕組みなどが、実物や模型を使って、分かりやすく展示されています。
アコヤ貝を海中で育てるための養生カゴの模型です。
大量の真珠を運んだジェラルミンのケースの実物。表面についた傷は、長い期間真珠を守ってきた証です。
「ペルラ・ヴィータ(真珠の人生)」と名付けられた真珠製の鐘は、1995年1月の阪神淡路大震災から10年後に、復興を記念して作られました。
展示物の中でもひときわ目を引くのが「パールツリー」。約1万個の真珠を手作業で繋ぎ合わせたオブジェは、どの角度から見ても絵になる美しさです。
真珠の種類とその魅力
アコヤ貝から採れる真珠以外にも、様々な種類の真珠があります。海外で採取・養殖された真珠も、神戸で加工されます。写真は、左がアコヤ貝の貝殻、右が南洋で採れるシロチョウ貝の貝殻。
真珠の色には、一般的に知られる白以外にもピンクやゴールド、ブルーなど多種多様な色があります。育つ海の環境など様々な要因によって変化する不思議な現象だと言えます。
貝殻の写真と左右が逆になりますが、左がシロチョウ貝から採れたゴールド真珠、右がアコヤ貝から採れたゴールド真珠。同じ真珠といっても、ずいぶん違いがありますね。
こちらはバロック真珠の一種を用いた指輪「対馬(つしま)ブルー」。丸い形ではなく、でこぼこのある形の真珠はバロック真珠と呼ばれて愛されています。
対馬ブルーは深い海のような色が特長で、九州地方と朝鮮半島の間の島「対馬」で養殖されています。
真珠の魅力は、その輝きと色の美しさ。身につける人に、上品で高貴な雰囲気、優しいイメージを与えてくれます。
フォーマルシーンで登場することが多い真珠ですが、カジュアルなセーターにさりげなくパールのネックレスを合わせるのもオススメです。
おみやげや旅の記念アイテムに真珠はいかが?
「真珠は高価なもの」というイメージが定着していますが、小ぶりでカジュアルに使えるアイテムもあります。
ミュージアムと同じビルの北端にあるショップ「神戸パールスーク」で旅の記念やおみやげを探してみませんか?
上品な1粒ペンダント
オススメの1点目は7-7.5mmのアコヤ真珠を1粒使ったペンダント。年齢を問わず使っていただけるアイテムですね。税込3,240円。
ブローチは音楽好きにオススメ
2点目は、べっこう風の素材に小さな真珠を1粒あしらったブローチ。音楽に関係するデザインが5種類あります。税込3,240円。以前メディアで取り上げられ、売り切れになったほどの人気アイテムです。
神戸パールスークの営業時間は11:00-16:00。定休日は土・日・祝日。銀聯カードを含めほぼすべてのクレジットカードが使用可能です。
大切にしたい日本の真珠産業
世界中が憧れる日本の真珠は、美しい自然の恵みであると同時に、手間と愛情をかけて生まれた賜物です。日本の文化として、そして産業として、長く大切にしていきたいですね。
取材協力:日本真珠輸出組合、日本真珠会館、神戸市役所、水木真珠有限会社、北村真珠養殖株式会社、有限会社トレーディング、日本貿易振興機構(順不同・敬称略)
日本文化、特に絵画や工芸品が好き。福岡、京都、大阪、ベルギー、アメリカを経て現在は神戸在住。座右の銘は「住めば都」。