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世界的建築家の手でリニューアルオープン!京都市京セラ美術館
京都市美術館が2020年に新たな通称を「京都市京セラ美術館」としてリニューアルオープンしました。生まれ変わった昭和の名建築にはカフェやミュージアムショップも備わり、京都の新しいアートスポットとして注目されています。今回は美術館の施設を一部ご紹介します。
京都市京セラ美術館とは
シンボリックな大鳥居で知られる京都のスポット「平安神宮」。その脇に「京都市京セラ美術館」はあります。1933年に開館した和洋折衷の建築は現存する日本の公立美術館の中でもっとも歴史が古く、長い間「京都市美術館」として親しまれてきました。
開館80周年にあたる2014年、設備・建物の老朽化など諸問題への解決策として、大規模改修が決定。2020年にリニューアルオープンしました。新設したコレクションルームに加え、多種多様な企画展が開催されています。
より多くの人が集まる場所として生まれ変わった京都市京セラ美術館は、伝統美術から最先端のアートに触れられるトレンドスポットとして訪れる人を楽しませています。
展示について詳しくは美術館公式HPの企画展のページをご覧ください。
アクセス方法
①電車
地下鉄東西線「東山駅」より徒歩約8分
京阪「三条駅」・地下鉄東西線「三条京阪駅」より徒歩約16分
②バス
JR・近鉄・地下鉄「京都駅」/阪急「京都河原町駅」/京阪「三条駅」より
「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
【京都市京セラ美術館】
〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町 124
https://kyotocity-kyocera.museum/
名建築家によるリノベーション
フォトグラファーの筆者はここが「京都市美術館」だった頃から美術展に出展する機会があり、幾度かこちらに足を運んできました。当時は戦後建築らしい質実剛健な造りで、内部も重厚感のある印象でした。
今回の大改修には、世界で活躍する日本の建築家・青木淳氏と西澤徹夫氏が参加。両氏の基本設計によって、明るく開放的な空間に生まれ変わりました。
正面のファサードはガラス張りの軽やかな「ガラス・リボン」が出現し、地下階からのアプローチになったことで内部も見違えるほどです。
美術館東側には、新たな展示スペース新館「東山キューブ」が誕生。本館からの渡り廊下もガラス張りで現代的な雰囲気です。
本館2Fは、ふんだんに使われた大理石とステンドグラス、足元のタイルからも格調の高さがうかがえる空間。
昭和初期の意匠をそのまま残しているので、リノベーション部分とのコントラストが楽しめます。
新設のミュージアムショップとカフェ
エントランスを入り左手には、ミュージアムショップが新たに設けられました。
展覧会の関連グッズや美術館の限定商品、オリジナルスイーツなどを販売するほか、アート・カルチャーが楽しめる特設コーナーも。
ミュージアムショップの反対側には、カフェ「ENFUSE」も新設。
筆者が訪れたのは陽が暮れた後でしたが、メインエントランスのガラス張りのファサードに面しているので、日中は温かな光が差し込みます。
コーヒーや紅茶などのドリンク以外にも、食事メニューやアルコールもオーダーできるので、時間を忘れてゆっくりくつろぐことができるでしょう。
注文したのは、こだわりの京野菜を使った「京の素材のおかずプレート」1500円(税込)。ワンプレートに京野菜を使った15品がずらりと並び、目にも楽しいお昼でした。
京都の新しいアートスポット
今回は紹介しきれませんでしたが、これまで非公開だった中庭や日本庭園、新鋭作家のためのスペース「ザ・トライアングル」など、館内には見どころがたくさんあります。
こうした新しい試みが、アートカルチャーの発信地となって、歴史ある美術館の未来を切り拓いていくのでしょう。アートだけでなく建築それ自体の見応えも十分です。次の京都観光で立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
Photo by KARIN