旅の準備はじめよう

食事中のマナーには、その国に根付いた考え方や文化がとても表れています。本記事では和食レストランや日本料理を食べる際に最低限気をつけたいマナーについてまとめました。マナーを守って、ユネスコの世界無形遺産に登録された和食を楽しんでください!
「『結わえる本店』で日本人の健康を支える食文化に触れよう!」より
日本に来たらぜひ楽しんでほしいのが、日本食グルメ。寿司や焼肉、ラーメンに家庭料理を再現したような定食など、日本だからこそ食べられる味が豊富に揃っています。楽しく食事をするために、食事中のマナーにも気を使いたいところ。自分の国では問題なくても、日本ではタブーとされるマナーもあります。
ここでは日本食のお店で食べる時に最低限気をつけたい食事マナーを紹介します。お店で迷わないようにチェックしておきましょう。
大体の日本のレストランでは、入店するとおしぼりを出してくれます。使い捨ての紙おしぼりや、繰り返し使う布のものなどお店によって種類は異なりますが、これは「手を拭く」用途専用です。とくに布のおしぼりでは、顔や口、テーブルなど手以外を拭くことは避けましょう。
日本では食前と食後に両手を合わせ、料理に向かって挨拶をします。食前に言う言葉は「いただきます」、食後は「ごちそうさま」。どちらも2種類の感謝の意味が込められています。
1つは、食事に携わってくれたすべての方への感謝。食材を作ってくれた人、料理を作ってくれた人など私たちが今ここで食事を食べるために関わった、すべての人への感謝です。
2つ目は、食材への感謝。肉や魚を食べることは、生きていた動物たちの命をいただいているということ。同じように野菜にも命があると考え、ほかの命が自分が生きるためのエネルギーに変わることに対し、感謝をします。
食事をする際、日本で主に使う道具が箸です。
箸の持ち方から始まり、食事中の使い方にはさまざまなルールが決められています。これは一緒に食べている人に、不快な気持ちをさせないよう配慮されたもの。
「いまさら聞けない お箸の持ち方と基本的なマナー5つ」の記事を読んで、箸のマナーも確認しておきましょう。
箸で食べるのが苦手な方は、フォークがあるかお店の人に聞いてみてください。店舗によってはフォークを出してくれる場所もあります。
和食や定食を頼むと、多くの食事処ではご飯の入った茶碗と、味噌汁入りのお椀が出てきます。こちらは食事の際、手に持って食べることがマナーとされています。
持って食べることがよいとされる器は、片手で持てる重さのもの。漆を塗った四角い器のお重や小ぶりの丼ぶり、小皿、小鉢などです。
ラーメンやうどんなどが入った大きな丼ぶりや平皿は無理に持ち上げず、箸を持っていない方の手を添えると食べると綺麗な所作に見えます。
テーブルの上に肘をついて食べると、姿勢が悪くなり見た目にも悪く、周りで食べている人もいい気持ちになりません。腕は持ち上げて食事をし、箸を持っていないほうの手はテーブルの上におくか、食器に添えましょう。
必須ではありませんが、味噌汁、ラーメン、うどん、お茶など、和食で温かい汁物は音をたてて飲むことがよいとされています。麺や具を食べる時は箸を使い、汁を飲むときは両手でお椀を持ち上げて飲むことが多いです。
しかし、すべて音を出してよいというわけではありません。食器を置くときの音や、食べた時の咀嚼音はマナー違反。食事中に鼻をかむ時も、席から離れた音の聞こえないところでしましょう。
音を出してもよいか迷った場合は、出さずに食べたほうが無難です。
料理は食べきれる分だけ頼みましょう。日本では残さず食べることが、料理を作ってくれた人、食材に対して感謝を示す行為と考えられています。アレルギーや食べられない食材がある場合は、注文する際に確認して食べられないことを伝えておくと、あらかじめ料理から外して提供してくれる場合があります。
お腹がいっぱいになってしまったなど、どうしても食べられない場合は無理はしなくて大丈夫です。その代わりお店の人に「おいしかったです」などお礼を言って出るとよいですよ。
せっかく楽しい食事の時間なので、マナーに気づかず周りの人に迷惑をかけてしまったり、注意されて嫌な思いをしてしまうのはもったいない。マナーを守って、日本の食事をたくさん味わってください!
最後に、日本らしい食文化が感じられる東京の料亭も紹介します。こうした場所で、ぜひ本記事で紹介している食事マナーを実践してみてくださいね。
「料亭錦水 / ホテル椿山荘東京」は美しい日本庭園が特徴的なレストラン。日本らしい風情を感じながら和食を楽しむのにピッタリの場所です。
Picture courtesy of Autoreserve
また、より気軽な金額で和食を楽しみたい人は、「土風炉 品川店」もよいかもしれません。寿司や刺身を中心にしつつ、さまざまな居酒屋メニューが楽しめます。
元記事執筆:Haruka Kobayashi
※本記事は2014年4月21日に公開した記事をリライトしたものです。
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ライター