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お餅を使った料理・和菓子10選! それぞれにオススメの名店も紹介
桜餅、わらび餅、大福、鏡餅、おはぎ、汁粉など,、お餅を使った料理・和菓子を10種類、紹介します。それぞれの和菓子・料理における名店や、それに加えて、お餅を食べる際の注意点についても解説します。
日本の伝統食「お餅」とは
お餅は、もち米を蒸してつきあげた、日本の伝統的な食材です。炊いたもち米は、普通の米と違い、特有の粘り気があります。ただ、なかにはもち米を材料としていなくても、伝統的に「餅」と呼ばれる食べ物もあります。
お餅は、古くからお正月や祝い事に欠かせない存在として、日本の文化や行事に深く関わってきました。また、地域や家庭ごとに異なる形や味付けがあり、料理やお菓子として幅広く食べられています。
本記事では、お餅を使った、もしくはお餅が関わる伝統的な和菓子を紹介するとともに、お餅を食べる際の注意点もお伝えします。
まず、お餅を使った伝統的な和菓子・料理を10種類紹介します。
1.桜餅
長命寺桜餅。Photo by Pixta
桜餅は、春の訪れを告げる和菓子で、特にひな祭りの定番として親しまれています。関東風と関西風の2種類があり、それぞれ特徴は異なります。
関東では、小麦粉を使った「長命寺」が一般的で、これはクレープ状の生地で餡を包み、桜の葉で巻いたものです。材料にもち米は用いられていませんが、伝統的に桜餅と呼ばれています。
道明寺桜餅。Photo by Pixta
一方、関西では道明寺粉を使った「道明寺」が主流で、こちらはもち米を蒸して乾燥させた道明寺粉で餡を包み、桜の葉で巻いたものです。
桜餅の特徴は桜の葉で包まれた餅の香りで、塩漬けの葉が餅の甘さを引き立てます。この香りと味わいが春の訪れを感じさせることから、桜餅は季節の変わり目を楽しむための特別な存在にもなっています。
関東風の桜餅でおすすめなのが、東京都墨田区にある「長命寺桜もち」です。300年以上の歴史を誇る、関東風桜餅を考案したお店として知られる老舗の逸品です。
【長命寺桜もち】
住所:東京都墨田区向島5-1-14
営業時間:8:30~18:00
定休日:月、火曜日
公式HP:https://sakura-mochi.com/
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2.わらび餅
Photo by Pixta
わらび餅は、わらびの根から取れるデンプンを使った和菓子で、特に夏に人気があります。
透明感のある見た目とぷるぷるした食感が特徴で、きな粉や黒蜜をかけて食べるのが一般的です。
最近では、ドリンクに入れるなどのアレンジも見られ、幅広い楽しみ方ができるようになっています。
ぜひおすすめしたいのが、デンプンを混ぜていない「本わらび粉」を使用したわらび餅で有名な、香川県の「松風庵かねすえ」の逸品。
こしの強さときな粉のハーモニーが絶妙で、多くの人に愛されています。
このお店のわらび餅は、伝統的な製法を守りつつ、現代の味覚にも合うように工夫されているのが特徴です。
【松風庵かねすえ】
住所:香川県高松市扇町1-24-36
営業時間:8:00~19:00
定休日:1月1日
公式HP:https://www.kanesue.net/shop/
3.大福
Photo by Pixta
大福は、もち米で作られた餅であんこを包んだ和菓子で、シンプルながらも豊かな風味が特徴です。
江戸時代に庶民の間で親しまれ、祝い事や特別な日の定番として広まりました。
Photo by Pixta
現在では、イチゴが包まれたイチゴ大福や、餅にヨモギ草を練り込んだ草大福など、さまざまなバリエーションが存在しています。
大福の魅力は、甘さと餅の柔らかさが絶妙なバランスを生み出しているところ。
もちもちとした食感と、あんこの甘さが一体となり、口の中で広がる豊かな味わいを楽しめます。
おすすめは、内閣総理大臣賞を受賞した豆大福で有名な、岐阜県の老舗和菓子屋「本家豆大福だるま堂」が作る大福。
豆大福、草大福、梅大福、栗大福とバリエーションが豊富で、特に人気の豆大福は、柔らかいながらも弾力のある餅生地と、ほどよい塩加減の黒豆、そして甘さ控えめの餡が絶妙なバランスを保っています。
【本家豆大福だるま堂】
住所:岐阜県各務原市那加東那加町17
営業時間:8:30~19:00
定休日:火曜日
公式HP:http://www.mamedaifuku.jp/
4.柏餅
Photo by Pixta
柏餅は、特に端午の節句(5月5日)に食べられることが多い、日本の伝統的な和菓子です。
平たく丸形にした餅に餡をはさんで二つ折りにし、柏の葉で包んだものを指します。
柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないため、子孫繁栄の象徴とされています。
餅の中にはこしあんやみそあんが入っており、地域によっては粒あんや白味噌餡を使用することもあります。
おすすめは、地元・新潟県の人々に長年愛されている老舗「貴餅」の柏餅です。香り豊かな柏の葉とツルツルした餅生地との最高のコンビネーションを楽しめます。
【貴餅(きへい)】
住所:新潟県新潟市西区坂井東2-13-18
営業時間:9:30~18:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)
公式HP:http://www.kihei.co.jp/
5.ヨモギ餅
Photo by Pixta
ヨモギ餅は、ヨモギを練り込んだ餅で、草餅とも呼ばれます。
ヨモギのさわやかな香りと風味が特徴で、特に春の季節に多く食べられる和菓子です。
健康に良いとされ、古くから親しまれてきました。
ヨモギの香りが春の訪れを感じさせ、昔から3月3日の桃の節句に食べられていたという歴史もあります。
ヨモギはキク科の多年草で、食用としても薬用としても利用されてきました。
おすすめは、ヨモギ餅の名店として知られる奈良県「中将堂本舗」の逸品。
自家栽培のヨモギを使用した餅は香り高く、あっさりとしたこしあんとの相性が抜群です。
【中将堂本舗】
住所:奈良県葛城市當麻55-1
営業時間:9:00~17:00(売り切れ次第終了)
定休日:7月全休、8月中旬~8/31、12月末~1月初旬
公式HP:https://www.chujodo.com/
6.鏡餅
Photo by Pixta
鏡餅は、お正月に飾られる餅で、年神様を迎えるための供物です。
丸い形は魂の象徴とされ、大小二段に重ねられることが一般的です。
鏡餅は、年神様の依り代として、新年の幸福や恵みをもたらすと信じられています。
鏡開きの日には、家族で分けて食べることで無病息災を願います。鏡開きとは、お供えしていた鏡餅を下ろし、健康や平穏を祈って食べる行事です。
鏡餅を飾り始めるのは一般的に12月28日頃からで、そのまま松の内(1月7日もしくは1月15日までの期間)が終わるまで飾られます。
鏡餅には、橙や昆布、譲り葉などの縁起物が飾られ、これらもまた新年の幸福を祈る意味が込められています。
広島県「鯉城餅」(りじょうもち)の鏡餅は、伝統的な製法で作られており、おすすめです。美しい形と香り高い味わいで、お正月の飾りとして人気を集めています。
【鯉城餅】
住所:広島県広島市佐伯区八幡1-24-17(サンリブ 五日市店)
営業時間:10:00~21:00
定休日:不定休
公式HP:http://www.omoti-r.com/
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7.くるみ餅
出典:農林水産省Webサイト。画像提供元 : 『おおさかの郷土料理集~行事食と食文化の伝承』(公益財団法人大阪府学校給食会)
くるみ餅は、大阪府堺市発祥の伝統菓子で、鎌倉時代から続く歴史があります。名前の由来は、うぐいす色の餡で餅を「くるんで」いることから。
餡は青大豆などを原料にしており、独特の風味と色合いが特徴です。
堺市の茶文化とも深く結びついており、有名な茶人である千利休が生まれ育ったこの地で、茶菓子としても親しまれてきたのがくるみ餅です。
おすすめは、堺市にある「かん袋」のくるみ餅。このお菓子の元祖とされる老舗で、休日には行列ができるほどの人気店です。
もちもちとした食感の餅と、まろやかな餡の絶妙なバランスが魅力です。
夏にはかき氷をかけた「氷くるみ餅」を提供しており、涼を求める多くの人々に愛されています。
【かん袋】
住所:大阪府堺市堺区新在家町東1-2-1
営業時間:10:00~17:00(店内飲食受付は16:45まで)
定休日:火、水曜日(国民の祝日には営業)
公式HP:https://kanbukuro.co.jp/
8.おはぎ
Photo by Pixta
おはぎは、もち米を使った和菓子であり、外側にあんこをまぶしたものです。
春の彼岸には牡丹の花にちなんで「ぼたもち」とも呼ばれ、季節の変わり目によく食べられます。
おはぎを食べることで季節の移ろいを感じながら健康と幸福を願う、という風習が残っている地域もあります。
特徴はなんといっても、甘さに加え、もちもちとした食感です。
特に、京都「仙太郎」はおすすめの店で、粒あん・きな粉の2種類のおはぎが人気です。
素材の味を生かした上品な甘さが特徴で、どちらも絶妙なバランスで作られています。
粒あんは、しっかりとした豆の風味が感じられ、きな粉は香ばしさが際立ちます。
仙太郎は、1886年創業の老舗で、休日には行列ができるほどの人気店です。
【仙太郎】
住所:京都市下京区寺町通仏光寺上る中之町576(本店)
営業時間:8:00~17:00
定休日:1月1日
公式HP:https://www.sentaro.co.jp/
9.すあま
Photo by Pixta
すあまは、もち米の粉を水と砂糖とともに練り上げ、蒸して作られます。
柔らかい食感が特徴で、シンプルな甘さが魅力です。白色のままのほか、ピンク色に着色されることも多く、見た目も美しい和菓子です。
特に関東地方で親しまれており、祝い事や季節の行事には欠かせません。
埼玉県の「栄屋菓子舗」は、すあまの名店として知られています。
上新粉を使用しており、シンプルながらも深い味わいが特徴。地元の人々に長年親しまれており、柔らかい食感と上品な甘さとが多くの人々を惹きつけてやみません。
【栄屋菓子舗】
住所:埼玉県桶川市寿1
営業時間:9:00~19:00(日曜日は18:30まで)
定休日:火、水曜日(祝祭日は除く)
公式HP:https://www.e-sakaeya.net/
10.汁粉
Photo by Pixta
汁粉は、日本の伝統的な甘味(甘い食べ物)で、あんこを溶かした汁に餅を入れて作られます。
特に寒い季節に温かくして食べることが多く、餅の柔らかさとあんこの甘さが体を温めてくれます。
京都の「ぎおん徳屋」は、この汁粉を楽しむのにおすすめのお店です。
丹波産の大納言を使用したあんこを使用し、上品な甘さが特徴です。焼きたてのお餅とともに提供されます。
【ぎおん徳屋】
住所:京都府京都市東山区祇園町南側570-127
営業時間:12:00~18:00(売り切れ次第終了)
定休日:不定休
公式HP:http://gion-tokuya.jp/
お餅を食べる際の注意点
お餅を食べる際には、次に挙げる3つの点に注意してください。
食べやすい大きさに切って少量ずつ食べる
お餅は粘り気と弾力性のある、喉に詰まりやすい食品です。
特に高齢者や子どもが食べる際には、まず食べやすい大きさに切ることが重要です。これにより、口に入れる量を調整しやすくなって、喉に詰まるリスクを軽減できます。
また、少量ずつ食べることで、しっかりと噛んで唾液と混ぜ合わせられるので、飲み込みやすくなります。
お茶や汁物で喉を潤しておく
お餅を食べる際にお茶や汁物で喉を潤しておくことは、喉に詰まりにくくするために重要です。
食べ物が滑りやすくなり、喉を通りやすくなります。特に、唾液の分泌が少なく飲み込む力が弱い高齢者や子どもには、この方法がおすすめです。
ただし、よく噛まないうちにお茶や汁物で流し込むのは非常に危険なので、注意しましょう。
しっかり噛んでから飲み込む
お餅は、しっかりと噛んでから飲み込むことが重要です。お餅は粘り気が強く、弾力性があるため、噛まずに飲み込むと喉に詰まりやすくなります。
しっかりと噛むことで、お餅が細かくなるほか、唾液と混ざり合うことで滑りが良くなり、喉を通りやすくなります。
全国各地にあるお餅のお菓子を味わおう
全国には、地域ごとに個性的なお餅を使った和菓子が存在します。関東風や関西風などの違いも楽しみつつ、桜の葉の香りやヨモギのさわやかさ、あんこの甘さなど、豊かな味わいを堪能してみてはいかがでしょうか。各地の名店を訪れ、伝統の味を味わうのも一興です。
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Written by Cakutama editorial team