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日本の味 を代表する「酢」の魅力
日本の酢は伝統的な発酵調味料で、軽くて柔らかい独特な味がします。醸造職人によって米から造られた日本の酢は、寿司など私たちの大好きな日本料理の多くに欠かせない存在です。
寿司が好きな方は驚くかもしれませんが、寿司のおいしさは酢で決まると言われています。日本の酢の柔らかい風味と爽やかな香りは寿司を作るうえで基本の調味料となるからです。酢に少量の砂糖と塩を加えると、魚の切り身を引き立てる完璧な味になります。
日本の酢
日本の酢は米から作られます。工程は2段階あり、まず最初に米から酒、もしくは日本酒が醸造されます。酒にはエタノールとアルコールが含まれ、その成分が発酵の過程で酢酸に変化します。
実はこの過程はすべての酢の種類においても同じです。赤ワインビネガーは赤ワインからでき、りんご酢はりんごのお酒からできるのです。アルコールがなければ酢は作られません。
酒から酢へ
実際に日本酒と酢との関係は文字でも証明されています。「酢」という漢字は「酒」という漢字から派生してできたものです。
これは、英語のビネガーという言葉が、昔のフランス語の「ワイン」という言葉と「酸っぱい」という言葉を足してできたこととも似ています。
日本の酢についてもう少し知るために、石川県金沢市から少し離れたところにある酢の醸造所を訪れてみることにしました。
金沢市にある今川酢造
今川酢造は金沢の歴史的なお寺が集まる寺町で1923年から酢を醸造しています。醸造所の建物は築150年で、酢を醸造する以前は酒を専門に醸造していたそうです。
今川酢造に続く寺町の細い道を歩いていると、最後の角を曲がる前から酢の香りが漂ってきているような気持ちになります。
酢販売店とギャラリー
今川酢造にはシンプルな販売店と、地元の工芸品や作品を飾っているギャラリーがあります。石のタイルが敷き詰められた床に、南向きの窓から差し込む光。上品な雰囲気が漂います。
酒造と酢造
発酵のためには、最適な状況を保つために涼しい気温が必要であり、日本の酒は通常、真冬の間に醸造されます。また、醸造最初の工程のひとつとして「秋の早い時期に収穫した米を蒸す」ということも重要です。
日本を訪れ、酒や酢の醸造所を見学したい方がいれば、醸造の作業が本格化している真冬に訪れるのがよいでしょう。しかし、同時に1番忙しい時期でもあるので、訪問が制限されることがあることも覚えておいてください。
伝統的な発酵作業
今川酢造の酢は伝統的な方法で発酵されます。発酵を引きおこす素になる酢酸の菌を酒に入れ、4か月間タンク内の気温と空気量を清潔な状態で調整しながら発酵が進んでいきます。
しかし現代の酢造の方法であれば、開始から3日という短い時間で完成することができるそうです。伝統的な方法も、時代が進むと変化してきてしまうようです。
酢の種類
他の酢と比べた際、日本の酢はとてもマイルドな味がします。通常は6~8%またそれ以上の酸性度を持っているのに対し、日本の酢は4~5%という比較的低い酸性であることが挙げられます。
数字だけ見ると違いがないように思えますが、実際に口に入れてみると、際立った違いに驚かされます。
今川酢造では、米の種類や調味料によって様々な種類の酢を作っています。私は家で使用するために2種類を購入し、次の目的地、近江町魚市場で具材を探します。
Living in Fukuoka City, interested in travel, food, and fashion. Dream destination is Finland to see the Northern Lights.