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【長崎県】異国情緒たっぷりの長崎くんち〜日程・アクセス・持ち物など〜【2020年中止】
長崎くんちとは、九州地方にある長崎県・諏訪神社の秋季大祭。毎年10月7日〜9日に行われ、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。中国やオランダ、ポルトガルの影響を受けながら発展した華やかな祭りです。長崎くんちの日程、アクセス、持ち物などをまとめました。
長崎くんちとは
Picture courtesy of 長崎県観光連盟
「長崎くんち」とは、九州地方にある長崎県・諏訪神社の秋季大祭(Autumn festival)。毎年10月7日〜9日に行われ、国指定重要無形民俗文化財に指定されています。
「くんち」とは、秋祭りを意味する九州北部地域の言葉。日本三大くんちとして、長崎くんちと福岡の博多おくんち、佐賀の唐津くんちがあります。
長崎くんちのはじまりは、今からおよそ400年前。諏訪神社前で遊女2人が謡曲(※1)「小舞(こめえ)」の奉納を披露したのが起源です。
※1:謡曲(ようきょく)......能で歌われる詩歌のこと。
Picture courtesy of 長崎県観光連盟
当時の日本における対外貿易の拠点は長崎。その影響もあって、当時の日本と国交があった中国やオランダ、ポルトガルの影響を受けながら、祭りは次第に華やかさを増していきました。
祭りの見どころは、賑やかな演し物(※2)。傘鉾(かさぼこ)と呼ばれる巨大な飾りを先頭に、日本舞踊、宝船(※3)や南蛮船(なんばんせん:オランダ風の帆船)、唐船(とうせん:中国風の船)を模した曳き物(※4)が登場します。
※2:演し物(だしもの)......長崎くんちで使われる言葉で、祭りで披露される踊りや曳き物のこと。
※3:宝船……七福神が乗っている帆船で、宝物が積んであると言われる。日本では幸運の象徴とされている。
※4:曳き物(ひきもの)……日本の祭りでおもに男性たちが担ぐ大きな車のようなもの。地方によって呼び方が変わり、山車(だし)や曳山(ひきやま)や、屋台(やたい)、だんじりとも呼ばれる。
Picture courtesy of 長崎県観光連盟
龍踊り(じゃおどり)と呼ばれる龍の舞や、獅子踊(ししおどり)と呼ばれる獅子(※5)の舞も見逃せません。
演し物は、長崎市内の各町の人々が7年ごとのローテーション制で担当しています。観客は毎年同じ演し物が見られるわけではありません。同じものが見られるのは7年後。このように年ごとに違うものが見られるのも、長崎くんちのよさのひとつでもあります。
※5:獅子(しし)……ライオンが元になったと言われる想像上の生物。中国やインドから日本に伝わったとされる。
長崎くんちの日程(2020年は中止)
Picture courtesy of 長崎県観光連盟
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、2020年の長崎くんちは中止が発表されました。
長崎くんちは毎年10月7日・8日・9日に開催されています。
例年の日程:10月7日~10日
10月7日に観られる内容
10月7日、7:00に諏訪神社で演し物の奉納がはじまります。その後、公会堂前広場からお旅所(たびしょ:諏訪神社から出た神様が、一時的に滞在する場所)へと場所を移して演し物がまた披露されます。午前の奉納終了後は、市内の会社や官公庁、民家の前で演し物が披露されます。
16:00、諏訪神社で「くんちの夕べ」と呼ばれる午後の奉納踊りがはじまります。その後、公会堂前広場に移動して演し物が披露されます。
10月8日に観られる内容
7:00に八坂神社で演し物が奉納されます。出し物はその後、公会堂前広場で再演されます。奉納踊終了後は、市内の会社や、民家の前で披露されます。
10月9日に観られる内容
7:00にお旅所で演し物の奉納が開始。その後、諏訪神社に場所を移して演し物が再演されます。
長崎くんちの会場案内
Picture courtesy of 長崎県観光連盟
長崎くんちの会場は、諏訪神社、お旅所(おたびじょ)、八坂神社、長崎市公会堂前広場の4カ所です。
各会場には観覧席があります。演し物を座って見たいという人は6〜8月までに予約購入する必要があります。長崎市公会堂前広場のみインターネット(チケットぴあ等、日本語のサイトのみ)での購入が可能、それ以外は現地での購入となります。
Picture courtesy of 長崎県観光連盟
会場で演し物が見られなくても大丈夫。各会場で踊りが披露された後は、祭り子たちが町の各所で演し物を披露してくれるので、街歩きをしながら見物できます。ちなみに、会場以外の町中で演し物が行われることを、庭先回り(にわさきまわり)と呼んでいます。
また、長崎市内の移動で欠かせないのが路面電車。運賃は一律、大人130円、子ども70円で、市内各所に行けます。1日乗車券は大人500円、子ども250円です。祭りの各会場への移動は、路面電車が便利です。
東京から長崎への行き方は、「九州の玄関口長崎へ行ってみませんか? 長崎への行き方まとめ」をご覧ください。
長崎くんちの4つの会場への行き方
Picture courtesy of 長崎県観光連盟
諏訪神社
10月7日と9日に演し物が披露される諏訪神社は、長崎くんちで一番人気の観覧スポット。境内に設けられた踊り場(おどりば)からは、演し物がよく見えます。
場所:長崎県長崎市上西山町(ながさきし かみにしやままち)18-15 GoogleMap
行き方:長崎駅から諏訪神社までは、路面電車・蛍茶屋行に乗り、諏訪神社前で下車します。
お旅所
長崎港に面した、市内の中心地に設けられた踊り場です。バスや電車など交通の便がよく、くんちの時期には多くの露店が並びます。
場所:長崎市元船町10-4 夢彩都(ゆめさいと)横 GoogleMap(夢彩都)
行き方:路面電車・赤迫行か正覚寺下行に乗り、大波止(おおはと)で降ります。
八坂神社
八坂神社に設けられた踊場は観覧席と近く、大迫力の演し物が見られると評判です。
場所:長崎県長崎市鍛冶屋町8-53 GoogleMap
行き方:路面電車の・崇福寺(そうふくじ)行に乗り崇福寺で下車します。
長崎市公会堂前広場
広々とした長崎市公会堂前会場は、訪日観光客でもリラックスして演し物を見ることができます。
場所:長崎県長崎市魚の町(ながさきし うおのまち)4-30 GoogleMap
行き方:路面電車・蛍茶屋行に乗り公会堂前で降ります。
祭りの楽しみ方
Picture courtesy of 長崎県観光連盟
長崎くんちは、華やかな演し物が場所を変えながら1日に何度か披露されるのが特徴です。1カ所に留まって観覧するのもよいですが、演し物が行われる場所を数カ所まわると、より祭りの思い出が深くなりそうです。
長崎くんちを楽しむための服装と持ち物
服装
10月の長崎の平均気温は19.7℃です。8月や9月の猛暑は過ぎたとはいえ、まだまだ暑さを感じることがあります。薄手シャツやTシャツ、ハーフパンツなどの軽装で現地を訪れるとよいでしょう。朝や夕方は冷え込むこともあるので、薄いショールやパーカーなどを準備しておくと安心です。
持ち物(サングラス・帽子・日焼け止め・タオル)
初秋の長崎で気をつけたいのが紫外線。サングラスや日焼け止めで紫外線対策を忘れないようにしましょう。各会場では日傘が禁止されています。日よけのための帽子を持っていきましょう。
また、観覧中に汗をかくこともあります。タオルやハンカチがあるとよいでしょう。
※本記事は2017年3月31日に公開した記事を2020年版にリライトしたものです。