旅の準備はじめよう
「数寄屋・末広の家」〜飛騨古川の日本邸宅で過ごす非日常の2日間〜
古い町並みの中で普段とは違うのんびりとした時間を過ごせる岐阜県の飛騨古川。「数寄屋・末広の家」は、そんな飛騨古川の魅力を存分に味わえる一棟貸しの宿です。宿の魅力のほか、古川の町の散策や、映画『君の名は。』の聖地巡礼など飛騨古川の楽しみ方をまとめました。
白川郷で有名な飛騨
飛騨高山、飛騨古川の名前で知られる「飛騨(ひだ)」とは、現在の岐阜県の北部地域の旧称。
飛騨は山深い土地で良質な木材に恵まれていたため、古くから木工産業が発展してきました。また、中央政府へ支払う税の代わりに木工職人を派遣してきた歴史から、京都風の建築様式も土地に根付いています。
飛騨古川(岐阜県飛騨市古川町)は、そんな飛騨の伝統的な建築や町並みが残された貴重な観光地です。
今回紹介する数寄屋・末広の家(以下:末広の家)も、飛騨の伝統的な建築文化に触れられる施設のひとつ。古民家が立ち並ぶ通りに建つ一棟貸しの宿泊施設で、飛騨里山オフィス&ステイ(HIDA SATOYAMA OFFICE&STAY)によって運営されています。カジュアルな日本式の邸宅を改装した宿で、日本らしい町並みや建物のなかでのんびり過ごしたい方には最適です。
実際に利用されていた邸宅を改装「数寄屋・末広の家」
末広の家があるのは、古民家が立ち並ぶ古川の町並の中。
奥まった玄関は、一見すると、とても宿の入り口とは気づきません。それもそのはず、かつて実際に使用されていた邸宅を改装した宿であるため、古川の町にすっかり溶け込んでいるのです。
末広の家は一棟貸しの宿泊施設です。人数に関わりなく、2泊50,000円(税込)で利用できます(+1人あたり布団代1,000円が必要です)。施設自体は8名まで利用できますが、ゆったり快適に利用したいなら、2〜6名までの利用をオススメします。
宿泊用に使える部屋は3室。いずれも日本らしい畳の部屋で、自分たちで布団を敷いて使います。
2Fの宿泊室。
1Fの大広間
宝探しのように、宿内を探検してみよう!
宿では、家具や調度品のデザインにも注目してください。いずれも飛騨の大工が手作りした品で、時代やぬくもりを感じさせる風合い。ぜひ手をふれてみましょう。
鳥をデザインした押し入れの取っ手。末広の家では、要所要所で大工の遊び心やこだわりを感じられるデザインを発見できます。宝探しのように室内を探検してみください。
「飛騨古川ってどんな町?」
そう思われた方には、こちらの英語訳のコミックはいかがでしょう。古川の町の歴史や文化、見どころをまとめた作品で、室内に用意されています。
1Fの押入れを開くと、重厚な黒い金庫がしまわれています。こちらは元の持ち主が利用していた金庫で、現在も当時のまま中身をあけずに保存されています。
実は現在のオーナーも金庫の開け方がわからないらしく、スタッフの方にお話を聞くと「開けることができたら、中身は差し上げますよ」とのこと。末広の宿にお泊りの方はチャレンジしてみては?
一棟貸しだからこそ体験できる"地元の暮らし"
もともと民家として使用されていた建物なので、末広の家を利用すれば地元飛騨古川の生活を疑似体験できます。
こちらは檜造りの浴室。お湯で満たすと檜のよい香りが漂います。
キッチンにはひと通りの調理器具、日本の調味料が揃っています。すき焼き鍋も用意されていのるで、飛騨牛のすき焼きに挑戦してみては? 近くには地元の方が利用するスーパーや酒店が営業しているので、地元食材で地元の料理にチャレンジするのもよいでしょう。
なお、末広の家はビジネス用にも貸し出し、利用されています。そのため2Fには仕事に使えるミーティングルームも。ホワイトボードやプリンターも設置されています。
飛騨古川の町を散策してみよう
宿のすぐそばを流れる荒城川
飛騨古川は広すぎず狭すぎない、ほどよいサイズの観光地です。末広の家に宿泊する旅行者は、徒歩だけでも十分飛騨古川観光を楽しめるでしょう。
撮影協力:大洞
オススメは着物での散策。近くの呉服店「大洞(英語名Kimono Oobora)」」でレンタル&着付けサービスが提供されています。
飛騨古川の古い町並みは、着物との相性抜群。きっとよい思い出写真が撮影できるはず!
駅からも歩いて10分足らずの距離になるので、飛騨古川を拠点に飛騨高山など周辺観光地を目指すのもよいでしょう。ちなみに飛騨古川は、映画『君の名は。』のモデルとなった土地でもあります。駅をはじめ、市内にはいくつもの『君の名は。』に登場した場所があるので、ファンの方には聖地巡礼も楽しいでしょう。
古川の魅力は、特定の観光スポットというより、古川という土地の時間と空間そのもの。気ままに町を散策したり、宿でのんびりしたり、地元の方と触れ合ったり、普段とは違う非日常の時間を過ごしてください。
末広の家が2泊から利用を受け付けているのも、じっくりと古川を味わってもらうという思いがあるそうです。
注意点
飛騨古川の町は居酒屋などのお店をのぞき、夕方には閉まってしまうお店がほとんどです(近隣に24時間営業のコンビニエンスストアはあり)。飛騨の食材や地酒を飲んで味わいたい方は、昼間のうちに買い出しを済ませておくのがよいでしょう。
また、飛騨古川の方はシャイな方が多いです。しかしいざ言葉を交わせば、みなさんとても親切でフレンドリー。飛騨古川の町を歩いていて地元の方に出会ったら、ぜひこちらからあいさつを交わしましょう。
MATCHAで最高の仕事をしている編集・プロデューサーです。