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夏の風物詩「鵜飼い」とは?鵜飼いが見られるスポット5選〜期間、料金など〜
「鵜飼い(うかい)」とは、鵜と呼ばれる鳥を使って川魚の鮎をとる日本古来の漁業です。岐阜県の長良川、愛媛県大洲市の肱川、大分県の三隅川が日本三大鵜飼いです。鵜飼いとはどんな漁法か、どこで見られるか(季節、料金など)を紹介します。
鵜飼い(Cormorant Fishing , Ukai)とは
© JNTO
「鵜飼い(うかい)」とは、日本に生息するカツオドリ目ウ科の鳥「鵜(う)」を使って魚を獲る伝統的漁業で、5月〜9月に行われます。
鵜には、捕らえた魚を喉にためて吐きだす習性があり、この習性を利用して鵜飼いでは鵜に鮎(あゆ,sweet fish)を獲らせ、それを人間が吐きださせるという手法をとっています。
鵜飼いは、1〜3人の人と5~12羽の鵜によって行われます。夜、川に舟を出し、舟先の篝火(かがりび)で水面を照らして鮎を驚かせ、動きが鈍った鮎を鵜が捕らえるのです。
鵜には頸元にゆるく縄が巻かれ、小さな魚は胃に落ち、大きな魚がそのまま喉元で止まるようになっています。
夏の風物詩である鵜飼は、見る人を魅了する日本の伝統行事の1つ。本記事では、鵜飼いの概要とその歴史、日本で鵜飼いが見られるスポットをご紹介します。
目次
1.「鵜飼い」とは
2.「鵜飼」の歴史
3.「鵜」ってどんな鳥?
4.「鵜匠(うじょう、うしょう)」とは
5.「鵜飼い」が見られるスポット5選
6.よくある質問(FAQ)
「鵜飼」の歴史
鵜飼いの歴史は古く、今から1300年以上前にまで遡るとされています。当初は食料を得るための実用的な漁法でしたが、次第に貴族や武士の間で娯楽としても楽しまれるようになりました。
鵜飼は現在、日本の数カ所で行われていますが、岐阜県の長良川(ながらがわ)、愛媛県大洲市の肱川(ひじかわ)、大分県の三隅川(みくまがわ)で行われる鵜飼いが、日本三大鵜飼いとされています。
中でも、岐阜県の長良川で行われる鵜飼いは「御料鵜飼」と呼ばれ、禁漁区である御料場で皇室の保護のもとに行われている日本唯一の鵜飼いです。
「鵜」ってどんな鳥?
鵜は視力が優れ、人に懐きやすい鳥です。鵜飼いで使われる鵜は、3年ほど人によって訓練されたのち、人と一緒に漁を行います。鵜は、鵜飼いを行う人(鵜匠)と一緒の家で暮らし、家族や子どものように大切に扱われます。
鵜が年をとり、活躍できなくなったあともこの共同生活は続きます。鵜と鵜匠は固い絆で結ばれているのです。
「鵜匠」とは
「鵜匠(うじょう、うしょう)」とは、鵜を使って魚をとる漁師のこと。紺色の漁服(りょうふく)と呼ばれる服に、藁の腰蓑をつけた伝統的な衣装で漁に出ます。
鵜飼いの中でもとくに歴史のある岐阜県の岐阜市と関市で行われる長良川の鵜飼いは、皇室によって保護されています。長良川の鵜匠は宮内庁(the Imperial Household Agency)の職員という身分をもっています。
鵜舟(うぶね)
©️(一社)岐阜県観光連盟
鵜飼いで使われる木製の舟。大きさはだいたい13〜15メートルほど。
日本で鵜飼いが見られる場所5選
鵜飼いは、鵜飼いが行われる川の川岸や橋の上からも見学できますが、より間近で見られるように船が出されることもあります。日本の夏休み期間である7月や8月は船上での見学がとくに混み合います。
7月、8月に鵜飼いを見たい人は、早めに船を予約するようにしましょう。
1. 岐阜県・長良川の鵜飼い
© JNTO
毎年、5月11日から10月15日まで、中秋の名月と川の増水時を除いて毎晩行われます。橋の上や川岸からも鵜飼いは見学できますが、より近くで見たい場合は、観覧船に申し込みましょう。
申し込みは鵜飼観覧船事務所のHPからできます。料金は大人3,500円〜。船内に英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語のパンフレットもあり。
岐阜市鵜飼観覧船事務所
住所:岐阜市湊町1-2
期間:毎年5月11日から10月15日 ※2024年9月17日鵜飼休み
公式HP:https://www.ukai-gifucity.jp/ukai/e/
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2. 愛媛県大洲市・肱川(ひじかわ)の鵜飼い
「【日本三大鵜飼】大洲の夏の風物詩「鵜飼」を間近で見よう!」より
毎年6月〜9月に行われます。「合わせ鵜飼い」の発祥で知られる大洲の鵜飼いは、日本三大鵜飼いの1つ。
大洲まちの駅「あさもや」内にある大洲観光総合案内所で遊覧船の申し込みができます。乗合船は大人1人4,000円、弁当付きの場合は大人1人8,000円です。
そのほか、大洲市の観光情報はこちらをご覧ください。
大洲まちの駅「あさもや」内 大洲観光総合案内所
住所:愛媛県大洲市大洲649-1
期間:毎年6月〜9月 ※2024年は年6月1日~9月20日
公式HP:https://ozuukai.com
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3. 大分県日田市・三隅川(みくまがわ)の鵜飼い
九州地方の大分県日田市でも鵜飼いが行われています。日田市では地域のホテルや旅館が、鵜飼いを見ながら船上で食事を楽しめる屋形船を出しています。屋形船の有無や乗船料は各旅館のHPなどで確認してください。
期間:毎年5月20日~10月31日
公式HP:https://oidehita.com/
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4. 京都府宇治市・宇治川の鵜飼い
Photo by Pixta
京都の宇治川の鵜飼いは、7月から9月にかけて行われます。乗り合い船で鵜飼いを見る場合、大人1人の料金は2,300円と比較的安価で、予約は不要です。
期間:毎年7月1日~9月30日
公式HP:https://www.kyoto-uji-kankou.or.jp/ukai.html
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5. 京都府京都市・大堰川(おおいがわ)の鵜飼い
7月1日~9月23日にかけて行われる大堰川の鵜飼いは、嵐山の幻想的な夜景とともに間近で鵜飼い見物ができます。夏の夜、京都で日本の伝統をぜひ体験してみては? 料金は、大人2,300円、子ども1,200円で予約は不要です。
期間:7月1日〜9月23日 ※悪天候の場合は欠航。
公式HP:https://arashiyama-yakatabune.com/home/arashiyama_ukai/
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そのほかで鵜飼いが見られる場所と開催期間、料金など
このほか、下記の地域でも鵜飼いが行われています。
・愛知県の犬山市・各務ヶ原市の木曽川:毎年6月1日~10月15日の毎日、8月10日を除く、船の料金大人3,500円〜
・広島県三次市の馬洗川(ばんせんがわ):毎年6月1日~9月10日開催、船の料金大人4,000円〜、三次市観光協会にて現地または、HPから予約
・山口県岩国市の錦川:毎年6月1日~9月10日、船の料金大人3,000円〜
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よくある質問
「鵜飼い」とは何ですか?
「鵜飼い(うかい)」は、日本に生息するカツオドリ目ウ科の鳥「鵜(う)」を使って魚を獲る日本の伝統的漁業です。
「鵜飼い」の時期はいつですか?
毎年、5月〜9月に行われます。
鵜飼いをする人は誰ですか?
「鵜匠(うじょう、うしょう)」です。鵜を使って魚をとる漁師のことで、紺色の漁服(りょうふく)と呼ばれる服に、藁の腰蓑をつけた伝統的な衣装で漁に出ます。
鵜飼いは雨が降ったら中止ですか?
鵜飼いは雨の日も実施されます。ただし、大雨や台風による増水などで中止になる場合があります。
鵜飼いはどこで見られますか?
以下、日本鵜飼いが見られる代表的なスポットです。
【岐阜県】長良川の鵜飼い
【愛媛県】大洲市・肱川(ひじかわ)の鵜飼い
【大分県】日田市・三隅川(みくまがわ)の鵜飼い
【京都府】宇治市・宇治川の鵜飼い
【京都府】京都市・大堰川(おおいがわ)の鵜飼い
日本の夏の伝統行事を楽しもう!
日本三大鵜飼いを始め、国内で鵜飼いが見られるスポットは限られています。日本でしか見られない、夏の風物詩をぜひこの機会にお楽しみください。
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※本記事は2017年7月に公開した記事をリライトしたものです。
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