ライター MATCHA

【日本の夏】6月~8月の祭りと行事を体験してみませんか?
日本には伝統的な行事や祭りがたくさんあります。今回は、夏(6月、7月、8月)に行われる行事や特徴的な祭りをご紹介します。ぜひ日本観光の際に日本の文化や風習に触れてみてください。
年々暑さが増すと言われている日本の夏ですが、夏ならではの楽しみがあるのは、昔から変わりません。7月1日には、富士山をはじめ、夏の一定期間だけ開山する山の「山開き」の神事が行われ、夏のレジャーシーズンが始まります。6月〜8月の暑さを楽しむ祭りや行事を体験してみてください。
6月の行事
梅雨入り

梅の実が熟す頃に雨が降り続くということで、毎年6月10日前後は「梅雨入り(つゆいり)」と呼ばれています。ここから約1カ月間は「梅雨」という雨季です。
観光には不向きと思われがちですが「梅雨晴れ(つゆばれ)」と呼ばれるような一時的に晴れることもありますし、「空梅雨(からつゆ)」と呼ばれる、雨量の少ない年もあります。また「梅雨寒(つゆざむ)」と言って、季節はずれの寒さに見舞われることもあるので、日々、天気予報のチェックをお忘れなく。
7月の祭りと行事
七夕
七夕(たなばた)は、中国の星伝説と宮中行事が結びついて、日本独特の行事となりました。神様に引き離された、ひこ星とおり姫(※1)の夫婦が、1年に1回、7月7日だけ、空の天の川(※2)を渡って会うことが許されるという、ロマンティックな伝説に基づく行事です。

家庭では、笹竹に、飾りやさまざまな願い事を書いた短冊(たんざく)という紙を下げ、願いを込めながら星空を見上げます。

太陰暦で7月7日にあたる8月7日前後に「七夕まつり」として、豪華な飾りが有名な「仙台七夕」(宮城県)、浮世絵や美人画が描かれた大小数100百の絵が夜空を艶やかに彩る「七夕絵どうろうまつり」(秋田県)など、各地で美しい七夕まつりが行われています。
※1:ひこ星とおり姫……ひこ星は「わし座のアルタイル」、おり姫は「こと座のベガ」を指すと言われている。この2つに「はくちょう座のデネブ」を加えた3つ星座を結んで、「夏の大三角形」と呼ばれる。
※2:天の川(あまのがわ)……晴れた夜空に帯状に見える無数の恒星の集まりで、日本では、夏から秋に最もよく見える。
祇園祭
祇園祭(ぎおんまつり)は、9世紀から続く八坂神社(京都市東山区)の伝統的な祭礼。毎年7月1日から1カ月間に渡って行われる、日本を代表する祭として知られています。

「【夏】お囃子に山鉾。京都の祇園祭をちらっとのぞいてみませんか。より」
最大の見どころは、ユネスコ無形文化遺産にも選ばれた「山鉾巡行(やまぼこじゅんこう)」。17日の「前祭(さきまつり)」と24日の「後祭(あとまつり)」に分かれて行われ、前祭では23基、後祭では10基の山鉾が京都市内を練り歩きます。
「山鉾」とは、神社の祭礼に引かれる屋台の飾り物のことで、祇園祭の山鉾は、旧家や老舗が持つ宝物が披露されるため、「動く美術館」とも言われています。
隅田川花火大会

7~8月は、各地で花火大会が開催されていますが、なかでも、隅田川花火大会(すみだがわはなびたいかい)は、全国的に有名です。東京の浅草や向島周辺に近い隅田川沿いの河川敷で、毎年7月の最終土曜日に大勢の見物客でにぎわいます。
時間帯は、午後7時すぎから1時間半。会場は、第一会場(桜橋下流~言問橋上流)と第二会場(駒形橋下流~厩橋上流)の二カ所で、合計約2万発の花火が打ち上げられます。第一会場では、創作花火のコンクールも行われるため、珍しい花火を見ることができます。
※天候によっては、順延や中止になることもありますのでご注意ください。
土用の丑の日

「浅草に来たなら食べておきたい! 伝統の和食名店10選」より
古代中国の暦で、夏の「土用(どよう)の丑(うし)の日」にあたる日に、日本ではたんぱく質やビタミンが豊富で夏バテに効くウナギを食べる風習があります。

「江戸時代から続く館山の老舗「新松」で鰻の二段重に舌鼓」より
ウナギは、身を開いて甘じょっぱいタレをつけながら焼いた「蒲焼(かばやき)」を、白米にのせる食べ方が一般的。
「土用の丑の日」は、太陽暦に基づいていないので年によって微妙に日時がずれ、2016年は、7月30日が土用の丑の日です。あちこちのウナギ屋から、香ばしい蒲焼の香りが漂ってくることでしょう。
8月の祭りと行事
阿波おどり
阿波おどり(あわおどり)は、徳島県を発祥とする伝統芸能の1つです。約400年の歴史があり、夏季には県内だけでなく日本各地で開催されていますが、最大規模を誇るのは「徳島市あわおどり」です。

ここで開催されるのは、毎年8月12日から15日までの4日間。期間中、約130万人の見物客、約10万人の踊り手が訪れると言われるほど、徳島市の中心街一円は踊りの渦に巻き込まれます。
「連(れん)」と呼ばれる踊り手のグループが多数あり、それぞれに工夫を凝らした衣装や踊りを見せてくれます。最近では、見ているだけでは物足らず、踊りに飛び入り参加する訪日旅行客の姿も増えているそうです。
京都五山送り火

京都五山送り火(きょうとござんおくりび)は、毎年8月16日の夜に、死者の霊を送るために、京都を囲む5つの山に火が灯される、伝統的な仏教行事です。
火は、午後8時から、それぞれ「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の順番で灯され、30分間、暗い夜空に幻想的に浮かび上がります。