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東京を満喫したあとはここ!長野「森林セラピー®」の癒しポイント5つ
大都会の東京から約2時間半、長野県北部にある信濃町は自然豊かな町。ここでは心身のリフレッシュに効果的な「森林セラピー®」が体験できます。また、現地で採れたフルーツや野菜が堪能できるところも魅力のひとつ。自然が好きな方、旅行してリフレッシュしたい方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
東京から約2時間半で癒しの土地へ
大都会・東京から新幹線に乗り2時間。長野駅でしなの鉄道北しなの線に乗り換え35分ほど行くと、標高2053mの黒姫山がそびえたつ黒姫駅に到着します。
黒姫駅のある信濃町は、長野県北部の自然がとても豊かな地域。カヤックツアーやスキー、トレッキングなどさまざまな体験が楽しめる場所です。
今回は、信濃町に来たらぜひ体験したい「森林セラピー®」について、その効果と魅力を紹介していきます。
森林セラピー®とは
森林セラピー®は、「森を、心と身体の健康作りに活かす」という試みから始まりました。森の中に入り、樹木に触れ合うことで心身を癒し、リフレッシュ出来るところが特徴です。現在日本では、神奈川県箱根の芦ノ湖畔など62か所がセラピー効果のある場所として認定されています。
森林へはセラピーガイドと一緒に入ります。ガイドの方が森の説明やその効果を伝えてくれたり、気持ちよく過ごすためのサポートをしてくれますよ。
タイ出身のカラヤさん(写真左から2番目)、ボウさん(中央)、レックスさん(右から2番目)
今回は3時間コースを体験しました。一緒に森の中へ入った訪日観光客は、タイから来た写真中央の3名。彼女たちが魅力に感じていたところをピックアップして、森林セラピー®の癒しポイントをお伝えします!
どんなことするの?森林セラピー®癒しのポイント5つ
1.ルートに縛られず、自由に散策できる
3時間コースでは、1周約1.2kmの森の中を歩き回ります。特にルートは決まっておらず、ガイドの方と自由に散策するスタイル。そのため、ガイドによって内容も様々です。
どんなことに興味があるか、たくさん歩きたいなど要望を予約時に伝えておくと、それに合ったガイドをしてもらえますよ。
途中、簡単なストレッチをして身体を動かしました。空気がとても澄んでいるので、「呼吸をすること」自体が、ここではとても気持ちのよい体験です。
2.アロマの香り、川のせせらぎで五感を研ぎ澄ませる
人込みの中や、車や工事の音が鳴り響く道路を歩いているとき、人は知らないうちに五感を閉ざし、周りにある不快な状況から気持ちを逸らしているのだそうです。
自分を守るために麻痺し始めた感覚を、森林セラピー®では解きほぐしていきます。耳の後ろに手を置いて、川の音が聞こえる方角を探してみる。少しぬかるんだ地面を歩いて、足の裏から伝わってくる感覚を体験する。
ひとつひとつの動作を意識することで、五感のセンサーが戻ってきます。
少し歩いて立ち止まっては、近くにある木の葉や枝を折り、ガイドの人が私たちに渡してくれました。鼻に近づけてみると、やさしい香りが感じられます。森の中で見つけられる、天然のアロマの香りです。
ボウさんはスギの香りがお気に入りのよう。「アロマオイルがあったら買いたい!」と言っていました。
日本にだけしか生えていないと言われる「クロモジ」の木。成分はローズウッドに近くリフレッシュしたいときにぴったりです。香りはユーカリに似ていました。和菓子を食べる時の楊枝代わりとして使われることもあるそうですよ。
アロマの香りは自律神経のバランスを整えてくれます。杉の葉を手でこすってその香りを楽しんだり、川の音を聞いながら休憩をしたり。鈍ってしまった五感を取り戻すことこそが、心身のリラックスにつながると言われています。
3.湖のほとりで心を静める
森の中を寄り道しながら歩き進んでいくと、御鹿池(おじかいけ)と呼ばれる池がありました。ここは瞑想にぴったりのポイント。気に行った場所、気になる場所を見つけ、シートを敷き、30分程度座ってゆっくりしてみてください。
タイの方々はさっそく瞑想を始めました。"瞑想"なんて大げさなものではなくても、複式呼吸を行い、身体を楽にして、時々池に見える水の輪を目で追っていくだけでも大丈夫。自然と気持ちが落ち着いていきます。
4.身体にやさしい食材で、内側からきれいになる
途中、ガイドの方がおやつを用意してくれます。リンゴを煮てレモンとシナモンで味付けしたものは、砂糖を使わずに自然の甘みだけで出来ています。バンブーリーフにくるまっているのは、甘く味付けされた豆。クロモジの木を使って食べます。
歩いた後に、大自然の中で食べる甘いおやつは格別ですよ。
予約時にお願いすれば、お弁当もオプションで付けられます。「癒しの森弁当」は乳製品、お肉を使わないマクロビオティック弁当。地産地消の季節に合った食材を使っているので、食べるとパワーがみなぎってくるようです。
5.心のよりどころを作る
黒姫山の雄大な姿を眺める彼女たちに、セラピーガイドの方が話します。
「森林セラピーを終えて帰った時。仕事に疲れた時。少し目をつむってこの景色を思いだしてみてください。『あぁ、長野県信濃町にこういう景色があったな、こういった木があったな。』と思うと、この癒しの時間が思いだされて、また頑張れるような気がしてくると思うんです」
澄んだ空気、川の音、見上げれば四方八方にのびる枝。ただ森があるだけかもしれないけれど、そこから発信されているエネルギーは確かに私たちの身体に入ってきていました。
「忙しい日々の中で、忘れてしまった大事なものは無いか?」と振り返る機会はどのくらいあるでしょうか。森林の中では、そういった自分と向き合う時間が自然と作られます。
森林セラピー®は忙しく働く企業の社員研修や、仕事で疲れきってしまった方々の回復の場としても提供されているとのこと。閉ざされた感覚を解放して、その人がもっているポテンシャルが発揮できるように、森林のエネルギーを通してサポートしているそうです。
今回体験した3名からも、「社員旅行の場所として使いたい」「プライベートでもまた来たい」と大好評でした。
行き方、申し込み方法
信濃町の観光名所・長野県で2番目に大きな湖の野尻湖
東京から信濃町までは新幹線と在来線を使います。
東京駅から長野駅までは新幹線が便利ですがいくつか行き方があります。詳しくは「最安値は⁉︎ 東京から長野への行き方まとめ」をご覧ください。
長野駅から黒姫駅まではしなの鉄道北しなの線で妙高高原行に乗り約35分。料金は640円です。駅から森林セラピー®の場所までは、予約時に送迎をお願いするか、タクシーを使うとよいでしょう。
森林セラピー®は事前にメールで申し込みます。電話も可能ですが、日本語での対応がほとんどのためメール(shinanomachi.wlc@gmail.com)がオススメ。英語ができるスタッフがいるので、予約やガイドは英語で受けることができますよ。
1人で3時間コースを受ける場合は10,000円/人、2~5人の場合は15,000円/人。いずれも税込です。
予約できる宿泊地のひとつ「ログハウスペンション HOLY」
宿泊を希望する場合は1泊税込10,800円/人~可能なので、こちらも森林セラピー®予約時に確認してみてください。
オススメの時期は5月中旬から6月。新緑の季節になり、森が生き生きとしていますが、日本では連休直後のため日本人観光客が一番少ない季節だそうです。冬は雪、秋は紅葉など、もちろん年中楽しめます。
雪の時期はかなり冷え込みます。カイロを背中やお腹に貼ったり、ダウンコートの着用、ズボンの下にタイツを履くなど、大げさすぎるくらいの防寒対策をしていく方がよいですよ。
また土の中を歩くので、トレッキングシューズのような、歩きやすく汚れても大丈夫な靴で行ってください。
心と身体をリフレッシュしたい方は信濃町へ
長野県はリンゴも有名です。「道の駅しなの ふるさと天望館」では、長野県産のリンゴを丸々1個オーブンで焼き、黒姫高原の牛乳で作られたソフトクリームをのせて食べる「焼きリンゴ」が楽しめます。コーヒーまたは紅茶セットで税込550円。
森林に入って五感を研ぎ澄ませ、その土地で採れた食べ物を味わう。現地に訪れたからこそできる体験を、長野県信濃町で堪能してみてはいかがでしょうか。
取材協力:株式会社さとゆめ
MATCHA編集者兼フリーライター。東京生まれ東京育ち東京在住。これまで渡航した国は30か国以上、住んだ県は4県。日本旅行はもうすぐ全都道府県を制覇!「読んだからこそわかるその土地の魅力」が伝えられることを目指して記事を作っています。森とお寺とラクダが好きです。