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旭川のオススメスポット6選 ~旭山動物園、雪の美術館、上野ファームなど~
北海道のほぼ中央に位置し、札幌の次に人口の多い大都市・旭川。雄大な大雪山連峰に囲まれ、石狩川をはじめとする多くの河川が流れる、四季の変化に富んだ美しい町です。 都市と自然が融合する、個性的なこの街の歩き方をご紹介します。
好アクセスで、旅行者に人気の高い旭川
自然と都市のよさが両方楽しめる、北海道の中でもめずらしい街・旭川。見る・食べる・買う・遊ぶ、がすべて堪能でき、観光客からの人気も年々高まっています。
大雪山系の雪解け水や伏流水(ふくりゅうすい)、そしてひんやりと涼しい気候により、旭川では米をはじめとする農業が盛んです。道内2位の人口を誇る大都市だからこそ、地元でとれた米や野菜、道内各地から集まる新鮮な魚介などを扱ったお店が数多くあります。
航空路線も充実し、国内外から年間500万人を超える観光客が訪れています。2018年11月には、旭川空港に国際線専用ターミナルが設けられる予定。さらに上質な旅を体験できるでしょう。
今回は、旭川に来たら訪れたいスポットを7つ紹介します。
1.大迫力の行動展示が魅力! 「旭山動物園」
「ペンギンが空を飛ぶ? ユニークな展示が魅力の『旭山動物園』」より
旭川といって真っ先に名前が挙がるのは、日本最北端の動物園である旭山動物園。一時は来場者が激減していたものの、独創的なリニューアルをして国内有数の動物園に生まれ変わりました。
それが「行動展示」と呼ばれる展示方法。野生に近い環境を作ることで動物たちのストレス解消を促し、活発な動きを取り戻してもらう方法です。さらに動物との距離を限りなく縮め、来場者との一体感を演出しています。
なかでも人気なのは、かわいらしいホッキョクグマ。ダイナミックに巨大プールへ飛び込む姿が見られるほか、アザラシの低い視点からホッキョクグマを観察できる「シールズアイ」も体験できます。
2.「雪の美術館」で、氷の世界にトリップ
Picture courtesy of 雪の美術館
エントランスを入ると、雪の結晶と同じ六角形の螺旋階段が目をひく「雪の美術館」。降りるに連れて室温が下がり、氷の回廊が姿を現します。
特殊なノズルで地下水を霧吹き状にして、凍らせて作った氷の造形の数々。建物の雰囲気と相まって、まるでディズニー映画『アナと雪の女王』の世界! 少しずつ表情を変える氷の造形を、一年を通して鑑賞することができます。
また圧巻なのが、顕微鏡撮影した雪の結晶約200枚を、天井から壁一面ステンドグラス状に展示した「スノークリスタルミュージアム」(写真)。気温が下がるほどに、六角形の「氷の枝」が美しく開きます。
ほかにも気に入ったドレスを選んで館内撮影ができる「お姫様体験」、荘厳な音楽堂でのコンサートなど、さまざまな楽しみ方があります。
入館料及び割引特典や各種利用料金などはこちら:http://yukibi.marryblossom.com/abouts/
3.日本の伝統産業・酒造りがわかる「男山酒造り資料舘」
2Fは浮世絵に描かれた男山や、酒造り秘宝の古文書などの展示(Picture courtesy of 男山株式会社)
日本百名山である大雪山の伏流水とこだわりの米を使い、醸造に適した厳しい寒さの旭川で造られる日本酒「男山」。キリッとした辛みの中に感じる米の旨みと、口当たりの軽さが特徴です。
そんな男山の歴史、日本の伝統産業である酒造り文化を伝えているのが「男山酒造り資料舘」です。江戸時代の貴重な文献や、酒器などの展示を行っています。
3Fは、大きな桶を中心とした昔の酒造り道具の展示。5ヶ国語(日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語)に対応した、日本酒の製造工程と男山の歴史VTRも上映中です。
そして1Fでは、男山の試飲も可能。季節限定や資料舘限定など、ここでしか味わえない商品もたくさん取り揃えています。
4.ラーメン好きにはたまらない「あさひかわラーメン村」
Picture courtesy of あさひかわラーメン村
旭川のご当地グルメといえば、ラーメン。特徴は、豚骨・鶏ガラでとった肉類の出汁と、魚介出汁を合わせたダブルスープです。それをベースにした醤油味が、旭川ラーメンの定番となっています。
スープにはラードが使われており、極寒の旭川でも、油の膜によりスープが冷めにくいというオリジナルの工夫も嬉しいところです。
あさひかわラーメン村では地元・旭川を拠点にする8店舗が軒を連ね、日々個性を発揮しながら進化し続けています。食べ比べをしたいけれど、1杯食べたらお腹がいっぱいになってしまう……という人でも大丈夫。各店では、小さいサイズのラーメンも取り扱っています。
旭山動物園や上野ファームなどにも近いため、旭川ラーメンを堪能した後に観光するという流れもスムーズ。帰りに、もう一度寄りたくなってしまいそうです。
5.昔ながらの人情が息づく「旭川平和通買物公園」
Picture courtesy of 旭川平和通商店街振興組合
旭川平和通買物公園は、1972年に開設された日本初の歩行者専用道路。多彩な飲食店はもちろん、生活用品などが購入できるお店もたくさんあり、古くから市民の暮らしを支えてきた商店街です。その範囲はJR旭川駅前から、約1キロメートルにわたって伸びています。
おみやげを買うなら「まちなか交流館ショップ」へ。旭川のキャラクターグッズから加工品、工芸品まで、見ているだけで楽しくなりそうな品揃えが見ものです。
また、北海道名物・ラム肉を使ったしゃぶしゃぶが食べられる「べんけい」も人気店のひとつ。臭みもなく柔らかい極上のラム肉を、ジンギスカンとはまた違う食べ方でどうぞ。
買物だけでなく、毎年2月に行われる旭川冬まつりの同時開催イベント「氷彫刻世界大会」や、8月の「旭川夏まつり」、9月の「北の恵み食べマルシェ」の会場一部としても、多くの人を集めています。
6.眺めるもよし、歩くもよし、の「旭岳」
旭川に隣接する東川町に、標高2,291メートルと北海道でもっとも高い山・旭岳があります。日本の百名山にも選ばれた美しい山です。
登山シーズンは、6月下旬から10月初旬。例年、6月第3週末が山開きの予定です。7月下旬にかけてピークとなる高山植物の花々が、足元をカラフルに染める様子はまさに楽園。その美しさは「神々の宿る庭」と称されるほどです。
日本でもっとも紅葉が早く見られる場所でもあります。シーズンは9月中旬から下旬です。この時期は特に、多くの観光客が訪れます。
また約1時間ほどのトレッキングコースを歩いたり、日本で一番オープン期間が長い(12月から5月)「旭岳スキーコース」でスキーを堪能したりと、さまざまな過ごし方ができます。
周辺には9軒の宿泊施設があり、温泉も完備されているのが嬉しいところ。旭岳で1日景色やスポーツを楽しんだあと、近くのホテルやロッジなどでのんびりと温泉に浸かって疲れを癒すのも旅のいい終わり方ですね。
旭川駅、旭川空港と旭岳を結ぶシャトルバス「いで湯号」が1日4往復運行しています。時刻表はこちら。
ロープウェイ運行予定表や運賃などはこちら。
7.訪れるたびに表情が変わる「上野ファーム」
Picture courtesy of 上野ファーム
上野ファームは、四季折々でいろいろな花が咲き乱れるガーデン。その広い敷地内に、なんと2000品種以上もの植物が季節ごとに咲き変わります。訪れる時期がひと月違うだけで、見られる風景が異なるのも興味深いです。
花の色がとても濃かったり、開花時期が違うはずの花が一緒に咲いていたりと、日本の他の地域とはまた違う、北海道ならではの植物の自然な姿が見られるのも面白いところ。ガーデナーはこれを「北海道ガーデン」と呼んでいます。
また古い納屋を改造してできた「NAYAcafé」では、北海道の素材を中心に扱った軽食やスイーツなどが楽しめます。6月から9月までの毎週末は、近郊に住む農家さんがもぎたての新鮮野菜を販売する「週末マルシェ」も開催(収穫状況によってお休み)。農家さんとの会話も弾みます。
旭岳に行くなら、もう1泊追加を
今回取り上げたスポットは、比較的旭川の市街地から離れていないため周りやすいといえます。しかし旭山動物園や上野ファームなど、半日程度滞在してしっかり堪能したいスポットも多いため、余裕を持った旅程を組むのがよいでしょう。
特に旭岳は旭川市の隣にある東川町にあり、市街地からは距離があるため、旅程を組む時は注意が必要です。旭岳の周辺には宿泊施設も多いので、行くと決めたら宿も一緒に取りましょう。
1〜2泊して市街地観光、旭岳に行くならさらに1泊追加、という旅程がオススメです。近隣には富良野・美瑛もあるため、車でのんびり旅をするならさらに伸ばしてもいいかもしれません。
旭川の冬の一大イベント「旭川冬まつり」
Picture courtesy of 旭川市観光課
毎年2月に行われる「旭川冬まつり」も見ものです。約1週間をかけて、様々な催し物が行われます。
メインは、各所に配置される大迫力の雪像たち。夜にはライトアップやプロジェクションマッピング、花火なども行われ、市民および観光客の目を楽しませています。そして「冬マルシェ」には旭川ラーメンをはじめ、北海道北部のグルメがずらり。冷えた体も温まります。
テーマも毎年変わるため、公式HPでチェックしてみてください。
旭川冬まつり
会場:常磐公園
アクセス:JR旭川駅から期間中、無料シャトルバスを30分間隔で運行(約20分)。
※会場内に駐車場はありません。
公式HP:
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/awf/index.html
旭川へのアクセス方法
旭川はアクセスのよさにも定評があります。JR4線の始終点となっているほか、国道も4本通っており、新千歳空港や札幌などの主要都市をつなぐ道央自動車道も開通。旭川を起点に、道内の観光地を巡る人もたくさんいます。
旭川空港から市街地(JR旭川駅)まで
バスの利用が便利です。空港専用バスで30〜40分(運賃620円)。路線バスも同様で、行き先には旭岳(約50分、運賃1,000円)、旭山動物園(約35分、運賃550円)もあります。
レンタカーを借りても約30分で到着できます。旅全体の移動手段について考えながら選択しましょう。
JR札幌駅からJR旭川駅まで
JR特急で約1時間25分(運賃2,490円、指定席はプラス2,320円)、各駅停車で約3時間です(運賃2,490円、指定席なし)。
高速バス(運賃2,060円)を使えば、約2時間で到着できます。
レンタカーなら高速道路(札幌IC~旭川鷹栖IC 高速道路料金3,320円)を使って約2時間です。一般道利用であれば、約3時間で着きます。
新千歳空港からJR旭川駅まで
今春から、新千歳空港とJR旭川駅を結ぶ都市間バス「たいせつライナー」が1日4往復運行。
国内線・国際線ターミナルから、片道約2時間45分(運賃片道3,500円、往復6,500円)で移動できます。詳しくはこちら。
公共の交通機関とレンタカーを上手に組み合わせて
旭川市内の移動手段については、公共の交通機関が便利です。今回ご紹介したスポットまでは、旭川空港およびJR旭川駅からバスや電車などが発着しているため、車の運転が苦手な方でも観光しやすくなっています。
ただ、近隣の富良野・美瑛への観光を考えている方や、札幌までのんびり途中下車しながら旅を楽しみたい方は、レンタカーを借りて便利に移動しましょう。
旅の出発点・終着点に、旭川
美しい自然と、都市の利便性や楽しさが融合している旭川。夏と冬に、それぞれの楽しみ方があります。札幌から富良野・美瑛、そして旭川……と、長く北海道を旅行したい人の出発点(または終着点)にもオススメの町です。