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東京から日帰り旅!海の街・横須賀で訪れたいスポット7選
横須賀は神奈川県東部の港町。東京からは電車で1時間以内にアクセスできます。本記事では、どぶ板通りや名物グルメ・横須賀海軍カレーの店、三笠公園やくりはま花の国といった名所を紹介します。
港町・横須賀で海辺の暮らしに触れる
横須賀は、神奈川県の東部にある港町です。東京の「京急品川駅」から京急線の特別快速に乗って「京急横須賀中央駅」までは45分ほど。
三方を海に囲まれた横須賀は、日本の海港の歴史上、重要な役割を果たしてきました。1853年、日本に開国を求めたペリー提督率いる黒船が浦賀水道(うらがすいどう)に来航。以来、日本と西洋諸国との通商が本格化したのです。
近代以降も港町として栄えた横須賀。現在も船乗りの街として知られ、開放的で国際的な雰囲気を保っています。この街で1日過ごせば、港町ならではの文化、素晴らしい眺望、そして日本の海港の歴史の一端を感じることができるでしょう。
東京から日帰りで満喫できる横須賀の旅を紹介します。
1. どぶ板通り――横須賀のファッションと食事を堪能
米軍基地近くにあるどぶ板通りは、日本とアメリカの文化が融合した場所。米兵がよく利用する店舗やカフェ、バーなどが並んでいます。
通りに店を構えるアパレル店のほとんどは、ビンテージ・ファッションやミリタリー調の衣類を扱う店舗です。横須賀の名物・スカジャンと呼ばれる派手でおしゃれな刺繡入りのジャケットも売られています。
昼間はレストランやカフェで、横須賀ネイビーバーガーやよこすか海軍カレーといった名物料理を味わうことができます。夜になってバーが営業をはじめると、辺りは一層賑やかになります。
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2. 三笠公園――日本の海軍史に触れる
「三笠公園」は、港に面した公園で、横須賀の沖合に浮かぶ無人島・猿島を望むことができます。海を見ながらゆっくりと過ごせます。
1905年の日露戦争で活躍した記念艦「三笠」はここに係留され、戦艦内部は日本海軍の歴史を学べる資料館となっています。
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3. 横須賀海軍カレー本舗――名物料理を味わおう!
「横須賀海軍カレー本舗」は、横須賀名物"海軍カレー"の専門店です。横須賀中央駅から徒歩3分。1Fはレトルトカレーやおみやげを販売する店舗で、2Fがレストランです。
店の入口に立っているのは可愛い水兵さんのマスコット。
レストランの内装は船がテーマ。落ち着いた雰囲気です。
筆者は、横須賀海軍カレーのスペシャルセット(1,380円)をオーダーしました。ビーフ(チキン)カレー、ライス、牛乳、サラダにコーヒー(紅茶)が付いています。
店のカレーは1910年頃の調理法を参考に作られています。この時代、日本海軍は兵員の健康と栄養バランスを改善するため、西洋料理を取り入れていました。海軍は栄養価の高い料理としてカレーに着目。日本人の口に合うよう野菜と肉を加えて、しばしば兵員に出したそうです。
その後、カレーは横須賀港の名物料理になりました。食べみると、まろやかさと豊かなコクに驚きますよ!
4. 精栄軒――浦賀湾に面する上品な和菓子
「精栄軒」は横須賀の浦賀地区、浦賀港近くにある和菓子店。創業100年以上の歴史をもつ老舗です。店のロゴは1853年、浦賀水道に現れて日本の歴史を変えるに至った黒船がモチーフ。
精栄軒は、あんこや米粉、黒砂糖といった材料で和菓子を作って販売していますが、カステラのような洋菓子も販売しています。
店のイチオシは、扇形の皮の中にあんこの詰まった「扇海最中(せんかいもなか)」。形は、大海に向かって扇のように広がる浦賀水道にヒントを得ています。
カステラに梅風味のあんこを入れたお菓子「出逢い」も人気です。東洋と西洋の文化が横須賀の地で出会ったことを表現しています。
5. 叶神社――東西で対になった神社に参拝
清栄軒の前の道路を渡ったところにあるのは「西叶神社」で、浦賀の西側を守護する神様が祀られています。
叶(かのう)という名前は「叶(かな)う」、つまり「願いが思いどおりになる」という日本語に由来しています。これは、祀られている神様が願いを聞き入れてくれると信じられているためです。
西叶神社と一緒にお参りするとよいとされる「東叶神社」は、浦賀港を挟んだ場所にあります。
東叶神社を訪れるときは、近くの船乗り場から赤い渡し船に乗ります。運賃は200円で、乗客が集まれば船が出ます。
西叶神社で勾玉を購入して、東叶神社のお守り袋に入れると願いが叶うと言われています。試してみてはいかがでしょうか。
6. くりはま花の国―― 四季折々の花の楽園
「くりはま花の国」は広大な敷地をもつ公園で、四季を通して美しい花々が咲いています。海が見えて遊び場も多いため、お子様連れでも楽しめます。園内には、レストランやカフェもあります。
ここではとくに、秋に咲くピンクのコスモスが有名です。筆者が訪れたのは夏の終わりで、オレンジ色のキバナコスモスが満開でした。
7. 観音崎公園―― 灯台と美術館で寛ぐ
「観音崎公園」は、東京湾を一望できる海辺の公園です。足元に寄せる波を感じながら岸辺を歩くこともできます。園内の「観音崎灯台」は写真映えするスポットとして人気です。
公園の側の海沿いの土地には「横須賀美術館」(※)もあります。近代日本人アーティストの作品を中心に、5,000点を越える収蔵品があります。美術館は自然光がたっぷりと入る設計で、海の眺めが楽しめます。ゆったりと午後を過ごすのに最適の場所です。
※横須賀美術館は2020年5月6日まで臨時休館しています。
よこすか満喫きっぷを活用しよう
東京から横須賀へ行くときにぜひ活用したいのが、京浜急行のお得な「よこすか満喫きっぷ」(※)です。泉岳寺以外の京急線の駅で購入でき、乗車駅によって値段が変わります。
品川駅からの値段は3,110円。横須賀までの往復乗車券と京急バスのフリー乗車券(切符A)、「食べる券」(切符B)と「遊ぶ券」(切符C)の3枚セットです。切符BとCは、加盟店舗で食事やおみやげと交換できます。よこすか満喫きっぷを使うと、次のような旅行に出かけられます。
9:00前に品川駅を出発、横須賀中央駅で下車(切符A)→どぶ板通り→三笠公園→横須賀海軍カレー本舗で昼食(切符Bを使用)→浦賀駅に移動(切符A)→精栄軒で切符Cとお菓子を交換→西叶神社にお参り→くりはま花の国、または観音崎公園に移動してのんびりと過ごす(切符Aでバスを利用)
バスに乗るときに、切符Aを運転手さんに提示してください。
横須賀では、美しい海の眺めと街の歴史、そして溌溂とした雰囲気に触れ、リフレッシュできますよ。海に面した美しい街への旅を堪能してください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、当面の間発売を休止しています。
2016年よりMATCHA編集者。 能楽をはじめとする日本の舞台芸術に魅せられて2012年に来日。同年から生け花(池坊)と茶道(表千家)を習っています。 勤務時間外は短編小説や劇評を書いていて、作品を総合文学ウェブメディア「文学金魚」でお読みいただけます。