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【愛知県】木曾川のほとりに建てられた国宝・犬山城〜見どころ、アクセス、犬山祭など〜
木曽川のほとりに建てられた国宝犬山城。戦国時代に築城された城で、敷地内・城内には敵を欺く工夫がいっぱい。そんな歴史を感じさせる犬山城の城下町犬山市では毎年4月に犬山祭が開かれます。魅力あふれる犬山城をご紹介します。
犬山城とは
愛知県の犬山市にある犬山城は、戦国時代の1537年に織田信長の叔父である織田信康(おだのぶやす)が建てた城です。現在は天守(※1)しか残っていませんが、現存の天守として国宝に指定されています。この天守は木造の天守としては、日本で最古のものです。
犬山城は木曽川の岸辺にある高台に建てられているため、敷地は、下から松の丸、桐の丸、縦の丸、杉の丸、本丸と階段状になっています。
敷地内には、現在は枯れてしまった「大杉様(おおすぎさま)」と呼ばれる神木があります。
この木は犬山城の東側にあり、城よりも背が高かったため、1959年、愛知県に甚大な被害を及ぼした伊勢湾台風が上陸したとき、城ではなく、この杉の木に落雷がありました。1965年頃には枯れてしまいましたが、城を救ってくれた杉ということで、櫓を建て祀ってあります。
※1:天守……日本の城郭に建てられる最も高い建築物のこと。その城のシンボルとなる。
犬山城の基礎情報
犬山城は12月29日~31日が定休日になっていますが、それ以外は9:00〜17:00まで開いています。入場は16:30までです。
入場料は大人550円、小・中学生110円です。
犬山城の見どころ
犬山城の見どころは城の造りです。犬山城が建てられたのは戦国時代(1338年〜1603年頃の動乱の時代)。いつ敵が攻めてくるかわからない激動の時代ですから、城にはいろいろな仕掛けがあります。
まず、敵が簡単に城まで辿りつけないようにする工夫です。犬山城の表門から入るとわかりますが、城がなかなか見えてきません。曲がりくねった道路が城のある高台まで続きます。城がやっと見えるのは、坂道をしばらく登ったところにある入城チケット売り場です。そこから見える犬山城は美しく、しかも威厳があります。
城の中にも敵を欺く(あざむく)工夫があります。そのひとつが階段。階段は急勾配で、1段上がると90度方向が変わりそこから別の階段が続くようになっています。その他、天守の入り口の横から敵を攻撃できる「付櫓(つけやぐら)」や城を警備する武士が隠れ潜むための「武者隠しの間」などがあります。
犬山城への行き方
犬山城へ行くには、東京方面からでも大阪方面からでも、まず新幹線で名古屋駅まで行きます。
東京駅から名古屋駅までは1時間40分程度で、料金は10,360円です。新大阪駅から名古屋駅へ行く場合の所要時間は1時間から1時間20分程度。料金は5,830円です。
名古屋駅で下車し、名鉄(名古屋鉄道の略)名古屋駅まで歩きます。4分で着きます。名鉄名古屋駅から、名鉄犬山急行線に乗り換え、「犬山遊園駅」で降り、西口へ出ます。料金は600円です。犬山城は犬山遊園駅から歩いて約15分です。
東京から名古屋までの行き方について詳しくは「東京から名古屋までの行き方を、時間や料金で徹底比較!」の記事をご覧ください。
犬山城の季節のイベント(2017年の犬山祭)
写真提供:犬山市観光協会
犬山城のもっとも大きなイベントは4月の第1週の土・日に行われる犬山祭(いぬやままつり)です。2017年は、4月1日、2日に開催されます。犬山祭は、国の重要無形文化財に指定されていますが、2016年には、ユネスコでもその価値が認められ、無形文化遺産に登録されています。
犬山祭の特徴は、通称「車山(やま)」と呼ばれる3階建ての山車(※2)。「やま」とは日本語の山(Mountain)を意味しており、山車の高さが8mもあって「山のように大きい」というところからきています。
山車には、からくり人形が仕掛けてあり、犬山地方独特のからくり人形劇を披露してくれます。犬山祭りに参加する山車は全部で13台あり、山車が犬山の城下町を練り歩く壮観な光景を楽しむことができるイベントです。
※2:山車……祭りのときに飾りをしたり笛や太鼓などの奏者をのせて引き出す車のこと。
犬山城周辺の観光スポット
犬山城は木曽川のほとりの高台にあるため天守からの眺めが素晴らしいのですが、木曽川から見上げた姿もまた格別です。犬山城を下から眺めるには、木曽川で行われる鵜飼ツアーに参加するのが一番です。
鵜飼は、日本の伝統的な漁法で、夜かがり火を焚いて魚を引き寄せ、飼いならした鵜(う、日本に生息するペリカンの一種の水鳥)に、その魚を取らせます。本来は夜に行うものですが、最近では観光用に昼間も行われています。昼間だと伝統的な雰囲気が味わえませんが、木曽川の風景、特に犬山城の姿が楽しめるというメリットもあります。
開催期間は6月1日~10月15日の火、木、土、日で、所要時間は2時間30分です。但し8月9日~12日はお休みになっています。詳細は、「犬山観光情報 木曽川うかい」のページをご覧ください。
大の旅好き。日本はほとんどの都道府県を旅しました。今や世界中の人を魅了してやまない日本。そんな日本の隠れた魅力も伝えていければと思います。