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【東京都】四季折々の花を楽しむ小石川後楽園~アクセス・見どころ・イベントなど〜
小石川後楽園は、東京都文京区にある17世紀に造られた庭園です。庭園には珍しく田園風景も広がり、四季の花々が楽しめるだけでなく、イベントもたくさん開催されています。そんな小石川後楽園へのアクセスや園内のおすすめスポット、年間イベントをご紹介します。
小石川後楽園とは
東京都文京区にある、巨大で真っ白な屋内野球場「東京ドーム」のそばに忽然とあらわれる庭園、それが小石川後楽園です。1629年に、江戸幕府の政権を開いた徳川 家康(※1)の11男、徳川 頼房(とくがわ よりふさ)が築庭を命じ、その息子の光圀(みつくに)のときに完成しました。
※1:徳川家康(とくがわいえやす)……戦国時代(1467〜1590年)から安土桃山時代(1573〜1603年)にかけての武将・戦国大名(支配した人)。
小石川後楽園の造園手法:回遊式築泉水庭園
庭園は、「回遊式築山泉水庭園」といわれる造りになっていて、山に見立て土を積み上げた築山(つきやま)や、泉水(せんすい)といわれる大きな池があります。
中国の儒学思想に傾倒していた光圀が、庭づくりに朱舜水(しゅ しゅんすい)という儒学者を参加させたことから、全体的に中国風の趣(おもむき)を感じられる庭になっています。日本各地の湖、山、川を園内で再現しているのも特徴です。
写真提供:JNTO
小石川後楽園では四季を通して植物や花が楽しめます。春にはツツジやフジ、スイレン、ハナショウブといった花だけでなく、見事なシダレザクラも咲き誇ります。夏にはサルスベリが、秋にはヒガンバナやモミジの紅葉、そして冬にはツバキやサザンカ、ウメの花も見られます。
小石川後楽園の基礎情報
写真提供:JNTO
■開園時間:9:00~17:00 (入園は16:30まで)
■休園日:12月29日~翌年1月1日
※イベント開催期間および特別休日などで休園日開園や時間延長がある場合もあります。
■入園料:一般300円、65歳以上150円、小学生以下無料
■無料公開日:みどりの日 (5月4日)、都民の日(10月1日)
小石川後楽園への行き方
写真提供:JNTO
東京駅からの行き方
東京駅からは東京メトロ丸の内線に乗って後楽園駅まで9分、料金は170円です。後楽園駅からは徒歩8分です。
新宿駅からの行き方
新宿駅からはJR総武線に乗って飯田橋駅まで12分、料金は160円です。
そのほかの最寄り駅は、次の通りです。
■都営地下鉄大江戸線「飯田橋」C3出口から徒歩3分
■JR総武線「飯田橋」東口から徒歩8分
■東京メトロ東西線・有楽町線・南北線「飯田橋」A1出口から徒歩8分
■東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園」中央口から徒歩8分
小石川後楽園のオススメのスポット
大泉水(だいせんすい)
滋賀県にある日本最大の湖、琵琶湖を表現したもので、この庭園の代表的な見どころとなっています。昔はこの池で舟遊びをしていたそうですよ。
小廬山(しょうろざん)
中国の景勝地「廬山(ろざん)」に似ていることから、この名前がつきました。一面が竹に似た植物のオカメザサで覆われた丸い築山で、山頂から庭園を見下ろすことができます。
大堰川(おおいがわ)
京都・嵐山の大堰川を模した川です。上流にかかる朱色の通天橋(つうてんきょう)は、京都の東福寺の通天橋を参考に建てられました。紅葉の名所としても有名です。
得仁堂(とくじんどう)
古代中国の賢者であり、儒教では聖人とされている伯夷(はくい)と叔斉(しゅくせい)という兄弟の木像を安置しているお堂です。
円月橋(えんげつきょう)
橋そのものと水面に映る橋が合わさり、満月のようにみえる石橋です。現在は渡ることができませんので、ご注意ください。
稲田(いなだ)
北の地域には田園風景が広がり、稲田や梅林、ハナショウブが見られます。稲田は、賢人として知られる徳川光圀が、農民の苦労を彼の息子や息子の夫人に教えるためにつくったものだと言われています。6月にはハナショウブが見頃です。
涵徳亭(かんとくてい)
写真提供:JNTO
庭園内にある日本家屋「涵徳亭」には日本間が複数あり、電話予約をして借りることができます。料金は2,100円〜 5,800円です。(電話:03-3811-3015)
予約が入っていない部屋がある場合は、12:00から一般の人向けに軽食や抹茶を有料で提供する「お休み処(おやすみどころ)」として営業しています。「お休み処」の営業のある日は、西門入り口と涵徳亭前に「お休み処営業中」の看板が掲げられています。
小石川後楽園の季節のイベント
小石川後楽園での季節のイベントは、花や紅葉の見頃に合わせて開催期間が変動しますので、詳しい日程は公式サイトでご確認ください。
2月:梅まつり
梅の花の見頃に合わせて、梅めぐりツアーをはじめ、植木市の開催や名産品の販売もしています。また、日本の伝統芸能である「狂言」などの公演や、琴や尺八の演奏会も開催されます。毎年2月中旬~3月上旬に開催。
5月:竹細工講習会
竹とんぼや一輪挿し、竹笛などを作ります。材料がなくなり次第終了となりますので、ご注意ください。毎年こどもの日 (5月5日)に開催。参加費50円。
5月:田植え
地元の小学生が田植えをする様子を見学することができます。毎年5月20日前後開催。
9月:稲刈り
地元の小学生が稲刈りをする様子を見学することができます。毎年9月下旬~10月上旬に開催。
11月:ワラボッチ講習会
ワラボッチとは、霜などの寒さから守るために植物にかぶせる藁でできた囲いです。それにちなみ、ワラボッチで一輪挿しなどを作ります。毎年文化の日 (11月3日)に開催。参加費50円。
11月:紅葉まつり
480本もあるモミジの見事な紅葉だけでなく、お茶会や「江戸太神楽」などの江戸の伝統芸能も楽しめます。毎年11月下旬~12月上旬に開催。
12月:雪吊り
雪などによって枝が折れないように松に施す伝統技能を「雪吊り」といい、その作業を解説とともに見学することができます。毎年紅葉まつり開催期間中に開催。
小石川後楽園の周辺の観光スポット
東京ドームシティは、屋内野球場の「東京ドーム」、遊園地の「東京ドームシティアトラクションズ」、天然温泉のスパと商業施設が一緒になった「ラクーア」、「東京ドームホテル」が揃った、都市型エンターテインメントゾーンです。
また、その隣にある文京シビックセンターの25Fにある無料の展望ラウンジからは、東京スカイツリーだけでなく、天候の良い時には富士山も見えます。
飯田橋駅から徒歩5分のところに、東京のお伊勢さま(※1)ともいわれる東京大神宮があります。1880年に創建された神社で、縁結びのパワースポットとしても人気です。
※1:お伊勢さま……三重県にある伊勢神宮の、親しみを込めた呼称。
小石川後楽園周辺のおすすめホテル
※移動時間や交通費の情報は各施設の公式サイトからの情報に基づいて掲載しています。2017年5月現在の情報です。変更になる場合がありますのでご了承ください。
奈良生まれの旅好きライター。日本の魅力を世界の人々に伝えていきたいです。