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399段の階段を登って本堂へ、奈良県「長谷寺」の見どころ
長谷寺では、歴史的な建物や四季折々に咲き誇る花が美しく、「花の御寺」とも呼ばれています。心が洗われるような長谷寺の境内で、日常から離れ、ゆったりとした時の流れを感じてみませんか?
本堂までの道
本堂までは399段の階段を登ります。ここでは本堂までの行き方を説明していきます。
まず、拝観受付を済ませ仁王門(におうもん)を通ってください。仁王門は長谷寺の総門です。
仁王門をくぐると、登廊(のぼりろう)が続きます。これは、奈良の春日大社(かすがたいしゃ)の中臣信清(なかとみのぶきよ)が、1039年に造ったそうです。
中臣信清の息子が病気に遭ってしまったため、長谷寺へ参拝したところ、無事病気が治ったとのこと。そのお礼としてこの登廊が作られたと言われています。
登廊は上中下の3つに分かれていて、この下廊(しものろう)と中廊(なかのろう)は、1894年に再建されたものです。
中廊の様子。階段はゆるやかなので、気を張らずに上ることができますよ。
上廊(かみのろう)。本堂まであと一息です。
本堂に辿り着きました。次は、本堂の様子を紹介します。
本堂の様子
現在の本堂は江戸時代に徳川幕府(※2)によって建てられました。その建築はとても美しく、国宝に指定されています。
本堂は、十一面観音菩薩像を祀る正堂(しょうどう)と礼堂(らいどう)、そしてその2つの間に通路のような石敷きの土間(※3)からなります。土間からみる景色は、まるで額に入った絵のようです。
※2:幕府……当時の武家政権。
※3:土間……家屋内にあるが、床を張らず地面のままになったところ。
断崖絶壁に造られた舞台は、京都の清水寺と同じ懸造り(かけづくり)。長い柱などで崖の上に建物を固定する造りです。そこからは雄大な景色が広がっていますよ。
そのほかの見どころ
また、長谷寺は牡丹や四季折々の花が美しいことで有名。「花の御寺(みてら)」とも呼ばれています。
歴史的な建築物と、時期によってさまざまな景色に変化する花々を眺めながら、ゆっくり散策してみてはいかがでしょうか。
長谷寺の基礎情報
長谷寺の拝観時間は、4月から9月までは8:30~17:00、10月、11月、3月は9:00~17:00、12月から2月までは9:00~16:30までです。
拝観料は、中学生以上が500円、小学生は250円です。
長谷寺の季節のイベント
だだおし
東大寺二月堂の「お水取り」と並ぶ、奈良の火の行事です。毎年2月14日に、大松明(おおたいまつ)を手に本堂を駆け巡る赤、青、緑の3匹の鬼を退散させ、無病息災を願います。
観音万燈会(かんのんまんどうえ)
12月31日の夜に、登廊に灯がともされます。幻想的で厳かな雰囲気で新年を迎えることができます。
長谷寺への行き方
長谷寺駅から長谷寺までは、徒歩15分ほど。長谷寺駅までの道順は次の通りです。
大阪(梅田駅)からの行き方
大阪の梅田駅からは電車を使います。JR環状線の京橋方面行きに乗り、「鶴橋」駅で近鉄大阪線の名張か青山町、宇治山田もしくは五十鈴川行きの急行に乗り換え。
「大和八木(やまとやぎ)」駅で榛原行きもしくは名張行きの普通に乗り換えて「長谷寺」駅まで行きます。
所要時間は約1時間10分、料金は870円です。
京都からの行き方
京都からは、近鉄京都線の橿原神宮前行き急行で「大和八木」駅まで行きます。そこで榛原もしくは名張行きの普通で「長谷寺」駅まで。
所要時間は約1時間20分、料金は1,010円です。
長谷寺周辺の観光スポット
長谷寺駅から2駅のところに、「女人高野」といって昔から女性の参拝を受け入れてきた室生寺があり、長谷寺とあわせて訪れることもできます。
奈良では、「奈良大和四寺巡礼(ならやまとしじじゅんれい)」といって、長谷寺、室生寺、安倍文珠院、岡寺の四寺巡りをオススメしています。四寺を巡る通訳付きのバスツアーもありますので、詳細は公式HPをご確認ください。
また桜井市には、神話にも登場する三輪山がご神体の大神神社(おおみわじんじゃ)もありますので、古代ロマンとともにぜひ奈良を満喫してみてください。
取材協力:長谷寺
※移動時間や交通費の情報は各施設の公式サイトからの情報に基づいて掲載しています。2017年8月現在の情報です。変更になる場合がありますのでご了承ください。
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奈良生まれの旅好きライター。日本の魅力を世界の人々に伝えていきたいです。