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岩手でやりたいこと15選・アクセスまとめ(歴史スポット・自然・グルメ)
世界遺産の中尊寺・毛越寺などの歴史的スポットから、猊鼻渓(げいびけい)・厳美渓(げんびけい)等の自然美を楽しめる場所まで、魅力的な観光地を岩手県。本記事では、岩手で行きたいスポットやしたいことを紹介します。
岩手とは
岩手は、日本の東北地方に位置する県です。北海道に次ぐ全国2位の広さで、西には奥羽(おうう)山脈、東には太平洋があり山と海の幸に恵まれています。
12世紀に東北地方を統治した奥州藤原氏の豪華絢爛な史跡や、日本の著名な民俗学者・柳田國男(やなぎた くにお)の民話研究の舞台としても有名。
日本を代表する童話作家・宮沢賢治が生まれた県でもあり、宮沢は美しい自然をもつ岩手を、理想郷を意味する"イーハトーブ"という造語で呼びました。
本記事では、岩手で行きたいスポット・体験したいこと、そして東京から岩手までのアクセスを紹介します。
岩手でやりたいこと15選
岩手の魅力を4つのエリアに分けて紹介。それぞれのエリアでやりたいことや行きたいスポットをまとめました。
平泉・一関エリア
県南部のエリアです。とくに平泉と呼ばれる町には、世界遺産に登録された遺跡や仏閣が多く残ります。日本百景にも選ばれた天然記念物、厳美渓(げんびけい)・猊鼻渓(げいびけい)など、自然も豊かな土地です。
1. 世界遺産「中尊寺」の金色堂に感嘆
photo by Pixta
2011年にユネスコ世界遺産に登録された「中尊寺」には、本堂のほかにいくつかの建物がありますが、とくに有名なのが「金色堂(こんじきどう)」。建物全体に金箔を塗布した豪華絢爛な造りで、仏教の極楽浄土(※1)を再現したとされています。造営は、12世紀に東北地方一体を統治した奥州藤原氏。
金色堂は、覆堂(おおいどう)という建物の内側にあり、風雨から保護されています。JR平泉駅から徒歩およそ20分。平泉の観光地を巡回するバス「るんるん」に乗れば10分程度で到着します。
※1:極楽浄土……死後の世界。仏がいる苦しみのない世界とされる。
中尊寺
住所:岩手県西磐井郡(いわいぐん)平泉町平泉衣関(ひらいずみころものせき)202 Google Map
参拝時間:8:30~17:00(11月4日から2月末日までは~16:30) 年中無休
公式HP:http://www.chusonji.or.jp/
2. 世界遺産「毛越寺」の浄土庭園へ
photo by Pixta
JR平泉駅から徒歩で10分程度、巡回バスだと3分ほどのところにある「毛越寺(もうつうじ)」も、中尊寺と同じくユネスコ世界遺産に登録された寺院。12世紀に極楽浄土を模して作庭された広大な庭園「浄土庭園」が見どころです。
5月と11月には奥州藤原氏の栄華を偲んで「藤原まつり」が開催され、平安時代の衣装を着た人々の祭り行列などが見られます。6月には庭園で花菖蒲が見ごろを迎えます。
毛越寺
住所:岩手県西磐井郡(いわいぐん)平泉町平泉字大沢58 Google Map
参拝時間:9:00~16:00 年中無休
公式HP:http://www.motsuji.or.jp/
3. 猊鼻渓で100メートル超の壁岩を見ながら舟下り
photo by Pixta
Picture courtesy of げいび観光センター
猊鼻渓は、JR平泉駅、JR一ノ関駅から定期バスでそれぞれ35分ほどのところにある渓谷です。高さ50~100メートル超の壁岩がおよそ2キロメートル続き、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪など四季ごとに美しい景色が楽しめます。
小舟で渓谷を行き来する「舟下り」で景色を満喫しましょう。(90分、大人税込1,600円)
猊鼻渓
住所:岩手県一関市(いちのせきし)東山町長坂字町467 Google Map
公式HP:http://www.geibikei.co.jp/(舟下り体験:http://www.geibikei.co.jp/funakudari/)
4.美しい水流と奇岩を楽しむ「厳美渓」
photo by Pixta
奇岩、怪岩、滝など変化に富んだ景色を目の当たりにできるのは、エメラルドグリーンの水流が美しい厳美渓(げんびけい)。
川岸の小屋でかごにお金と注文票を入れて対岸に送ると、対岸のお茶屋からだんごとお茶がロープをつたって運ばれてくる「郭公(かっこう)だんご」(別名、空飛ぶだんご)が名物です。JR一ノ関駅から定期バスで約20分、厳美渓バス停下車すぐ。
厳美渓
住所:岩手県一関市厳美町(げんびちょう)字滝の上地内263 Google Map
公式HP:https://www.ichitabi.jp/spot/data.php?no=8
5. 鍾乳洞・幽玄洞の緑色の地底湖を目の当たりに
photo by Pixta
幽玄洞(ゆうげんどう)は、JR猊鼻渓駅からバスでおよそ5分、そこから徒歩5分の場所にある鍾乳洞です。緑色の地底湖と、3億5000年前の歴史が感じられるつらら石や、地面から伸びる石・石筍(せきじゅん)は圧巻。
幽玄洞
住所:岩手県一関市東山町長坂字東本町154-1 Google Map
営業時間:8:30~18:00(10~11月は~17:00、12~3月は9:00~16:00)
公式HP:http://yuugendo.sakura.ne.jp/
6.名物のおもちを食べる
photo by Pixta
一関の名物はおもち。一関では、あんこ、醤油、くるみなど、おもちにいろいろな味付けをして食べる伝統があります。JR一ノ関駅から徒歩10分の蔵元レストラン「せきのいち」などのお店でいただけます。
蔵元レストラン せきのいち
住所:岩手県一関市田村町(たむらちょう)5-42 Google Map
営業時間:11:00 ~14:00、17:00~21:00 不定休(1~3月は火曜定休)
公式HP:https://sekinoichi.co.jp/cuisine/
東京から一関への行き方
東京から一ノ関へは新幹線で行けます。
乗り換えはなく、所要時間と料金は東北新幹線「はやぶさ」「やまびこ」それぞれ以下のとおりです。
はやぶさ——およそ1時間54分、普通指定席片道13,230円円(時間・日程によって異なる)
やまびこ——およそ2時間34分、普通指定席片道12,820円(時間・日程によって異なる)
盛岡エリア
岩手県の北西エリアです。江戸時代に城下町として栄え、現在も行政の中心です。神社仏閣や「岩手銀行 赤レンガ館」など歴史的観光スポットがあります。
7. 「岩手銀行 赤レンガ館」の重厚な建物を見る
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1911年に建てられた歴史ある建物。日本銀行本店や東京駅を手がけた建築家、辰野金吾(たつのきんご)が設計し、2012年まで銀行として利用されていました。現在は資料館となっています。
JR盛岡駅からバスで10分 、バス停「盛岡バスセンターななっく前」すぐです。
岩手銀行 赤レンガ館
住所:岩手県盛岡市中ノ橋通1-2-20 Google Map
営業時間:10:00~17:00 火曜定休、年末年始(12月29日〜1月3日)
公式HP:https://www.iwagin-akarengakan.jp/
8. 「盛岡八幡宮」で厄封じ
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朱塗りの本殿が美しい「盛岡八幡宮」で祈祷を受けると、「厄封じひょうたん(※2)」が渡されます。自分の息を吹き込んで境内につるせば、悪運をひょうたんに封じ込められると言われていますよ。アクセスは、JR盛岡駅からバスで15分ほど。
※2:ひょうたん……ウリ科の植物。上下が丸く真ん中がくびれた形が特徴。
盛岡八幡宮
住所:盛岡市八幡町13-1 Google Map
公式HP:http://morioka8man.jp/db10/
東京から盛岡へのアクセス
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東京から盛岡へは新幹線で行けます。
乗り換えはなく、所要時間と料金は東北新幹線「はやぶさ」「やまびこ」それぞれ以下のとおりです。
はやぶさ——およそ2時間13分、普通指定席片道14,230円(時間・日程によって異なる)
やまびこ——およそ3時間18分、普通指定席片道14,230円(時間・日程によって異なる)
花巻エリア
県南西部に位置する花巻市は、東北でも有数の温泉地。童話作家・宮沢賢治の出身地でもあります。「SL銀河」に乗って、宮沢が愛したこの地域の景色を眺めるのもオススメです。
9.花巻名物「わんこそば」を食べる
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お客さんが一口大のそばを食べるたびに、給仕が新しいそばを次々とついでくれるわんこそばは、花巻が発祥とされています。
お腹いっぱいになったら、おわんのふたを閉めて給仕に終了の合図をしましょう。わんこそばは「やぶ屋 花巻総本店」などのお店でいただけます。
やぶ屋 花巻総本店
住所:岩手県 花巻市吹張町(ふつぱりちょう)7-17 Google Map
営業時間:11:00~15:00、17:00~20:00 月曜定休(祝日の場合は翌火曜休)
公式HP:https://yabuya.jp/
10.人気の花巻温泉郷で温泉三昧
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花巻温泉郷は、東北で人気の温泉地。旅館とホテルなどの宿泊施設があり、日帰り入浴も可能。「宮沢賢治の生家跡」や「宮沢賢治記念館」など、宮沢賢治ゆかりの施設も周辺にあるので、合わせて観光もできます。
JR花巻駅からバスで20分、JR新花巻駅からは無料送迎バスも出ており、所要時間は20~30分です。
花巻温泉郷
住所:岩手県花巻市湯本1-125 Google Map(花巻温泉 ホテル紅葉館)
公式HP:https://www.hanamakionsen.co.jp/
11.「花巻温泉 バラ園」で色とりどりのバラを楽しむ
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ホテル「花巻温泉」に併設しているバラ園です。広さ16,530平方メートルの敷地には、450種6,000株を超えるバラが植えられています。毎年5月下旬〜7月初旬の見ごろの時期には園内に色とりどりのバラが咲き誇り、多くの人が訪れます。
花巻温泉 バラ園
住所:岩手県花巻市湯本1-125 Google Map
営業時間:8 :00~17 :00(時期によって異なる、HP要確認)
公式HP:https://www.hanamakionsen.co.jp/rose/
12 .「SL銀河」に乗る
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宮沢賢治の代表的な作品『銀河鉄道の夜』は、多くの日本人に親しまれている童話。孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと列車に乗って旅をする物語で、花巻駅~釜石(かまいし)駅を走るJR釜石線が物語の鉄道のモデルになったといわれています。
同作をモチーフにデザインされた列車「SL銀河」は、後述する岩手の名所「めがね橋」も通過するほか、車内でプラネタリウムが楽しめます。
SL銀河
公式HP:http://www.jr-morioka.com/noccha/train/slginga/
盛岡から花巻へのアクセス
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盛岡から花巻へは電車で行けます。JR東北本線(一ノ関・盛岡方面行)に乗れば乗り換え不要で、所要時間およそ37分、料金は670円です。
遠野エリア
民話の里として知られる県東部のエリアです。柳田國男はこの地に伝わる民話を収集し、著書『遠野物語』で発表しました。遠野では、物語に出てくるカッパ淵が有名です。
13.民話の舞台「カッパ淵」へ
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JR花巻駅から車で1時間と徒歩で5分。民俗学者の柳田國男が『遠野物語』で取り上げた、妖怪・カッパ(※3)が多く住んでいたとされる場所です。岸辺にはカッパを祀った小さな祠(ほこら)があります。
※3:カッパ……水辺に住むとされる伝説上の生物。子どものような体つきで、全身は緑色、頭頂部に皿があるとされる。
住所:岩手県遠野市土淵町土淵(つちぶちちょうつちぶち) Google Map
公式HP:https://tonojikan.jp/kanko/kappabuchi.php
14.恋人の聖地「めがね橋」を訪れる
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宮守川橋梁、通称・めがね橋は、夜のライトアップが美しいアーチ状の橋。日本のNPO法人により"プロポーズにふさわしいロマンティックな場所"を意味する「恋人の聖地」に認定されました。
日没後から22:00まではライトアップが行われ、幻想的な雰囲気。JR新花巻駅から30分の宮守(みやもり)駅で下車し、そこから徒歩10分です。
めがね橋
住所:岩手県遠野市宮守町下宮守(みやもりちょうしもみやもり)30-37-1 Google Map
公式HP:https://tonojikan.jp/kanko/meganebashi.php
15.「遠野ふるさと村」で農村体験
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「遠野ふるさと村」は、JR遠野駅から車で20分のところにある、日本の古い農村を再現したスポット。遠野地域に古くから伝わる「草木染め」や、竹を使った玩具「竹トンボ」を作るワークショップなどの体験ができます。
遠野ふるさと村
住所:岩手県遠野市附馬牛町上附馬牛(つきもうしちょうかみつきもうし)5-89-1 Google Map
営業時間:9:00~17:00(11~2月は16:00) 年中無休
公式HP:http://www.tono-furusato.jp/
盛岡から遠野へのアクセス
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盛岡から遠野へは新幹線・電車で行けます。時間帯によっては乗り換え時間がかかるため、前もって時刻表を確認するのがいいでしょう。
●新幹線を利用する場合
盛岡(やまびこ・東京行、自由席)→新花巻(JR釜石線・釜石行)→遠野
所要時間:およそ1時間 料金:計2,180円
●新幹線を利用しない場合
盛岡(JR東北本線線・釜石行、快速はまゆり利用)→遠野
所要時間:およそ1時間21分 料金:計1,490円
※快速は時間帯により花巻でJR 釜石線・釜石行に乗り換える必要があります。各駅停車だとおよそ2時間です。
まとめ
美しい自然や、世界遺産にも登録された仏閣をもつ岩手県。わんこそばやおもちのような独自の食文化も楽しめます。
紅葉や桜の時期は宿泊施設が予約がいっぱいになることがあり、早めの予約が肝心です。
Web編集者・マーケッター。屋号は「TOG-GLE(トグル)」。秋田県生まれ。ベネッセコーポレーション、ゲーム会社を経て通信会社でカルチャーマガジンを立ち上げ編集長に。現在は関西在住。得意分野はインタビュー、メディアの立ち上げ・改善、お片付け、健康、禅、文学、漫画、映画、教育、日本史、デザインなど。